表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/21

2.登校と手助け

「#日常の向こう側:朝霧の神社と猫耳の友人」シリーズは、普通の高校生活を送っていた主人公つとむが、ある日出会った謎めいた少女みおをきっかけに、異世界と交わる物語です。みおが案内する先は、現実の裏に隠された不思議な場所、ディスガイズと呼ばれる存在がひっそりと生きる世界。つとむは、人とディスガイズの境界線を越え、様々な困難や冒険を通して自分と向き合いながら、仲間たちと共に問題を解決していきます。シリーズは、迷子の犬のディスガイズや、大切なものを探すウサギのしおりなど、日常に潜む小さな奇跡や、不思議な出来事を通じて、人と異形の存在がどのように共存し、支え合うかを描いています。そして、つとむ自身もまた、隠された真実や自分の役割に向き合うことで、成長していく物語です。毎日のように繰り返される日常の中に潜む非日常が、このシリーズの中心テーマとなっています。

つとむは、朝の冷たい空気を吸い込みながら、ゆっくりと学校へ向かって歩き出した。空はまだ薄い雲に覆われ、時折、陽光が淡く差し込む。道端に咲くタンポポの黄色が鮮やかだ。いつもの通学路を淡々と歩いていく。

途中、ふと目に留まったのは、小さな白猫だった。猫は道端に座り込み、前足をそっと舐めている。つとむは立ち止まり、その猫をじっと見つめた。猫の左目の周りには灰色の模様があり、足首に擦り傷が見える。「どうしよう…でも」つとむは、今朝の三毛猫との出会いが頭をよぎり、再び動物に関わることで面倒なことが起きるのではないかという不安で一瞬ためらった。しかし、猫の弱々しい鳴き声が耳に届き、その声に引き寄せられるように、つとむは一歩前に踏み出した。

「大丈夫?」つとむは、猫に優しく問いかけると猫はつとむの声に反応し、弱々しく尻尾を振った。つとむはしゃがみ込み、猫の足首をそっと確認した。傷は深くないが、放っておくと悪化しそうだ。

「よし、大丈夫だよ。家に戻って手当てしようか。」つとむは、猫を慎重に抱き上げ、自宅へと引き返した。道中、猫はおとなしくつとむの腕の中に身を任せていた。その姿に、つとむは少しだけ安堵の気持ちを抱いた。

家に着くと、つとむはまず猫の足を清潔な水で洗い、消毒液を使って丁寧に手当てをした。その後、ミルクを用意し、猫に与えた。猫はしばらくの間、ミルクを飲み、終えると安心したように丸くなって眠り始めた。つとむは時計を見て、すでに学校に遅れることに気づいた。「ああ、遅刻か…」とつぶやきながら、身なりを急いで整えた。

そこにコンコンと、玄関を叩く音が聞こえる。玄関を開けるとそこには、三毛猫が座っている。今朝の猫が礼儀正しく座っていることに不自然さを感じるも一歩外に出る。すると回りは、急に霧に覆われ、三毛猫の後ろに歩いていく。すると次第に霧が濃くなっていき三毛猫の姿も次第に見えなくなる。つとむは不安と期待が入り混じる中、猫を探し続けた。その時、突然一筋の光が霧の中に現れ、つとむの目を刺した。目を閉じ、再び開いた時、彼は学校の体育館裏に立っていた。「あれ?どうしてここに…」つとむは自分の周りを見回し、現実と幻想が交差するような感覚に包まれた。不思議な世界に足を踏み入れたことを実感しながら、つとむはその場に立ち尽くした。

あとがき

この物語を最後まで読んでくださり、ありがとうございます。

物語を通して、主人公のつとむが日常の中に潜む非日常に出会い、新たな冒険へと踏み出す姿を描きました。彼の孤独な朝から始まり、みおやとうかとの出会いを通して変わっていく日々は、私たち自身の人生の中にも共鳴する部分があるのではないかと思います。

つとむの物語は、一見普通に見える日常が、少しの視点の違いや誰かとの出会いによって鮮やかに彩られることを教えてくれます。そして、未知の世界や不思議な出来事が彼を待ち受けているように、私たちの人生にもいつどんな瞬間に変化が訪れるか分かりません。この物語を通して、読者の皆さんにもそんな新たな発見や冒険心を感じてもらえたなら、これ以上嬉しいことはありません。

また、みおやとうか、けんたといったキャラクターたちは、つとむの成長を支えながらもそれぞれの物語を秘めています。ディスガイズという存在が何を象徴するのか、そして彼らの生きる世界にどんな秘密が隠されているのか、これからの展開で少しずつ明らかにしていきたいと考えています。

つとむが出会う日々の小さな出来事が、彼の心にどんな変化をもたらしていくのか、そして彼らがどのようにして自分たちの世界と向き合っていくのか――続く物語の中でさらに深く探求していく予定です。

最後になりますが、この物語を通じて、少しでも皆さんの日常に新たな視点や心の彩りを加えることができたのなら幸いです。これからも、つとむたちの物語を見守っていただければと思います。

ありがとうございました。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ