2章 第二十六話 もどきの1日
間話にしても良かったのですが、二十六話にしました。
ヘイト回でも無いような?微妙な回です。
何卒お付き合いの程宜しくお願いします。
時は昨晩に遡る。
冒険者もどきは、場末の暗い酒場でぶつぶつ言いながら一人コップを傾けていた。
「ガキのお蔭で明日は、金貨四枚だな、どうせ今から探しても見つかるわけね、明日ギルドで張り込めば、来るだろう」
干し肉を齧り、明日は高級な店で女を弄んでやるなどと言い、開いたコップに安い酒を入れる。
「よお、なんだ景気良さそうじゃねーかよ」
もどきの前に、いかにも“私は悪者です”を体現した、チンピラ風の男が座った。
「良くはねーさ、ただちぃーとばっか、儲けが出そうなだけだよ」
「一口噛ませろよ、俺らも最近稼げてねーからな、で、どんな話だよ。」
男は、前のめりに、もどきに顔を寄せたが、
「寄んな、まあ俺の情報次第ではお前らに仕事行くかもな」
もどきは、男を遠ざけ、自慢顔で答えた。
「となると、あのクズ領主絡みか、いいね。金払いだけはいいからな。おい、先に情報くれよ。準備も必要だからな」
「お前ならいいか、だか少し手伝えよ、実際はただの“サライ”だよ。ガキのな」
「ガキをか、なんでぇ対した金になりそうも無いな」
男は興味をなくしたが、
「収納が関係してるかもしれない」
の一言で目の色が変わった。
「マジか、それなら金貨千枚は硬く無いか」
「あの領主だぞ、そんな訳あるかよ、俺の情報ですら、金4だ」
呆れた声でもどきは言う。
「ケチくせーな、ただ先に奪えば、条件引き上げられるかもな」
「おい、やめろ。俺に被害来るじゃねーかよ」
「大丈夫だ、ただ依頼受ける前に確保しただけだ、偶々だ」
にやけ顔で言い切る。
「まあいい、情報は流したから、お前は、教会に朝一行って、占有の儀を行った奴が居たか確認して居なかったら、ガキが来ないか、張ってくれ」
「面倒だがわかった、もしかしてまだ儀を行ってない可能性あるのか?」
チンピラ風は、信じられないと思った顔していた。
「ああ、だから教会で儀を行う前または神官を買収する必要もある」
「こりゃ金貨千枚の騒ぎじゃねーな。教会は任せろ、ただチャンスがあれば攫うぞ」
「俺に被害がなければな、俺が領主に話を持って行った後で領主と交渉してくれればな」
「了解だ、儲けが出たら奢らさせて貰うさ」
「期待しとく」
そう言って男達は席を立ち暗い外へ出て行った。
翌朝には、もどきはギルドでディー達を発見し、その後を付けていた。
「ガキのくせに、依頼も受けずに買い物だと、生意気なガキだ、しかも家を借りやがった。
もしかしたら、良いとこのガキか?護衛も付いてないし、そうだとしても、家出か、追い出されたかだな。後は収納だけ確認して金貰うか」
自分で攫えばもっといい金になるが、ガキとはいえ二人、魔術師ぽい格好も気になる。ケチくさい生き方で結構と割り切りディー達を追う。
「案外低レベルだな、家具は入らないみたいだし、ざっと予想で100kってとこか。それでも価値はあるな、家に帰ったらすぐに領主に金もらいに行くか。あいつらに情報流して、見張り代わりにさせても良いな、金さえ貰えばどうでも良いか」
もどきは、早く帰れの祈りが通じたのか、ディー達は家に帰った。
もどきは教会に走り、教会の情報とガキの住処の情報を交換して、さらに領主の館に走った。
「遅かったな、でどうだ」
と領主の言葉を皮切りにもどきは情報を流していく。
情報の内容に、気味悪い笑みを浮かべ、金貨四枚枚を転がす。
「今日の事、ガキの事は忘れろ」
そう言って領主は席を立った。もどきも金貨をポケットに詰め込んで、外へ向かう。
「パパ、どうだった?もう捕まえたの?」
部屋から帰った領主に息子は、笑みを浮かべて、小さなナイフを振っていた。
「今からだ、場所もわかったから今夜のでも、いつもの奴らに頼んでさらって貰う、準備しておけよ」
親子似た笑みで、笑い合った。
勿論天井にいる猫に気づくわけもない。
補足です。
金貨で表現しましたが、大陸共有単価はピロですが、各国で独自の通貨を作ってます。概ね金貨1枚で10万ピロです。
国の力によって変わる事が多いので、いきなり暴落したりします。
ではまた次回です。
お読みいただきありがとうございます!
少しでも面白いと思ったら、
ブックマーク&下側の「☆☆☆☆☆」を「★★★★★」にして頂けると本当にありがたいです…!
皆様の応援が励みになります!
何卒、よろしくお願いします!!




