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129話 レベル100ボーナス

「やっぱ抉った箇所は表面よりダメージは大きいけど……再生スピードがこれじゃあなぁ。あー強いわこいつ。でも……」

「もっと進化してればこんな奴の身体を半分抉ってやることも簡単なのに……」

「動きが鈍ってるんじゃないか? 確かにお前は強い。だが、人間はあまりに脆過ぎる!」


 一色虹一が肩で息をするようになり始めると、アダマンタイトスライムはギアを入れ攻撃の手数を増やす。


 一色紘一はそんな攻撃を剣でいなしながらアダマンタイトスライムの脚や腕を抉っていく。


 ちょっと前だったら再生する前に抉った場所に一撃を加えてダメージを稼いでいたりしていたが、今はそれは難しい様で、ただただ悪戯に抉るだけとなってしまっている。

 

「ははははは!!  どうしたどうした! 抉られた箇所に一撃入れるよりも俺の再生の方が圧倒的に速いぞ!!」

「……」


 一色虹一はアダマンタイトスライムの煽りを受けても何も言い返さなくなった。

 傍から見れば今の一色紘一はアダマンタイトスライムの身体を抉って嫌がらせをするだけの機会にしか見えないはずだ。


 だが俺からすれば無限に大量経験値を生み出すチートキャラ。


 一色虹一がアダマンタイトスライムを抉れば抉るほど分身が自動で大量経験値を得てくれる∞経験値装置。


『+1000000。レベルが99に上がりました』



『+1000000。レベルが100に上がりました。スキル『属性物理攻撃』を習得しました。属性攻撃のステータスが追加されます。スキルポイントの奪取出来るようになりました』



 遂に大台のレベル100に辿り着くと、大量のアナウンスが流れ出した。

 その中でも気になったのはスキルポイントの奪取。

 前に猩々緋さんがスキルポイントが余ると言っていたのは多分これの所為。



『レベル100に到達したボーナスとして、全てのステータスが+100。もっとも優れたステータスは更に+200されます。次回ボーナスまで残り50レベル』



 続け様に流れるアナウンス。

 全てのステータスが+100、それに俺の一番優れたステータス、敏捷に限っては全部で+300の大幅強化が施されたらしい。


 まさかレベル100以上とそれ未満でこんなにも差が出るなんて。


 もしかして強化された今なら……。


「ふふ……」

「なっ!」


 そう思った瞬間、分身達は『瞬脚』でアダマンタイトスライムの元まで近づくと攻撃を始めた。


 まだ敏捷性に差があるのか、急所を攻撃するのは難しいようだが、確実に善戦している。


 思いがけない分身達の加勢に驚きの声を上げるアダマンタイトスライム。


 その様子を見た一色虹一は反対にほくそ笑んでいる。


「いけるっ! 俺も加勢に!!」

「ちぃっ! 鬱陶しいなぁっ!!」


 防戦一方となったアダマンタイトスライムは羽のような部位を大きく広げ、風を巻き起こした。


「うおっ!! こいつこんな事も出来るのか。すげぇな」


 突風によってアダマンタイトスライムの正面に居た一色虹一と分身達が吹っ飛ばされる。

 一色虹一がそれでも楽しそうにしているのはもはや狂気としか思えない。


 そしてその隙を突いてアダマンタイトスライムは角のような部位を光らせ始めたのだ。



何か強烈な一撃が来るのは明白。

あれを防がないと最悪全滅の可能性さえ……。


「即死を入れるか? いやそれは決まらなかった時のリスクがあまりに高い。確実にあの角、それとあの風をどうにか出来ないと。角……ホーンラビットみたいに角に青い点があれば」


 ホーンラビットに見えた青い点。

 それは≪透視≫を使ってみることが出来た部位破壊用の急所。


 スキルレベルの所為なのか、アダマンタイトスライムにそれらしいものは一切見えない。


「スキルレベルが原因かどうか不確定だけど……試すか」


 俺は一縷の望みにかけ急激なレベルアップで手に入れたスキルポイントで≪透視≫のレベルを一気に12まで引き上げたのだった。


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