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9話:自分だけの技

「はぁ…はぁ…」

私は折れた剣を持ち、サラマンダーの前に立った。

「あんたに、今、ここで…やられるわけには、いかない!!!」


ギャァァァァ!!!!


くる!!!!

「グッ!」

私はギリギリで攻撃をかわした。


「うぉぉぉぉ!ウィンドスラッシュ!」


ガキン!!!


全然ビクともしてない!

もっと、なんか、威力がある攻撃…


ギャァァァァ!!!


「フッ!」

もう一回かわせた!

こいつの攻撃には法則がある!

こいつは、攻撃する前に鳴く!

そういえば、イヴちゃんが前、スカイスラッシュの派生前がウィンドスラッシュって言ってたような……

ってことは、ウィンドスラッシュはさまざまな技の派生元……


ギャァァァァ!!!


「グッ!!!」

しまっ…!


ドガッン!


私は岩に激突した。


「ガァハぁ…!」


クッソ…

受け身が取れなかったせいで、体全体を思いっきり打ちつけた…

意識が…

でも、でも、ここで死んだら…


「百合ハーレムが作れないんだよ!!!!」


その瞬間、折れた剣が光った。

ミシッミシッ

折れた部分が…修復された!?

考えてる暇なんかない

自分の最大の魔力を刃に…


「エクリプス・ブレード!!!!!」


グァァァァァア!!!!!


やった!サラマンダーの尻尾切れた!

あ、れ?意識が…


グコォォォォォ!


サラマンダーが、私に向かって炎を吹こうとしていた。


クソ…


このままじゃ…本当に…


「アクア・ブレイブ」


ズドォォォォォン!!!!


巨大な水の剣がサラマンダーを突き刺した。

「梨花ちゃん!?大丈夫かい!?」

「あ…ファイさ、ん…」

私は意識を失った。


―――――――――――――――――――――――


一体あれから、どのくらいの時間が経ったのだろう?

私は城の自室で目を覚ました。

って、膝重!

膝を見ると、にゃも助が上で寝ていた。

そのとき…


ガチャ

イヴちゃんが入ってきた。


「あ、梨花さん…」

「イヴちゃん…」

「良かった!梨花さん…本当に良かった!」

イヴちゃんが泣いた。

「私、私…梨花さんが、もう目を覚さないかと…私が渡したスイッチが壊れてたから…私のせいで…」

「イヴちゃん落ち着いて…」

「ニャ!梨花、やっと起きたかニャ!」

にゃも助が膝の上から、私の横に移動した。

「梨花さん、にゃも助さん、ごめんなさい。危険な目に合わせてしまって…」

「いいよ、いいよ。今、生きてるし!それで、私、何日くらい寝てた?」

「2日くらいです。必死に治癒魔法をかけたのですが、治りが悪くて……」

「2日かあ…あ!てか試験どうなった?」

「もちろん、合格です。また、梨花さんはサラマンダー討伐に貢献したので、通常、試験に合格したら一般兵からスタートなのですが…梨花さんは、少数精鋭部隊に入ってもらうことになりました」

「少数精鋭部隊?」

「はい。全てを説明すると長いので…結論から言います。私と、梨花さん、にゃも助さん、のみの部隊です」

「えっと?つまり、この3人だけの部隊を作ったってこと?」

「はい」


これは…チャンス!

イヴちゃんと冒険してるうちに、もっと仲良くなって、イチャイチャして…それで、アリアさんとの関係みたいになれれば……


「これからよろしくお願いします。梨花さん、にゃも助さん!」

「こちらこそ!」

「こちらこそニャ!」

その時…


バン!!!!

急に扉が開いた。


「梨花ちゃん!大丈夫!?」

ファイさんが部屋に飛び込んできた。


「ファイさん…助けていただきありがとうございました。」

「全然気にしないで!無事で良かったよ!それで、確認なんだけど、サラマンダーの尻尾切ったのって、梨花ちゃんだよね?」

「はい」

「どうやって切ったの!?サラマンダーの尻尾はどんな魔物のよりも硬いんだよ!」

「えっと…なんか、死にたくないって思ったら、折れた剣が勝手に治って、それで…あ!自分だけの技が撃てたんだっけ…?」

「え!もう習得したの!?」

「梨花さん、それは本当ですか!?」

「えっと…?それは……なにか大変なことなの?」

「あ、梨花さんには、軽くしか説明してませんでしたね。剣術を鍛えると派生した技が使える、という話は前にしましたよね?」

「うん」

「派生した技は誰でも使えるものと、そうではないものがあるのです」

「え…?」

「誰でも使える方は、時間をかけ、感覚を掴めば使えるようになります。ですが…それをさらに極めし者の中には、自分だけの技を持っている人がいるんです」

「私が梨花ちゃんを助けるときに使った、アクア・ブレイブがそうだよ」

「それを梨花さんは…剣術を初めて約1週間で使えるようになるなんて…しかも、ウィンドスラッシュから自力で派生させるなんて…」

「つまり、梨花ちゃんには、今の騎士団長以上の才能があるってこと」

私に、アリアさん以上の才能が?

「それと、梨花ちゃん。剣が勝手に治ったって言ったよね?」

「はい」

「この世界には剣とか、物が治る加護や魔法はないんだ。つまり…」

「無属性魔法…!」

イヴちゃんが少し興奮しながら言った。

「まあ、まだ可能性の話だけど…一回、適正魔法検査を受けてみるといいかも」

「わかりました。受けてみます」

「もし仮に、無属性魔法の使い手だった場合、この世界で2人目です」

「私とイヴちゃんの2人だけ…」


もしかしたら、私、魔力が少ないだけで魔法の才能もあるのかも…


「あと、アリア様から伝言を預かっています。目が覚めたら、騎士団長室に来てほしいとのことです」

「わかった、今すぐ行くね」


私は起き上がり、にゃも助と一緒に騎士団長室へと向かった。

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