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2章 第三十二話 もどきの終わらない日

本日二話です。主人公出てきません。多分次回も出ません。いつ出せるんだろう。構想変更の弊害です。

呆れず読んで頂けると幸いです。

冒険者もどき視点


「くそ、何で俺様が、こんな目に遭うんだよ」

悪態を吐きつつ、憲兵が居るであろう、ディー達の家へ向かう。

「あいつに会わなければ、いや話さねければ、そもそもアイツが失敗しなければ良かったんだ」


朝方まで酒を飲み、店で寝ていた所を、領主の私兵に拉致され、領主の前に連れ出されて現在に至る。

事情は、事前に私兵に聞いていただけで、本当かどうかすら知らない。


「冷静になれば、今の俺の状況もかなりやばい。あいつが見つからなければ、間違いなく死ぬ。逃げるか?それとも一か八かでガキを攫うか?」

もどきは、どうすれば助かるかだけを考え、私兵達の前を歩いて行く。


ふと冒険者ギルドの前を見ると、見覚えの無い4人パーティーが目に付いた。

「布石だけでも打って置くか」と呟き、

私兵に「ちょっと、情報聞いてくる」

と言って離れ、4人パーティーに声を掛ける。


「其処のベテラン冒険者さん、ちょっと話を聞いてくれないか?」


4人パーティーは男3人、女一人の混合パーティであったが、リーダーと思われる男と女は、怒りを露わにしていたが、ベテラン何て言われ、得意げな顔に変わった。


「何だ、見る目あるじゃね、確かに俺たちは上級パーティーだよ。頼み事か?依頼料はそれなりにするぜ」

リーダーと思われる男は、自信満々な態度で、もどきに答える。


「それは凄い、それなら是非お願いしたい事があるんです。此処だけに話にして頂きたいのですが、とある高貴な方の娘さんが、家出をしてしまって、どうにか家に連れて帰りたいのです」

嘘に嘘を並べて話すもどき。


「そんなの私達の仕事では無いわよ、でもどうしてもと言うなら考えても良いわよ」

目上からの物言いをする紅一点の女。


「居場所は分かってるんですが、どうも私達の姿を見るとすぐ逃げてしまうのです。こんな格好してもダメで、藁にも縋る思いなんです。

此処のギルドの冒険者は役立たずでね。信頼できる上級者となれば、是非お願いしたい、前金で金貨3枚お渡ししましょう。成功した場合には、金貨30枚でどうでしょか」


金貨30枚に「受けた」と言い、金貨三枚とターゲットの居場所、顔などの特徴の情報、成功した場合の連絡方法を受けた。


もどきは、死んでは無意味な虎の子の金貨を出し、「男のガキも一緒に居るから、そいつも連れてきて欲しい」と追加した。


疑問に思うパーティーに

「お嬢様を連れ出した張本人ですので、厳格な罰を与えなければなりません、勿論、抵抗したら殺しても構いませんが、生かして連れて来てくれれば追加で金貨十枚出しましょう」


これには、パーティーも納得して

「生け取りにするから、金貨40枚用意しておけよ」

と言って、ディー達の家では無く、商店街へ歩いて行った。


「焦りすぎたか、あまり期待できないな」

と言い、私兵の元に戻り、憲兵に会いに向かう。


ディー達の家の周りは人混みで、とても様子を見る事すら出来なかった。

仕方無しに、人混みの外に居た憲兵に話しかけ、ニブフークを呼んでもらう事にした。

不審がるが、「先日助けてもらった礼をしたいんです、今から旅立つので」

と言い、無理に呼んでもらった。


暫くするとニブフークは来たが、お互い初対面だ。もどきは、貴族からの手紙を、さっとニブフークの胸に入れて、すぐさま立ち去った。

ニブフークも呆気に取られたが、一緒に立ち去ったのが貴族の私兵と気付き、胸に入れられた手紙の意味を知った。


「あの手紙も拉致の依頼だろうな。あの冒険者とどっちが早いか。あの憲兵の方が有利だな。クソ、冗談でなく死の旅かよ」

もどきは、ボスが隠れている可能性がある箇所へ足を向けた。

途中で念のために冒険者達が成功した場合を考えて、報告場所に話を通しておく。


“あいつが隠れ家としてる箇所は、知ってる限り三箇所。一箇所はあいつの家の地下だが、憲兵達が既に見つけてるだろう。

あとは、アイツらの溜まり場というアジトのすぐ裏にある古びた家の一室、あと町外れの昔豪商が建てたと言われる屋敷。其処の隠し扉から地下に行ける場所。

此処が本命。あそこは、何度もアイツが遊びで攫った奴を痛ぶって殺した場所だ。

なら近くから行くか、いざとなればあの地下は、奥に行くとダンジョンばりに、入り組んでるから、上手くすれば逃げれる”


これからの手順を考え、先ほどの冒険者の事は忘れて、逃げる一点に方向を決めた。

アジトの裏にはやはり姿は無く、本命へと向かった。


この屋敷は、人が住める状態では無く、今にも倒壊する一方手前である。

もどきは、そんな中をゆっくり進み、風呂場にある石の様な見た目の一枚の床を持ち上げる。実際は、石では無く簡単に持ち上がる。私兵は一人、上に残るようで3人で階段を下へ進む。


段数にして25段を降りると、広めの空間が広がっている。

その真ん中に、暗闇の中に人影が見えた。

もどきは、アイツだと決めつけた。

此処を知ってるのはもう、俺か、アイツしかしないからだ。


「もうやめてくれ、悪かったから」

人影は、何かに謝っていた。

もどきと私兵は、そんな人影に近づくが、突如、人影は、野獣の様な声を上げた。


私兵は、すぐに大勢を整えて、人影に突っ込む。

もどきは動けず、ただ見ていた。

その瞬間、飛び込んだはずの私兵は、人影の手前で急に止まった。

後ろでは、既に声に気付き、上に居た私兵が降りてきていた。


静寂の中もどきは、そっとランプに火を付けたが、すぐにランプを落としてしまう。

光で照らされた二人の私兵は、石に変えたれていたからだ。落ちたランプの光で、もどきは気づいてしまった。

自分の体も徐々に石になっていく様に。


「何だよ、おい、何で俺が石にされてるんだよ、お前、早く治せって。もしかして俺が分からないか?一緒に色々やった冒険者もどきのモードキだよ。なあ、早く戻せって。やばいから。このままだと、死んじまうよ」


後ろに居たはずの私兵は既に居なかったが、そんなの事を気にする余裕は無い。


「頼む、助けてくれ、あの貴族にはお前は見つからなかったって言うからよ。早くしてくれ」

モドーキは既に首から下が石に変わっていた。


「クスクス、大丈夫だよ、石になっても死んだりしない。永遠に、石で生きていくからさ。ちゃんと良い夢も見させてあげるわ」


人影から、ボスとは思えない声が響く。


「誰だ!あいつじゃ無いのか?俺はお前に危害は加えないし、加えてないだろ。誤解だから、早く元に戻してくれ。」


「何で?もう加えてるよ、危害。何言ってるの?分からないね」

口調の違う何人も別人が居るような雰囲気を出しながら、人影がモドーキに近づいていく。


「アハ、アイツと一緒だ、都合が悪いと忘れる、言い訳だけして反省もしない。説明したら石化させよう」


「何が何だか分からない。俺が何したって言うんだよ」


「やっぱダメだね。先に説明してあげるよ。此処で何があったか知ってるでしょ。これからそれを永遠に体験して貰うわ。そう永遠に」


モドーキは、もう喋れない。2つの意味で、石化で口が塞がった事、そして此処で起きた出来事の悲惨さを思い出して。


モドーキはこれから起きる、擬似とはいえ降りかかる苦痛を思い浮かべながら石になっていった。



お読みいただきありがとうございます!


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