113話:掉尾の旅
「サンドーラ王国が……土の五獣の力で滅ぼされてる……」
っ……!!!!!!
サンドーラ王国って……
アルカちゃんと、ルイアさんがいる王国のはず……!
「アルカちゃんと、ルイアさんは!?生きてる!?」
私は、真っ先にあの2人のことが心配になり、オメガちゃんに聞いた。
あの2人は、私たちのことを助けてくれた人たち……
しかも、リンポス家最後の子孫だ。
「……!あの2人……」
「どうだった……?」
「うん。大丈夫。あの2人は王国の地下室に隠れてて平気だよ」
「よかった……」
「ただ……サンドーラ王国の9割の人はもう……」
土の五獣……
なんで、サンドーラ王国を襲ったのだろう……?
何か特別な理由があったのだろうか……
「ねえ、土の五獣は今、どこにいるの?」
「……。まだサンドーラ王国付近にいるよ。早く倒さないと、二次災害が起きちゃう!!!今すぐ行くよ!!!」
サンドーラ王国……
あそこに行くのは、すごく久しぶりだ。
でも、今行っても、あの時みたいに活気にあふれた街ではない。
おそらく、街はぐちゃぐちゃにされ、死体が至る所に横たわっている地獄絵図なのだろう。
今すぐに、行かないといけないのはわかっている。
だけど……
光景を想像するだけで、足が重く感じる。
「さ!!!早く行くよ!!!」
オメガちゃんが立ち上がって言った。
正直、サンドーラ王国の光景を見たくない。
だけど、行かなきゃ……。
このままじゃ……
アルカちゃんと、ルイアさんが死んじゃう。
「うん……!行こう」
私が立ち上がった時……
「ねえ。私も一緒に行ってもいい?」
後ろから、アリアさんが言った。
「もちろん!」
オメガちゃんが笑顔で言った。
「私も!アリアさんに来て欲しかったです!!!」
私は、嬉しくて泣きそうだった。
「ありがとう」
アリアさんが、微笑みながら言った。
また、アリアさんと一緒に冒険ができる……!
もしかしたら、また私たちと冒険をすれば、アリアさんの記憶が戻るかもしれない……。
記憶が戻って、世界が平和になったら、もう一回デートしたいな……
私はそんな希望を胸に抱き、みんなと出発した。
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「幻虚エネルギー……」
白髪の女は、時空の歪みの中で、ポツリとつぶやいた。
女は1人後悔していた。
あれの封印を解いてしまって良かったのか?
あれがまた、地上で蔓延れば、地獄絵図になる。
なのに、解いてしまった。
本当は、解きたくなかった。
だけど、女王には逆らえない。
「誠治さん……。私は……正しいのでしょうか……?あなたの願いは、本当にこれだったのでしょうか……?」
女はまた、つぶやいた。




