表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
104/111

101話:五獣

「光は……私」

少女は俯きながら、そう言った。

「どういうこと……?じゃあ、あなたは神様なの?」

「神に近しいってだけかな。ただ、私はあくまで仮の五獣なんだけどね」

「仮……?」

「うん。前の光の五獣を殺して、力を奪い取ったの……」

女の子は少し低い声で言った。

「光の五獣を殺した……?なんで……?」

「それは、〈魔力紛争(マジック・エンド)〉のせいなの……」

魔力紛争(マジック・エンド)……?」

「うん」

女の子は暗い顔で、話を続けた。


「1000年前に起きた、五獣と人間の戦争のことだよ」

「なんで、五獣と人間が戦争をしたの?」

「それは、魔法の母アリーネ・リンポスが、民衆に魔法を広めたからなの」


続けて、女の子は魔力紛争(マジック・エンド)の話をした。


―――――――――――――――――――――――


本来、魔力を使うことができるのは五獣だけだった。だけど……アリーネは、人間でも魔力を使う方法を見つけてしまった。

見つけただけならよかったんだけど……

それを民衆に広めたことが、五獣の逆鱗に触れたんだ。

怒りに満ちた五獣は、人間に攻撃を仕掛けた。

人間たちは、圧倒的な力を誇る五獣の前には、手も足も出なかった。

だけど、1人の男と、その仲間……。そして、アリーネは、それでも五獣に立ち向かったの。

そして、彼ら……ううん、私たちは……

男の命の犠牲、それと寝返った炎の五獣〈エリファリア〉のおかげで、五獣の一体……光の五獣を殞落させることができた。

光の五獣の殞落、炎の五獣の裏切りが重なり、残りの五獣は狼狽えて撤退した。

こうして人間は魔力紛争(マジック・エンド)に勝利して、魔法を手に入れることができたの。


―――――――――――――――――――――――


「ちょっと待って!エリファリアって五獣なの!?」

「うん。彼女はフェネクスを殞落させて、その力を半分とはいえ、奪い取ったからね」

「でも!メメントモリだって、フェネクスの力を持ってたはず!」

「五獣になれる者は、五獣を殞落させた者だけ。だから、メメントモリは五獣になれなかったんだ」

「じゃあ、なんで魔力の存在の彼女が、五獣になれたの?」

「ああ……。それは……」

女の子は先ほどよりも暗い顔になった。

「わかんない……」

「そう……」


確かに、エリファリアの強さは、天使の中でも群を抜いていた。

それは、彼女が天使でもあり、炎の魔力を司る神でもあったからだったんだ。

だけど、なんで魔力だけの存在が五獣になれたんだろう?

しかも、オメガちゃんは、それを話したくなさそうな感じだし……


「とりあえず!暗い話はここでおしまい!」

女の子は少し無理に笑いながら言った。

「梨花ちゃん、これから先どうするの?」

「うーん……とりあえず、にゃも助とイヴちゃん、アリアさんを探さなきゃ」

「オッケー!じゃあ、ちょっと待ってて!今から探すから!」

「探すって……どうやって?」


私が聞く前に、少女は目を瞑っていた。


スゥゥゥゥ……


ハァァァ……


女の子の静かな息の音だけが聞こえる。


その瞬間、少女は目を開いた。

「うん!見つかった!距離的には、アリアちゃんが1番近いかな」

「え……あ!」


そっか!

忘れてた!

この子は監視官(モニター)を統べる監視長(リーダー)

だから、監視官(モニター)と同じように、世界全体の様子を見ることができるんだ!


「じゃあ、梨花ちゃん!行こっか!アリアちゃんのところに!」

「でも、どうやって行くの?」

「え?徒歩だよ」

「徒歩!?何分くらいかかるの……?」

「うーん……ざっと半日以上かな!」

少女はわざとらしく笑って言った。


「さ!行くよ!」

少女は龍の死体の中から、槍のようなものを引き抜き、急足で前へ進んだ。


私は、急いでその背中を追いかけた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ