74話 力比べ
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名前:白石輝明
職業:必殺暗殺者
レベル:70
HP:300/415
MP:120/364
攻撃力:354
魔法攻撃力:0
防御力:250
魔法防御力:220
敏捷:501
固有スキル:透視(覚醒済み)LV7【MP3】
技術スキル:剣術LV4、瞬脚LV5、即死の影LV5、回避の加護LV4、剛腕LV2
耐性スキル:麻痺耐性LV4、毒耐性LV3、睡眠耐性LV3、適応力LV1
保有スキルポイント:3
ジョブポイント:15
職業ツリー
【会心威力1.4倍】解放済み
【ジョブ進化。必殺暗殺者】解放済み
【敏捷:5段階目】解放済み
【攻撃:5段階目】解放済み
【複合:2段階目】解放済み
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「よし、こんなもんか」
ジョブポイントを攻撃に振った事で複合も2段階まで進み、攻撃力が大幅に上がった。
それに加えて、スキル【剛腕】を取得出来て火力不足は解消、されたのかな?
【剛腕】のスキル内容次第では今後他にスキルポイントを振らずにこれだけを伸ばしてもいいかもしれない。
【即死の影】での神頼みは強敵が出た時のとっておきの方がカッコいいだろ。
「さて、戻りながらレベル上げでもしようかな」
1回魔法紙で帰還しようとも考えたが、50階層以降は経験値がやっぱり美味しい。
依頼の報告をしなければいけないとはいえ、またここまで戻ってくるのも面倒くさいし、出来るだけ経験値は稼いでおきたいのだ。
目標としてはレベル75――。
ずぁああぁあぁあ。
「またかよっ!!」
隠しフロアから出る為の階段を探そうと辺りを見回していると、再び地面の砂が何かに飲まれるように動き始めた。
身体は砂に飲まれ始め、あっという間に頭まで砂の中に。
恐らくこの場所で出来る事を全てこなしたことで起きた強制退出イベントだろう。
俺は以前とは違い、特に抵抗することなくそれに飲まれる。
変な慣れを覚えてしまったもんだ。
◇
「う、く、戻ってき――」
砂に飲まれ、しばらくして目を開ける。
辺りを見回すと、そこは通常フロアではなく、階段でもなかった。
普通に考えればそうなるはずだという事は分かっていたはずなのに、なんで俺はそれを懸念しなかったのだろう。
これも疲れなのか?
「「「ぶごおぉぉおお!!」」」
俺の目の前で汚い鳴き声でユニゾンしてみせるサイリア。
その首はいつもよりも数が多く、3つ。腕も6本ある。
名前は……『阿修羅サイリア』。まんまだな。
「『瞬脚』」
俺は取り敢えずその場から放れようと『瞬脚』を使った。
すると阿修羅サイリアはそれを見計らったかのように腕に構えた6本の内、1番前に見える2本の腕とそれが携える剣を振り払った。
ひゅん。
飛び出した風の刃、この技には見覚えがある。
「鎌鼬か」
灰人も使っていたこの技、その威力は高く、ぎりぎり躱す事は出来たものの、背後の壁には大きな跡が残った。
発動までのラグもない。どうやら灰人よりもスキルのレベルが高いみたいだ。
「「「ぶごぉおおお!!」」」
何度も何度も鎌鼬を繰り出す阿修羅サイリアだが、敏捷性が500を超えた俺にとって避けるのは容易い。
そのまま一気に接近戦を仕掛けようと、臆することなく突っ込む。
「「「ぶごぉぉぉおお!!」」」
俺が阿修羅サイリアとの距離を縮めると今度は真ん中の腕2本を組み、右側の首が何かを詠唱しだした。
そして、俺の頭上に氷の槍が現れ、次々に襲いかかった来た。
1番前の腕で正面、真ん中の腕で上方、様々な角度からの攻撃は少しばかり面倒だが……。
「今の俺なら全部避けきれる」
なんなく阿修羅サイリアの猛攻を躱し、俺はジャマダハルを両手に携え、《透視》を発動した。
弱点は3つそれぞれの顔の眉間。
「ぶごあ!?」
「喰らえ!!」
全て躱されたことに驚く阿修羅サイリアの一番前の眉間に向かってジャマダハルを突き付ける。
案外あっけなかく倒せる。そう思いながら内心でほくそ笑んでいると、ジャマダハルが急に動かなくなった。
「お前……」
「ぶばああ!!」
阿修羅サイリアは攻撃を止め、全ての手を使ってジャマダハルを掴んで見せたのだ。
流石に6本の腕の力に押し負け、俺の腕と体は徐々に後退する。
「ぐっ……」
「ごっあ……がぁっ!!」
力比べで有利に立ったことを悟ったのか阿修羅サイリアは一番後ろの腕に力を漲らせ、俺の腹部を殴ってきた。
かなり重たいボディブロー。誰だよ、ボディブローはじわじわ効いてくるって言ってたやつ。
「くっあ!!」
「ぶごああああ!!」
一発だけでなく何発も打ち出されるボディブロー。
一旦その場を離れたいが、ジャマダハルを掴んでいた阿修羅サイリアはいつの間にか俺の腕までも掴み、逃げさせてはくれない。
「ぐ、あっ!! ぐ、だったら、ぐ、【剛腕】!!」
俺は一縷の望みにかけ新スキル【剛腕】を発動させるのだった。
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