1章 第一話 旅立ちの前の試練
初めまして、今回初めての投稿となります。誤字や表現の曖昧さなど多々有ると思いますが、読んで頂けたら幸いです。兄と妹の視点が変わりますので、嫌いな方が居ましたら申し訳有りません。
「お兄様、私も一緒に連れてって下さい」
家出の準備を終えて「さあ、出発するぞ」という時、目に涙を浮かべながら、兄である俺の足に抱きつく5歳児の可愛い腹違いの妹が居た。
妹も俺もこの城では不遇の存在だった。俺は3つ上の兄で有る第一王子を暗殺未遂(冤罪)、妹は、後継狙いの男でなかったことから親達に本当に居ない?存在として扱われていた。
可哀想なのは妹で、生まれた瞬間に放置と言うあり得ないほどのクズな母親から生まれた事だった。
同じ時期生まれた第三王子の乳母が心優しい人で、偶然放置されていた赤子の妹の面倒を見てくれたから生きているのであり、生後3日で死亡していたかも知れなかった。
誰も居ない部屋に泣いている赤子を乳母はここでは殺されてしまうと思い、(一応王女誘拐になるかも知れないが)城の中でも人気が無い北の離宮に妹を運び、見つからないように世話していた。それがきっかけで俺も妹の面倒見ていた。
北の離宮は王族の中で厄介者を閉じ込める為に作られたと言われており、暗殺?疑いのある俺もそこに閉じ込められていた。
妹の存在は無かった事となっていた様で、まあ実際は死んでいるとでも思っていたかも知れないが、誘拐騒ぎになることも無かった。
その為食事、衣服など何も無かった。乳母も一年もしなうちに退職となり、その後は俺が親がわりだ。
俺の罪人扱いと言え一応王子、たまに嫌味な庶民服と食事だけは届けられていた(調理前の野菜、小麦粉など)五歳児に調理をさせる鬼畜仕様であったが、当時は妹にも食べさせる事もあったので逆に助かった。
衣服はたまに届けられていたのでそれをリメイクする事で何とか妹の服も調達していた次第だった。
そんな5年間だったが、俺には魔法の才能が有った。
離宮に来てからは、独学の訓練で魔法を極める事出来た。特に可愛い妹がいた事は異常な活力を生んだ。と簡単に言うようだが、母親が魔法大国の公爵令嬢であり、俺自身が転生者であった事が極める要因であり、この世界でも魔法使いは貴重で極めるなんて言うのは、ほぼあり得ない事だった。
この話をすれば多分いきなり王太子になれんじゃねと思う事もあるが、可愛い妹の仕打ちを考えると、とてもこの事を伝える必要は無いと判断した。また確実に魔法での第一王子暗殺未遂決定となり、断頭に消えるだろう。
今後の妹の生活を考え、妹の為の楽園探す旅に出ようと思ったのだ。確かに可愛い妹の事も心配であったが、過酷な旅に連れて行くわけにもいかなし、ここに置いて行けるわけがない、何度か隠蔽魔法やら偽造魔法を使って城下に行き、三年前に妹の世話先を見つけ置いた。妹が泣きついてきたのも、その世話先の人と会い、俺が旅に出る事も聞いたのだろう。だから目から涙を潤ませながら上目使いをしている可愛い妹がいるのだろう。
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