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15話 異常金銭感覚

日間ローファンタジー15位!

ブックマーク・評価をつけてくださった方々ありがとうございます!

『レベルが37に上がりました』

「あっ。レベル上がった」

「おめでとうですわ」


 30階層での死闘後、俺達は素早く次の階層に降りた。

 31階層以降になるとモンスターの数が上層よりも増え、戦闘をこなさなければいけないシチュエーションが多々あってどうしても効率よく進めずにいた。


 そんな中、ドロスライムを2匹ほど倒すとレベルアップのアナウンスが流れたのだ。。

 レッドメタリックスライム以外でレベルアップを迎えるのはなんだか久しぶりな気がする。


「一応ステータス確認しておくか」


-------------------------------------


名前:白石輝明

職業:暗殺者見習い

レベル:37

HP:65/74

MP:33/44

攻撃力:71

魔法攻撃力:0

防御力:81

魔法防御力:81

敏捷:69

固有スキル:透視(覚醒済み)LV4【MP1】

技術スキル:剣術LV4

耐性スキル:麻痺耐性LV3、毒耐性LV3、睡眠耐性LV3、適応力LV1

保有スキルポイント:12

ジョブポイント:9


-------------------------------------


「あら、思っていたより高いレベルでしたのね。これですとB級に上がったばかり位かしら?」

「ちょ、勝手に覗かないでくださいよ。それと俺はまだD級です」

「D級? スタートって最初はC級からじゃないんですの?」


 桜井さんに俺を揶揄ってる様子はない。

 

 ……。という事は桜井コンツェルンへの忖度か?


 娘のランクを少しでも上げてさせておくことで探索者協会は桜井コンツェルンへの心象を良くしたいのだろうし……。

 聞いた話によるとダンジョンのあるビル建設に桜井コンツェルンも絡んでいるとか……。


「D級からC級に上がるにはボスモンスターの討伐証が全部で10種類必要なんです。俺は探索者になってからここしか潜ってないのでまだD級。給料も発生してません」


 探索者協会からの援助という名目の下、月で給与を受け取れるのはC級から。

 といってもC級でも最下位争いをしてる人の給与は売れてない芸人レベルらしい。


 とはいっても無駄な出費は省きたい探索者協会はC級に上がる為の条件を厳しく設定しているのだ。


 まぁ中にはボスモンスターの討伐証を高額で買い取る人もいるそうで……忖度じゃなくて桜井さんのお父さんである社長がそれらを無理やり集めた可能性もあるか。


「そうなんですの。あ、それはなんなんですの? 見たことないスキルですわ!」

「ちょだから勝手に見ないでくださいよ。それにそれは俺もまだ確認出来てなくて」


 桜井さんはまた俺のステータスを覗き込み、『適応力』のスキルを指差した。

 そういえばこのスキルに関して内容を確認してない。というかそれを確認できるアイテムが高額で、どうしても渋ってしまうのだ。

 

 スキル名だけで何となく効果が分かるものばかりだったら苦労しないんだがな。

 帰ったら忠利にスキルの鑑定をしてもらおうか。


「だったら今確認してみましょう。ちょっと待っててくださいまし」


 桜井さんはアイテム欄から水色の魔法紙を取り出した。

 

 スキル鑑定の魔法紙。値段10万円。


「これを使って御覧なさい」

「いや、そんな高価なもの」


 桜井さんは魔法紙を俺に手渡そうとしてきたが、これを受け取るにはなかなか勇気がいる。

 もし、これを使って、恩着せがましくあーだこーだ言われるのは……。うーん、嫌すぎる。


「? 別にそんなに高い物じゃありませんでしたわよ。100万円もしませんでしたわ」


 俺の言葉に首を傾げる桜井さん。

 そうか、この人金銭感覚が狂ってるのか。


「じゃあ遠慮なく。【スキル鑑定】」


 俺は魔法紙を受け取り、破くと『適応力』のスキルをタップした。


-------------------------------------


適応力(モンスターの肉や血等、常識的に食すことが出来るモンスターの素材をそのまま食べる事が出来るようになる。その際、HPの回復や特殊効果を得る場合がある)


-------------------------------------


「生でモンスターの素材が食べれるようになるスキルでした……」

「えっ? ま、まぁ、飢餓状態になったとき便利ですわよね」


 何ともいえないスキル内容の所為で桜井さんが若干引いてしまった。

 ただ、後半のHP回復や特殊効果によっては有用なスキルになりそうだ。


 でもモンスターを喰うっていうのは何とも気が引けるな。



「白石君っ!」

「えっ? ぐっ!」


 会話をしているとどこからともなく攻撃を喰らってしまった。

 一体いつ、モンスターが近くに……。


「右ですわ!」

「そいつか」


 俺の視線の先にはモンスターの名前もHPも表示されていない、半透明なスライムが跳ねていたのだった。

お読みいただきありがとうございます。

面白いと思っていただけましたらブックマーク・評価を何卒宜しくお願い致します。

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