64.G多刀流を覚える
我に不意打ちを喰らわせたハンターマンティスをフレアに任せて我はキラーマンティスへと向かう。
ハンターマンティスのことはフレアに任せておけば大丈夫だろう。
≪気配遮断≫を持っていて厄介ではあるがフレアの≪気配察知≫はレベル10だから問題ないだろう。
何といっても目が見えていないはずなのにそのことを忘れてしまうほど敏感に気配を読み取って動けるのだからな。
ステータスの差はあまりないが高い格闘術があるのでまず負けることはないだろう。
キラーマンティスのステータスは我より多少低いが鎌術などのスキルで我を上回っているので人の心配をしているほどの余裕はないかのぉ。
気を引き締めてゆくぞ。
まずはダークカッターで我の≪二刀流≫とキラーマンティスの≪二鎌流≫どっちが上か白黒つけてやるぞ。
我はもっとも高いステータスであるすばやさに任せて一気にキラーマンティスの懐へと飛び込み二刀のダークカッターを左右から交差するように切り込む。
キラーマンティスが高い鎌術と身体強化を使って両手の鎌で迎撃する。
キンキンカキーン!
ム、やはり超脳力を持っていても我の剣術と二刀流ではいささか実力不足か。
我の専売特許であるすばやさもキラーマンティスとさして大きな差があるわけでもないしのぉ。
相手の土俵で戦って叩きのめして我のすごさをメアとフレアに見せてやろうかと思ったのじゃが無理みたいじゃのぉ。
どうやってカッコよくキラーマンティスを倒そうかと考えておると痺れをきらしたのか先にキラーマンティスが動いた。
赤黒かった両手の鎌が鈍く紫色に光り始めた。
おそらくあれは≪斬撃強化≫スキルの効果が発動したのじゃろう。
その証拠に今まで切り結んでいた我のダークカッターがあっさりスパーンとキラーマンティスの鎌に切断されてしまったのじゃ。
こりゃいかん。
我は慌てて≪闇の嵐≫で牽制しながら距離をとる。
すばやさが上回りさらに≪超脳力・高速思考≫を持つ我にとっては造作もないことなのじゃ。
ただ牽制はほんとに牽制にしかなっておらずキラーマンティスは我が次々と放つ闇の針をあっさりとすべてを鎌で弾き返しおった。
さてどうするか。
≪炎の大狼群≫を追加で嗾けるがそれでもキラーマンティスの鎌の結界を突破できない。
寧ろ慣れてきたのか徐々に我の攻撃を防ぎながら近づいてきた。
ここまでは前座。
ここからが本番我のターンよ。
え、さっきからずっとそうじゃないかって?
キラーマンティスから攻撃らしい攻撃も受けてないって?
知らん!
雰囲気と勢いの話じゃ。
闇の嵐と炎の大狼群の対処で足元がお留守になっておるぞ。
食らえ≪アースニードル≫
キラーマンティスの足元から大岩の槍が空に向かって突き出す。
魔力の流れを感じ取ったのかアースニードルがキラーマンティスを串刺しにする前に動いた。
ただ闇の嵐と炎の大狼群も無視できないため完全に躱せず左腕を大きく損傷した。
本命だけに多くの魔力を込めたのだからこれくらいの効果は出してもらわないと困るのじゃ。
キラーマンティスもこれではもう十全に力を発揮できまい。
我は接近戦で遅れを取ったことを挽回するための行動に出た。
ただ片腕になったキラーマンティスでも我の拙い二刀流には対応する可能性がある。
そこで万全を期するためにダークカッターを二刀ではなく四刀作り出す。
この程度は今の我にとってはすでに昼飯を食ったが朝飯前じゃ。
一つしか鎌がないキラーマンティスに四つの黒い刀が襲い掛かる。
一刀目を弾き、二刀目を返す刃で弾き、三刀目を余裕が無くなり鎌の背で弾き、四刀目で遂にキラーマンティスの首を取ったのじゃ。
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ピコーン
適応の効果で≪二刀流≫が≪多刀流≫に変化しました。
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危なかったのじゃ。
余裕をぶっこいて二刀流で挑んで居ったら情けないことになるとことじゃったのじゃ。
さすが我。
見事な先見の明じゃな。
我の戦いは終わったがフレアの戦いはどうなったかのぉ。




