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101話 簡易合体

俺は猩々緋さんに促され、一旦猩々緋さんと女性の元まで後退した。


その様子を見た橙谷さんや桃ちゃん達は、攻撃の手を更に増やす。


「うっ。思ったより手数が……」

「大丈夫ですかさなえさん」

「もっと長く維持できると思ったんですけど……。『シルド』の耐久値の減り方が激しすぎて……もってあと1、2分ってところです」

「……なら私よりいいですよ。私の方はあと30秒ってとこなので」


 見れば壁には亀裂が走り、アイアンメイデンにも罅のようなものが見える。

 相手の動きを止めておくのは、誰の目で見ても限界だと分かる。



 バキッ!!!



 遂にアイアンメイデンの腹部が割れて、柿崎さんが姿を現した。

 柿崎さんはそのまま橙谷さん達と合流し、壁を攻撃。

 女性の作った壁の崩壊が更に早まる。


「白石君。多分ですけどあれって、私達がが攻撃してもダメージって……」

「彼らはスライム、しかもメタル系のスライムに寄生されてます。会心の一撃を出さない限りは厳しいでしょうね」


 壊れかけの壁を前にして猩々緋さんは冷静に俺に話しかけてきた。

 そして、それに返答することで余計に自分達がどれだけの窮地に立たされているのか気付かされる。


「……彼らを救う事は?」

「……」


 猩々緋さんと女性が俺を期待の目でじっと見つめる。


「メタル系スライムは状態異常が苦手です。普段であれば無効化出来る効果が付与されることで驚いてしまうのでしょう。だから寄生した体を介して状態異常にかかったメタル系スライムは慌ててそこから逃げ出します」

「という事は彼らに白石君が状態異常を付与出来れば何とかなるんですね」

「はい。でも、そもそもあの数を相手に、しかも全員俺よりも格上っていうのは――」



「『スローフレーム』」



 猩々緋さんが俺の頭にそっと触れると、目の前の景色に違和感を感じ始めた。


 橙谷さん達、それに女性や猩々緋さんの動きがコマ送りされているかのように見え始めたのだ。


「これは動体視力を大幅に向上させるスキル。これで、少しは楽になりますよね? まぁ、慣れるまで時間がちょっとだけ掛かるかも知れませんが」

「だったらそれまで私が防御面をサポートをっ! 『ファイブプロテクト』」


 俺の身体が脂を塗られたかのようにてらてらと光る。

 俺の見栄えの悪さが一際目立つ気がするのは、ひとまず置いておこう。


「これで5回まで攻撃を無効出来るけど、重ね掛けは出来ないから大事に使って」


 見た目は酷いがかなり高性能なスキルらしい。

 この女性の素性は知らないが相当高いランクの探索者なんだろう。


「バフをいくら盛ったところ複数人は荷が重いでしょうから、取り敢えず壁が崩壊後私が何人かおびき寄せて相手をします。白石君は残った探索者の相手をお願いします」

「はい」

「さなえさんも白石君のサポートとして……よっと」

「えっ!?」


 猩々緋さんは女性を抱きかかえると、俺の背中に押し当て、おんぶ状態にさせた。

 いや、これちょっと重いんですけど。


「『エアグラビティ』『マグネットフォース』」


 女性の体が急に軽くなった。

 それに女生徒俺の体が、磁石の様にぴったりとくっつき、邪魔さも消える。


「実は『クイックミニマム』は効果が切れるまで結構時間が掛かりまして……。たぶん幼女状態だと動きも鈍くなるので、この状態、一心同体で頑張ってください」

「そ、そんな……男の人、しかも初対面の人とこんなこと」

「その、すみません」


 恥ずかしがっているような、嫌がっているような、何とも言えない表情の女性に俺は条件反射で謝罪をした。

 いや、別に俺が悪いわけではないけど。


「私、こんな事されなくても大丈――」

「来ますよ!! 作戦通りお願いします」


 女性の声を遮って、猩々緋さんが注意を促すと橙谷さんたちが遂に壁を破って襲いかかってきたのだった。


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