66.G空の宝箱を見つける
迷宮のボスを倒したりゅうじんさま達は空っぽの宝箱の前に立っていた。
そう空っぽの宝箱だ。
(フレアよ。我にはこの宝箱に何も入ってないように見えるのだがもしかして小さすぎて分からないだけなのかのぉ?)
「いえ、確かに空っぽですよりゅうじんさま。何を期待していたのか分かりませんがこの迷宮は既に踏破されたのだから当たり前ですよね?」
ちょっと褒めるとすぐにこれじゃ。
一応情報収集担当であるフレアに確認したところ迷宮には二つのタイプがあるらしい。
神造タイプと自然発生タイプ
神造タイプとは世界創生時に神が作ったと言われているタイプ。
このタイプは遺跡のような外観をしており仕組みは全くの不明だが罠や宝箱が自動で作り出されると言うまさに神が作ったとしか思えない場所になっている。
自然発生タイプは大量の魔力が溜まった場所に発生する。
大きな魔力に誘われるように多くの魔物が集まりそして大量の魔力にさらされたアイテムが特殊な効果を持つようになる。
ただこのタイプは魔力が減少すると迷宮ではなくなる。
竜の顎は自然発生タイプに分類されるので中にあるアイテムが特殊な効果を持つようになるが自動で宝箱が作り出されたりしないので空の宝箱は誰かがアイテムを入れない限りは空のままである。
(それならばなぜこの場所に来たのじゃ?)
「それは龍神の試練を受けるためです。試練を突破できれば龍神としての力の一部を取得できます。」
それはぜひとも突破せねば!
今のままでは勇者や魔王を倒すのは夢のまた夢じゃ!
どんな試練でも受けて立ってやるぞ。
それでどこでどんな試練が待っておるんじゃ?
(それでフレアよ。その試練を受けるにはどうすれば良いんじゃ?)
「竜の顎での試練はコレを砕くことですね。」
フレアは胸の前で組んだ両手から右手を解いて目の前にある宝箱を人差し指で指し示した。
宝箱を砕くのじゃな。
確かにこれは難しいのぉ。
巨人の手で最大威力で殴ってもペシャンコになるだけで砕くことはできない。
ダークカッターでは切り刻めても砕くことはできない。
炎の大狼群では言うまでものないのぉ。
とりあえずいろいろやって見るかのぉ。
巨人の手に大量の魔力を注ぎ込んで作った拳を作り出した。
「へ?」
フレアが何か言ったがそのまま拳を振り下ろした。
宝箱は黒い拳に押し潰されてペチャンコになりその上台座にも拳形の凹みが出来た。
(やはり粉々にはできんかったか。)
すると不思議なことが起こった。
台座の凹みがキレイに無くなったのじゃ。
うむ。
もしかしなくても粉々にするのは宝箱じゃなくて台座のほうか。
「急に魔法を使わないでくださいよ!びっくりするじゃないですか!それから粉々にするのは台座のほうですからね。ついでに凹ますんじゃなくて粉々ですからね。」
ふん!
ちょっと勘違いしたが分かっておるわ。
もっと違う方法で・・・。
そう粉々にするなら巨人共が使う爆弾のようなものが必要じゃな。
ふむ、神龍の知識のカケラに面白いものがあったのじゃ。
それは闇魔法に関する知識じゃ。
一般的に闇魔法は光を吸収するものだと思われているのじゃ。
光の速さを吸収できるものと言えばブラックホールじゃ。
ただ我のスキルレベルではさすがにブラックホールは作れない。
実際、闇魔法で作っているのは光を全く通さない黒い物質を造るのが精々じゃ。
それでも光を吸収するほどではないが吸収する力を持っておるのでそれを活用すれば爆弾と同じような現象を起こせるはず。




