13話:地雷系サキュバス
私は声が聞こえてきた頭上に目をやった。
そこには、ピンク髪でツインテールのザ・地雷系って感じの女の子がいた。
この子、サキュバス…?悪魔の尻尾も生えてるし…
「あんた、誰?」
「うーん、梨花ちゃんのお嫁さんかな♪」
「ふざけないで!」
私は剣で荊を切ろうとした。
っ!!!!
切れない!!!
「無駄だよ〜。その荊は光属性魔法を使わないと切れないよ〜。あ、でも梨花ちゃんは、基礎魔法とか使えないんだっけ?」
「にゃも助!!!光属性魔法で、この荊を切って!!!」
あれ…?
そういえば…
さっきから周りが動いてない!?
「プヒャヒャ!無駄だよぉ〜。だって、この空間には私と梨花ちゃんしかいないから♪」
「どういうこと!?」
「うーん、闇属性魔法の結界って感じかな♪しかも、この結界は相当強固だからぁ、並の光属性魔法じゃ壊せないよ♪」
「あんたの目的はなに!?」
「私の目的?」
彼女はそう言い、私の前に立った。
「それはね…梨花ちゃんがぁ、私に堕ちてもらうことだよ♪」
…っ!?!?!?
彼女は急に私にキスをしてきた。
「あんた!?どういうつもり!?!?」
「ヒャヒャ、梨花ちゃんとキスしちゃったぁ〜」
「こんなことで、私があんたに堕ちると思うの?」
私は、荊に縛られながらも剣を構えた。
「いやぁ〜ん!梨花ちゃん、こわぁい!やっつけられちゃうぅ〜!」
「ヤァァァ!!!!」
私は剣で女の子を攻撃した!
ガキンッ!!!!
これは…バリア!?
「な〜んて!私がそんな簡単にやられるわけないじゃない♪」
「なんで…なんで、あんたは私に堕ちて欲しいの!?」
「うーん…まあ…上からの命令もあるけどぉ〜、でもぉ、やっぱりぃ〜」
彼女はそう言いまたキスしてきた。
「ぷはぁ!梨花ちゃんのことがぁ〜個人的に好きだから♪」
「上からの命令って何!?」
「それはぁ…」
またキス…
「教えられなぁ〜い!」
あれ…?
体が…
なんか…熱い…
「やっと効いてきたぁ♪」
「どういうこと…?」
「え〜ほんとわぁ、教えちゃいけないんだけどぉ〜。梨花ちゃんだから、特別に教えてあげる♪」
「いいから早く言って!」
「それはねぇ〜私のキスには服従効果があるの♪」
「服従!?」
「あ!せっかくだからぁ〜命令しちゃお!」
「は!?!?」
「梨花ちゃん、私の頭撫でて♪」
「は!?誰がそんなこと…」
って…
え?
なんで…
「ヒャヒャ!撫でてくれたぁ〜!嬉しいな!じゃあ、次は何してもらおっかな♪」
「嫌!服従したくない!」
「じゃあ、次は私のこと好きって言って♪」
嫌だ、嫌だ、嫌だ!!!!
「す…好きです…」
私の口は勝手に動いた。
「好きって言ってくれたぁ〜!次はぁ、私と結婚して♡」
嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ!!!!
「ひゃ…ひゃい……」
「やったぁ〜!梨花ちゃんとの結婚決定!じゃあ、今日から私たちの仲間だね♪」
「仲間…?」
「うん。私たち魔族の仲間。せっかくだから、いいこと教えてあげる♪この森にはウロボロスはいないよ♪」
「は……」
「あの通報は、梨花ちゃんをここに呼び寄せるための罠♡」
そんな……
「それで、私たちの仲間になってくれるよね?」
嫌だ!!!!
「な…か…ま?」
「うん。仲間♡」
なんで、
なんで、私が思ってることが…言えないの…!?!?
「私に一生服従してくれる?」
あ…
ダメ…
これ以上、キスされると堕ちちゃう…
「ひゃ…」
「マジック・ブレーカー!!!!!!!」
パリッン!!!!
結界が壊れた。
「イヴ!!!梨花ちゃんに治癒魔法を!!!早く!!!!にゃも助くんは荊を光属性魔法で破壊して!」
「はい!!!!」
「はいニャ!!!!」
アブノーマル・ヒール!!!!
ライト・レイ!!ニャ!!!!
私にまとわりついていた荊と、服従効果が解けた。
「ありがとう!」
「さ、あいつを倒すわよ!」
アリアさんが剣を構えた。
「あ〜、せっかくの梨花ちゃんとのイチャイチャタイムがぁ〜!でも、この数じゃ勝てないし…かーえろ!」
「待ちなさい!」
「またなーい!あ、私の名前、伝え忘れてた♪ 私は、サキュバスのメリーナ。また迎えに行くね♪梨花ちゃん♡」
メリーナはそう言い、空へ羽ばたいて消えていった…




