104話:指輪
「はっ……!」
私は目を覚ました。
外が明るい……
いつの間にか朝になっていた。
「あ!梨花ちゃん起きた!よかった……!」
オメガちゃんが私の顔を覗き込みながら言った。
柔らかい……
もしかして……
「もしかして……膝枕してくれてるの?」
「うん!そうだよ!」
「ありがとう」
私は体を起こした。
ズギッ……!
身体中が痛い。
おそらく、魔力痛だろう。
「梨花ちゃん、大丈夫?」
「うん。大丈夫……」
「良かった!私、久しぶりに梨花ちゃんを膝枕できて……嬉しかった……」
オメガちゃんが少し照れながら言った。
でも……
私には、オメガちゃんに膝枕をされた記憶がない。
やっぱり、オメガちゃんとの記憶だけ無くなっている。
おそらく、女王が消したのだろう……。
「あ……!そういえば、この指輪ありがとう」
私は、オメガちゃんに指輪を返した。
「返さなくていいよ。この指輪は、今の梨花ちゃんに必要なものだから」
オメガちゃんは、指輪を私の指にはめながら言った。
「この指輪って……?これをつけた瞬間、魔力が一気に高まったんだけど」
「ああ、これは魔力を一定の量にさせる指輪。イヴちゃんが魔力を肩代わりできるブレスレット作ってたよね?」
「うん」
「それの劣化版かな」
劣化版……?
劣化版ってことは……そこまで便利じゃないってこと?
私がそんなことを考えていたら、オメガちゃんが指輪の説明をした。
「これは、魔力を持ってない人でも魔法を使えるようにするためのものなの。大体エクリプス・ブレード1回分くらいの魔力はあるよ」
「へぇ〜……」
「でも、難点もあって……。魔力をたくさんもっている人でも、この指輪をつけると、指輪の魔力に準拠しちゃうんだ」
「つまり……?」
「これをつけたままだと、一生魔力が上がらないってこと。だから、特訓の時とか、ある程度魔力を獲得した時は外さないと意味がないんだ」
「なるほど……」
「でも、今の梨花ちゃんは、魔力がほぼ無いから、これをつけるべきだよ」
「わかった」
しばらくはこれを使うことになるのだろう。
私、あんまり指輪とか好きじゃないんだけどなぁ〜……
でも、これがなきゃまともに戦えないし……
そんなことを考えていたら……
「あ!そうそう!」
オメガちゃんは、服のポケットから何かを取り出した。
「はい!梨花ちゃん!これあげる!」
「これは……!」
私は、それに似たものを見たことがあった。
私が、大切にしていたもの。
そして、私を救ってくれたもの。
「サラマンダーのチョーカー……」
「うん!さっきのサラマンダーの素材で作ったんだ。アリアちゃんのよりも不恰好かもしれないけど……良かったらつけて……?」
「うん!」
私は、オメガちゃんからチョーカーを受け取り、首につけた。
つけた瞬間……
「すごい……!」
体全体が軽くなり、力がみなぎってきた。
「どう……?気に入ってくれた……?」
「うん!すごくいいよ!」
「良かった……!」
オメガちゃんは嬉しそうに言った。
「じゃあ、梨花ちゃんも元気になったことだし……。そろそろアリアちゃんのところに行こっか!」
「うん!」
私たちはまた歩みを進めた。




