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執行という名の残酷

きっと人にはそれぞれの正義がある。


少女は知らない。その正義は時に誰かを傷つけることを。


「だったら・・・! これがあなたの!あなた達の正義だって言うの!? 人を殺すことがっ! 誰かの大切な人を奪うことが・・・!」


美しく儚げな白の鎧を纏う少女は涙を流し、歯を食いしばって糾弾する。


糾弾の照準が向けられているのは、全身を黒コートに包み、その風貌に似合った冷たい瞳の少年。


「だったら・・・! あなたの正義は間違ってる! 絶対に・・・! 人の大切な物を奪うことで、救える物なんてこの世に1つもありはしないっ!」


少女が何を叫んでも少年の表情は変わらない。


冷え切ったように青く染まる少年の瞳は、これ以上冷めることができないよう。心が冷え切ってしまえばきっと傷つくことは無い。


だから少年は知っている。自分の正義は誰かにとって糾弾され、理解されない物なのだと。


「・・・正義か。そんなものは下らない」


重く響くような口調だ。


「この世に自分と同じ考えの人間が1人として存在しないのなら正義なんてあるだけ無駄さ。故に君と俺がここで敵対しているのも仕方の無いことだ」


少年は右手にナイフを、少女は光の剣を握りしめる。その刃先はしっかりと敵を捉える。


「もし君が俺を間違いとしたいならその剣で俺を貫けばいい。俺はそれを逃れてみせよう」


自分の心臓部に親指を突きつけながら少年は言う。その目に死などは写っていないが。


「だが一つだけ訂正したい。俺たちが守るのは正義なんかじゃない。ただ一つ、この世の『秩序』だ」


それを聞いた少女が喰ってかかる。


「人を殺しておいて何が秩序よ! あなたたちのやっていることは混乱そのものじゃない!」


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