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最終武装・リバースギア完成

 アルの目の前に現れた神兵は、古代の技術を宿した超兵器だ。それはもはや、ただの道具ではなく、意識を持った存在として、アルの力に共鳴しているようだった。その力を引き出すために、アルは新たな錬金術を編み出さなければならない。


 「リリス、これをどう使うべきか、まだ全然分からない……」


 アルは神兵を見つめ、少し悩んだ様子で呟く。神兵の表面には無数の符号や機械的な模様が刻まれており、その一部は青白い光を放ちながら、アルの異能に反応していた。だが、それがどのように戦闘に活かせるのか、今は全く見当がつかなかった。


 「アル、神兵にはおそらく、あなたの異能との「相性」があるんだと思う。今までのように、ただ物質を錬成するだけではなく、神兵そのものの力を引き出すためには、何か「意識的な契約」が必要かもしれない。」


 リリスの言葉に、アルはしばらく黙って考え込む。確かに、彼の異能《再構成リコンストラクト》は、物質を分解し、別の形に再構築する能力だ。だが、神兵のような存在を「再構成」するには、今までのような単純な手順では足りない。


 「意識的な契約……か。リリス、もしかしたら、それが必要なんだろうな」


 アルはそう言うと、神兵の前にゆっくりと歩み寄り、手を差し伸べた。その瞬間、青白い光がアルの手のひらに吸い寄せられ、神兵とアルの間に一瞬のひび割れたような空間が広がる。アルはその瞬間、異能が反応するのを感じた。


 「これだ!」


 アルは無意識のうちに言葉を漏らし、手を強く握りしめる。彼の異能《再構成》が神兵の内部構造にアクセスし、少しずつその力を解放し始めた。アルは錬金術師としての直感を働かせ、神兵の各部を精緻に再構成していく。青白いエネルギーが、彼の体から放たれる。


 その時、神兵の目が再び光り、その全身がわずかに動き出した。アルはその反応を見逃さず、さらに力を込める。


 「神兵の力を完全に引き出す……!」


 アルがそう決意した瞬間、神兵の体が完全に起動し、その足元に金属的な鳴動が響く。まるで生き物のように、神兵はゆっくりと立ち上がり、アルの前に現れる。


 「これが……!」


 アルの目の前に現れた神兵は、まさに超兵器そのものだった。古代の技術を駆使したその姿は、異世界においても恐れられる存在だった。しかし、それだけではない。神兵にはアルの《再構成》によって新たに強化された部分があった。それは、まるで自分の一部のように、アルの異能に反応して動くようになったのだ。


 「これで、戦える……!」


 アルはそう呟き、神兵を見つめる。だが、その時、彼の視界の隅に異変を感じた。すぐに振り返ると、リリスが不安そうな顔で立っている。


 「アル、気をつけて……!」


 リリスの警告を受けた瞬間、アルは急いでその場から跳躍した。そのとき、神兵の背後から、突如として何者かの声が響く。


 「今、我が目覚めし時が来た。お前がその力を引き出したこと、心から感謝する……アル=グレンベルク」


 その声は、まるで神兵の中に宿る意識のように響き渡った。アルはその声に驚き、後ろを振り向くが、神兵はただ無言で立っているだけだった。


 「お前の力、知識、すべてを受け継ぐ。だが、この力を振るう者には、代償があることを忘れるな」


 その言葉に、アルは一瞬戸惑い、そして冷や汗をかく。


 「代償……?」


 アルはその言葉が何を意味するのか理解できなかった。しかし、すぐにそれが重大な意味を持つことに気づく。神兵がそのような警告をするということは、この力を使うことには何かしらのリスクが伴うのだろう。


 リリスがアルに駆け寄り、彼の手を握った。


 「アル、気をつけて。あなたはその力を使うことで、もっと大きな試練を迎えるかもしれない」


 「分かってる……でも、今はこれしかない。これを使って、カイとの戦いを終わらせるんだ」


 アルは強く決意し、神兵を操る力をさらに引き出す。彼の意識がその力と一体化していく中で、アルの身体に異変が起こる。神兵の力が彼の体内に流れ込み、その異能と融合する感覚に、アルは一瞬息を呑んだ。


 だが、その瞬間、神兵がゆっくりと口を開き、もう一度言葉を発した。


 「お前が選んだ道は、我が道でもある。そして、我が力を振るう者としての責務を果たさねばならない」


 その言葉を最後に、神兵は完全に目を覚まし、アルの手に力を与え続ける。


 「これで、次の戦いに臨む準備が整った」


 アルはその力に溢れる感覚を感じながら、リリスと共に次なる戦場へと足を踏み出すのだった。


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