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3.みおとの出会いが始まり、

「#日常の向こう側:朝霧の神社と猫耳の友人」シリーズは、普通の高校生活を送っていた主人公つとむが、ある日出会った謎めいた少女みおをきっかけに、異世界と交わる物語です。みおが案内する先は、現実の裏に隠された不思議な場所、ディスガイズと呼ばれる存在がひっそりと生きる世界。つとむは、人とディスガイズの境界線を越え、様々な困難や冒険を通して自分と向き合いながら、仲間たちと共に問題を解決していきます。シリーズは、迷子の犬のディスガイズや、大切なものを探すウサギのしおりなど、日常に潜む小さな奇跡や、不思議な出来事を通じて、人と異形の存在がどのように共存し、支え合うかを描いています。そして、つとむ自身もまた、隠された真実や自分の役割に向き合うことで、成長していく物語です。毎日のように繰り返される日常の中に潜む非日常が、このシリーズの中心テーマとなっています。

下駄箱へ向かい、靴を履き替え教室の中に入ると普段の教室が広がっている。つとむは、どうして一瞬のうちに教室に来たのか不思議でたまらない。その思いとは、裏腹に教室のざわめきが徐々に静まり、一限のホームルームが始まる、教師が前に立ち、今日の席替えを告げた。クラスメートたちは一斉に動き始め、つとむも指示された通りに自分の席を探した。席に着いたつとむは、隣の窓際の席が空いていることに気づいた。つとむは窓の外を見つめ、昨日と変わらない景色を眺めていた。時折吹く風がカーテンを揺らし、教室に柔らかな光が差し込む。その時、隣の席の椅子が引かれと引く手から上に視線をあげると女子生徒が席に座る。「お隣さん、よろしくね。」彼女はにっこりと笑い、つとむに話しかけた。「よろしく。」つとむは戸惑いながらも返事をした。彼女の笑顔はまるで純白の手拭いのように柔らかく、触れたら飛んでしまいそうだった。その後の授業は淡々と進んだが、つとむは彼女の存在が少し気になった。授業が進み。ノートと黒板を交互に見つめ。書き続けていると教室に微風が吹き込んでくる。お昼の高い太陽とは、裏腹に朝の爽やかな匂いが通る。

昼休みになると、つとむは弁当を手にして教室を出た。今日も一人で静かに過ごそうと、人気のない体育館に向かった。静かな体育館の片隅に座り、弁当の包みを開けたその時、突然背後から声が聞こえた。「ねぇ、隣いいかな?……まぁ、座るんだけどね、ふふ。」振り返ると、そこには先ほどの女子生徒が笑顔で立っていた。「驚いた?まぁ、驚くよね。」彼女はつとむの隣に座り、弁当を広げた。「私、みおって言うんだ。あなたはつとむ君だよね?」みおは、楽しそうに話している。みおは微笑み、「おいしそうなお弁当だね。」とみおは、つとむの弁当を覗き込んだ。「ありがとう。自分で作ったんだ。」つとむは少し誇らしげに答えた。二人は弁当を食べながら、他愛ない会話を続けた。みおの明るさと親しみやすさに、つとむは次第に心を開いていった。みおの存在が、つとむの日常に少しずつ色を添えていくのを感じた。

食事を終えると、みおがふと「ねぇ、この学校どう思う?」とつとむに尋ねた。つとむは一瞬考え込んだ後、「普通かな。でも、普通が一番いいのかもしれない。」と答えた。みおはにっこりと笑い、意味深に「そっか、普通ねぇ。でもね、今日からふ・つ・うじゃない学校生活を送ってみない?」と口にした。つとむは彼女の言葉に驚き、少し戸惑い「どういう意味?」と聞くと「それは…お楽しみ。」みおは意味深な笑みを浮かべながら、立ち上がった。「放課後、教室に残っててね。」

授業が終わると、つとむは放課後の教室に残った。クラスメートが帰り支度をする中、みおは何事もなかったかのように机に座っていた。「じゃあ、そろそろ行こっか。」みおは微笑みながら立ち上がり、つとむに手を差し出した。「どこに?」つとむは彼女の手を取り、少し不安げに尋ねた。「後ろ、そこから。」みおは教室の後ろの掃除用具入れを指差した。つとむは混乱しながらも、みおに引かれて掃除用具入れを開けた。その瞬間、二人は光に包まれた。

「目を開けてみて。」みおの声に促され、つとむは目を開けた。目の前には、帰り道にある商店街が広がっていた。「ここは…?」つとむは驚きの声を上げた。「ほら、行くよ。」みおは楽しそうに笑いながら、つとむの手を引いた。二人は商店街を抜け、小さな神社に向かって歩き始めた。鳥居をくぐると、そこには浴衣姿の猫耳の人々が数人いた。つとむは目を見張り、みおに尋ねた。「ここはどこなの?」「まだ、秘密。この奥だから。」みおはそう言って、神社の奥へとつとむを導いた。

あとがき

この物語を最後まで読んでくださり、ありがとうございます。

物語を通して、主人公のつとむが日常の中に潜む非日常に出会い、新たな冒険へと踏み出す姿を描きました。彼の孤独な朝から始まり、みおやとうかとの出会いを通して変わっていく日々は、私たち自身の人生の中にも共鳴する部分があるのではないかと思います。

つとむの物語は、一見普通に見える日常が、少しの視点の違いや誰かとの出会いによって鮮やかに彩られることを教えてくれます。そして、未知の世界や不思議な出来事が彼を待ち受けているように、私たちの人生にもいつどんな瞬間に変化が訪れるか分かりません。この物語を通して、読者の皆さんにもそんな新たな発見や冒険心を感じてもらえたなら、これ以上嬉しいことはありません。

また、みおやとうか、けんたといったキャラクターたちは、つとむの成長を支えながらもそれぞれの物語を秘めています。ディスガイズという存在が何を象徴するのか、そして彼らの生きる世界にどんな秘密が隠されているのか、これからの展開で少しずつ明らかにしていきたいと考えています。

つとむが出会う日々の小さな出来事が、彼の心にどんな変化をもたらしていくのか、そして彼らがどのようにして自分たちの世界と向き合っていくのか――続く物語の中でさらに深く探求していく予定です。

最後になりますが、この物語を通じて、少しでも皆さんの日常に新たな視点や心の彩りを加えることができたのなら幸いです。これからも、つとむたちの物語を見守っていただければと思います。

ありがとうございました。

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