38話 灰人のスキル
今日も8時投稿目指してたのに少し遅れてしまった……。
夜勤勤務で帰宅後執筆はやっぱきついなぁ。
でもありがたいことに読者様に沢山ブクマしていただいてるので、もうしばらく無理する予定です。
いつも本当にありがとうございます。
現在39階層。小紫さんと別れてから俺達はノンストップでこの階層までやってきていた。
30階層のファットベリーラビットは巨体が故に動きが遅く、まるで敵ではなかった。
俺の様に経験値を稼ぐ手段が他にあれば、ただHPが高くてドロップで変わった果物が手に入る変わりダネモンスターでしかないが、新米探索者からしたらこれ以上ない経験値のカモだろう。
コボルトコースよりも個人的にはファットベリーラビットを狩る方がお得な気がするのだが……一般的には経験値よりお金なのかもしれない。
確かコボルトコースではコボルトの上位種が武具をドロップするから、それでお金を稼げるみたいな話だった気がする。
「鎌鼬!」
「キッ!」
そんなことを考えていると灰人のスキル『鎌鼬』がホーンラビットを仕留めた。
「……それにしてもそれなりに使えるスキルになりだしたな」
灰人が覚えていたスキル『鎌鼬』は発動までに時間のかかるスキルだったが、20階層のゴールドホーンラビット、30階層のファットベリーラビット、共に隙が多いボスだったお蔭で有効に働いてくれた。
それにレベルが上がって『鎌鼬』のスキルレベルを上げだすと、発動時間が少しだが短くなり、タイミングさえ掴めば今のように常に動きのある通常のモンスターにも当たるようになった。
「おっと、今ので15匹目か」
俺は戦う灰人に気をとられ、メモを取るのを忘れそうになっていた。
ちなみに今の状況はこんなところだ。
-------------------------------------
経験値稼ぎデータ
■ダンジョン『獣』再挑戦後
10階層~
・ウォーリアーコボルト×1
・コボルト複数
経験値約200
20階層~
・ゴールドホーンラビット×1
・ホーンラビット×5
経験値2800
30階層~
・ファットベリーラビット×1
・ホーンラビット×10
経験値1000
レベル
桜井さん:34
灰人:26
自分:46
-------------------------------------
自分のレベルはこの調子だと中々上がりそうにないが、目的の桜井さんのレベル40は下手をしたら今日中にでもなんとかなりそうな勢いだ。
「何をしているんですの?」
「兄さんは本当に几帳面だよね」
戦闘を終え、俺の元によって来た2人。
桜井さんは不思議そうな顔で俺のメモ帳を覗き込み、灰人は笑みを浮かべながら分かったような口をきく。
「データは残しておいて損がないですからね。それより、次の階層はまたボスになります。ある程度レベルが上がったからと言って灰人も桜井さんも突っ込まない事。いいですね?」
「わかってますわ」
「なんか先生みたいだね。兄さん。でもそこまで心配いらないと思うよ。実は25レベルになったときに面白いスキルを手に入れたんだ」
「新しいスキル?」
「へへっへ、取り敢えず試してみるからちょっと見ててよ。『身体強化』」
灰人の体が若干赤みがかった。
「はッ!」
その状態のまま灰人は地面に拳をぶつける。
するとその箇所が拳では想像出来ない程窪んだのだ。
「ぷっはぁ! はぁ、はぁ……俺の思った通りのスキルみたいだ。一瞬だけど体に力が漲って、何でも出来るような気さえ感じて……多分防御力も跳ね上がったと思う」
「これなら一発くらい喰らっても大丈夫。ってことか?」
「そう! まだまだタンクとまではいかないけど、一時的な盾にはなれるはず」
「頼もしいな。ただ、40層のボスはダンジョン【スライム】の経験上、相当強力な筈だ。無理だけはするなよ」
「それは当然。そもそもこのスキル使ってみて分かったんだけど結構反動が大きいんだ。無理して前方に出ずっぱりたくても出来ないさ」
確かに。灰人がスキルを使い終わった後の呼吸の乱れ方は異常だった。
今は灰人に頼るという選択肢を斬っておいた方がいいかもしれない。
こんな言い方をすれば本人は怒るだろうから、敢えて言わないが。
「スキルも見せてもらった事ですし、行きますわよ、40階層!」
桜井さんはリーダーらしく先頭をきって階段を下り始めた。
さぁ鬼が出るか蛇が出るか。
俺は未知のボスに胸を高鳴らせながら桜井さんの後をついていくのだった。
お読みいただきありがとうございます。
面白いと思っていただけましたらブックマーク・評価を何卒宜しくお願い致します。




