107話:敵意
「アリアさん……」
私は、目の前の状況が信じられなかった。
アリアさんが私たちを攻撃した……?
私のことを忘れていたとしても、そんなことをする人じゃないはず……
「梨花ちゃん!よく見て!これは、アリアちゃんだけど、アリアちゃんじゃない!」
オメガちゃんが言った。
私は、目の前のアリアさんをよく見た。
あれ……?
アリアさんの目は青色だったはず。
なのに、目が黒い……?
「おそらく、洗脳だよ」
オメガちゃんが言った。
「洗脳!?」
「うん。しかも、これは結構強力な洗脳……。アブノーマル・ヒールじゃ治せない……」
「じゃあ、どうすれば……!」
「とりあえず、気絶させる!」
オメガちゃんは盾を持ったまま、アリアさんに突っ込んだ。
「おりゃああああああああ!!!!!!」
ガンッ……!
オメガちゃんは、盾を振り下ろし、アリアさんにぶつけた。
「っ……!やるね!小さいのに!」
「アリアちゃん!私、こんなことしたくない!!!」
「アリア……?違う!私は、魔人クインテット!!!アリアなんて知らない!!!!!!」
ブンッ……!
アリアさんが、オメガちゃんに向けて、剣を振るった。
ガキンッ……!
私は、オメガちゃんとアリアさんの間に入り、剣でその攻撃を守った。
「アリアさん!!!あなたは!こんなことをする人じゃない!!!」
私は必死に言った。
たとえ、私のことを覚えてなくても……
知らなかったとしても……
アリアさんは、アリアさんだ。
私の知っているアリアさんに、早く戻って欲しい。
「うるさい!!!」
ガギキンッ……!
ただ、私の願いも虚しく、アリアさんは攻撃を止めることはなかった。
「どいつもこいつも、アリア、アリアって!!!私は!魔人クインテットなんだよ!!!」
ガギコンッ……!!!
バリンッ……!!!
私の剣が力負けし、折れた。
まずい……!
剣が折れたら、攻撃を防げない……!!!
「死ね!!!!!!」
アリアさんが思いっきり、私に向かって剣を振った。
その瞬間……!
ザシュッ……!
「がはぁっ……!!!」
オメガちゃんが、間に割って入り、攻撃を体全体で受け止めた。
バタッ……
オメガちゃんはその場で倒れた。
「オメガちゃん!!!!!!」
オメガちゃんの全身から血が吹き出している。
「梨花ちゃん……。だい、じょうぶ……。こんな傷……すぐ、に……治るから……」
「でも……!この傷じゃ、早く手当しないと死んじゃう!!!」
「私は……五獣だよ……?これくらい……治る。だから、私が動けるようになるまで……耐えて!」
私はアリアさんの方を向き直り、折れた剣を拾った。
「今の私に……あなたを止められるかは、わからないけど……。だけど!それでも!!!」
ビシッ……!
ビシビシッ……!
折れた剣が徐々に元通りになっていく……
「私は!!!あなたを止める!!!」
私は、鋼色に輝く剣を構えた。




