51.Gクロウラーを討伐する
受付でクロウラーの依頼を受理してもらい、いざ討伐へ!
「待ちなさい。メア!まずは情報収集をしなさい。」
な、なんと!
フレアがまともなことを言っているのじゃ。
ん?
(情報収集はフレアの仕事ではないのか?)
「そうだけど、これはメアがもし一人になってしまっても生きていけるようになるための教育の一環よ。」
ふむ。
ということはメアが成長したらフレアは要らない子になるのかのぉ。
(頑張るのじゃ。フレア)
数日とは言え一緒に居ったのじゃ。
我にも多少の情が沸いたのじゃ。
「??何言ってんのよりゅうじんさまは。ガンバルのはメアでしょ。」
うむ、やはり要らない子になったら捨てておくぞフレア。
ギルドの資料室には周辺の魔物の特性や薬草などの採取方法が記されてあった。
メアはまだ文字が読めないようなので代わりに我が読んで聞かせたのじゃ。
「字が読めるなんて気持ち悪いわね。」
「りゅうじんさますご~い!」
どちらがどちらのセリフかは一目瞭然じゃな。
今回は時間もないのでクロウラーの特性と薬草の採取方法を記憶して出発したのじゃ。
街の南門を出て街道を外れた森が視認できる場所にある草原にやって来た。
ここには森の中からハグレクロウラーがやって来るらしいのでメアにはちょうど良いとのことだ。
今回はメアの戦闘経験を得るためにやって来たので我が一人で修行したときのようにこちらからクロウラーを探しに行くわけにもいかないので薬草を採取しながら待つことにしたのじゃ。
ここにある薬草は黄色花を咲かせるものだ。
この薬草は花と根両方が必要らしいのじゃ。
なのでメアとフレアは一つ一つスコップを使って丁寧に採取しておるのじゃ。
どうにか簡単に採取できないかのぉ。
我はチマチマ採取するのは面倒じゃぞ。
ん?
おおお!
やはり我は天才なのじゃ!
薬草を魔力解析すると魔力感知で薬草が生えている場所がはっきりと分かるのじゃ。
後は巨人の手にスコップを持たせてオートメーションスキルを使用すれば自動で採取ができるのじゃ。
ふふふ我の才能が怖いのじゃ。
「りゅうじんさま、すごいの!ドンドン薬草を採取しているの!」
は~はっはっは。
メアよ、もっと褒めても良いのじゃぞ。
「はぁ、これがメアが経験を積む為のものだと分かっているのでしょうかねぇ。」
(む、メア!クロウラーが来たぞ。)
「ですからメアの経験を積ませるのが目的なんですよ。りゅうじんさまが索敵してどうするんですか!メア戦闘準備をしてください。」
メアは魔力操作でベアちゃん(クマゴーレム)を操り始める。
まだ魔力操作レベルが低いので簡単な動作しかできないがクロウラーを相手にするには十分じゃぞ。
ベアちゃんには鉄の爪を装備させておるのじゃ。
血を吸う度に強くなる吸血鉄爪(呪い)を装備させようと思ったのじゃがフレアに反対されてしまったのじゃ。
ベアはゴーレムだから呪われないから丁度良いと思ったのじゃが強い武器を持つとなかなかスキルを覚えないらしいのじゃ。
スキルとは装備の能力を含めて自分よりも強い魔物と戦うほど覚えやすいらしいのじゃ。
自分が何も貰えないから反対したのかと思ったが以外にもまともな理由じゃ。
「ベアちゃんお願い!」
メアよ。
ベアを操っておるのはお主なのじゃからそんなことを言っても意味はないぞ。
クロウラーの周りをベアが飛び回る度にクロウラーが糸を吐き出す。
ギルドの資料によればクロウラーは草食で自分に敵対する動物に会うと糸を吐き出し相手が動けなくなった隙に逃げ出すので危険性は極めて低い。
ただ数が増えると農業への被害が大きくなるのでギルドでは依頼料は安いが領主から常に出されている。
またクラウラーの糸は効果は低いが布製品に付加効果をつけるために使用されるらしいのじゃ。
今度試してみるかのぉ。
おそらく《適応》でスキルが取得できるはずじゃ。
クロウラーはベアに対して糸を吐きつづけていたが遂に糸が吐けなくなったのかノソノソと逃げ始めたぞ。
「ベアちゃん、やっちゃえ!」
戦闘中に背中を見せると言う致命的な行動を取ったクロウラーをベアが鉄の爪で次々と切り裂いていく。
あとはクロウラーが吐き出した糸を回収して依頼は完了じゃな。




