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4.ディスガイズの神社と何でも屋

「#日常の向こう側:朝霧の神社と猫耳の友人」シリーズは、普通の高校生活を送っていた主人公つとむが、ある日出会った謎めいた少女みおをきっかけに、異世界と交わる物語です。みおが案内する先は、現実の裏に隠された不思議な場所、ディスガイズと呼ばれる存在がひっそりと生きる世界。つとむは、人とディスガイズの境界線を越え、様々な困難や冒険を通して自分と向き合いながら、仲間たちと共に問題を解決していきます。シリーズは、迷子の犬のディスガイズや、大切なものを探すウサギのしおりなど、日常に潜む小さな奇跡や、不思議な出来事を通じて、人と異形の存在がどのように共存し、支え合うかを描いています。そして、つとむ自身もまた、隠された真実や自分の役割に向き合うことで、成長していく物語です。毎日のように繰り返される日常の中に潜む非日常が、このシリーズの中心テーマとなっています。

神社の隅に佇む母屋に入ると、そこは小ぢんまりとした事務所のような内装の部屋だった。古い木の香りが漂い、心地よい静寂が広がっている。つとむは興味深そうに周囲を見渡した。壁には何枚かの古い写真や絵画が飾られ、小さな机の上には色とりどりの花が生けられていた。部屋の中央には、白い上着を着て、左の目の上の髪が灰色の女性がソファーに座っていた。

みおは、つとむを連れてその女性の前に進んだ。「お待たせしました。」とみおが礼儀正しく言うと、女性は穏やかな微笑みを浮かべた。二人は、女性の前のソファーに腰を下ろした。つとむは緊張気味に座り、視線を彷徨わせた。「どうも、今朝はありがとうございました。」女性が柔らかい声で話しかけた。つとむは驚いて眉をひそめた。「今朝?」と彼は尋ねた。「はい、今朝、足首を怪我していたところを助けていただいて。」女性は優しく微笑みながら答えた。つとむは戸惑いを隠せずにいた。すると、みおが笑い声を上げた。「あはは、そっか。この姿は初めましてか。朝、君が助けた猫覚えてる?」。「うん、覚えてるけど…」つとむは混乱したまま答えた。みおは楽しそうに続けた。「その猫がこちらのとうかさん。」「えっ、どういうこと?」つとむは驚きの声を上げた。

みおは少し真剣な表情になり、つとむに説明を始めた。「それは…私、少し特殊なお仕事をしていて、」つとむは興味津々で尋ねた。「どんな仕事なの?」みおは笑顔に戻り、「あぁ、仕事内容は何でも屋なんだけど、お客さんが……」と話し始めた。つとむは話の続きに興味を示し、「お客さんが?」と促した。とうかがつとむの視線を受け止めて説明した。「そうなんです、私たちのような普段人間の姿をして過ごすディスガイズを助けていただいているんです。」

つとむは少し理解が進んだようにうなずいた。「ディスガイズの手助け、でも、どうしてここに僕を?」みおは楽しそうに話を続けた。「それはね、今日からつとむには、私の手伝いをしてもらおうと思ってるの。」つとむは驚きと興奮が入り混じった表情で聞き入った。みおはさらに続け「それと、とうかさんにも一緒に手伝って貰うんだ!だから、3人でこの町の問題や困り事を解決しようね。」

つとむは「それで、今度は誰を助けるの?」と質問をした。みおととうかは顔を見合わせ、首をかしげた。「さぁ?今は、特に依頼はないかな。でも、そんな時は町をパトロールだよ。」みおは肩をすくめて答えた。つとむは頷き、みおと共に外に出ようとした。

その時、とうかが優しく呼び止めた。「ちょっと待ってください……」とうかは引き出しから何かを取り出し、つとむに差し出した。「これを首にかけて、そうすればディスガイズたちと人間の見分けがつくから。」つとむは渡された水色の宝石のネックレスを受け取り、首にかけた。みおは笑顔で「じゃあ、行こう。」とつとむに声をかけた。二人は神社を出て、町のパトロールに向かう準備を整えた。

あとがき

この物語を最後まで読んでくださり、ありがとうございます。

物語を通して、主人公のつとむが日常の中に潜む非日常に出会い、新たな冒険へと踏み出す姿を描きました。彼の孤独な朝から始まり、みおやとうかとの出会いを通して変わっていく日々は、私たち自身の人生の中にも共鳴する部分があるのではないかと思います。

つとむの物語は、一見普通に見える日常が、少しの視点の違いや誰かとの出会いによって鮮やかに彩られることを教えてくれます。そして、未知の世界や不思議な出来事が彼を待ち受けているように、私たちの人生にもいつどんな瞬間に変化が訪れるか分かりません。この物語を通して、読者の皆さんにもそんな新たな発見や冒険心を感じてもらえたなら、これ以上嬉しいことはありません。

また、みおやとうか、けんたといったキャラクターたちは、つとむの成長を支えながらもそれぞれの物語を秘めています。ディスガイズという存在が何を象徴するのか、そして彼らの生きる世界にどんな秘密が隠されているのか、これからの展開で少しずつ明らかにしていきたいと考えています。

つとむが出会う日々の小さな出来事が、彼の心にどんな変化をもたらしていくのか、そして彼らがどのようにして自分たちの世界と向き合っていくのか――続く物語の中でさらに深く探求していく予定です。

最後になりますが、この物語を通じて、少しでも皆さんの日常に新たな視点や心の彩りを加えることができたのなら幸いです。これからも、つとむたちの物語を見守っていただければと思います。

ありがとうございました。

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