50.G依頼を受ける
メアに魔力操作を教えた翌日、メアの実践訓練も兼ねた依頼を探しにギルドにやって来たのじゃ。
ギルドに入ると3組のパーティがテーブルで食事を食べながら雑談をしていおるのぉ。
彼らの中に扉が開く音に反応して入口に視線を向ける者がいた。
彼はフレアの顔を見るとサァーと血の気が引いて勢いよく立ち上がった。
「そ、そうだ。俺これから武具のメンテナンスに行かないと!」
まるでギルド中に宣言するかのように大声を上げそのまま我らの横を走り抜けて外へと出ていった。
そんな男はギルド中の視線を集めたのは必然であった。
そしてその視線が男が通り抜けた人物に集まるのもまた自然の成り行きであったのじゃ。
「お、俺もメンテナンスに預けた武器を取りにいかないと!」
「あ!保存食が少なくなってたから買い足しておかないと!」
「お、おいずるいぞ!え~っと俺はポーション類の補充をしないといけない!」
「そ、そしたら俺は宿で昼寝をしないといけない!」
「それがいいなら、俺は八百屋のエミーを口説きにいかないとけない!」
急に緊急の用事を思い出したことを強調するようにギルド内にいた男たちは次々に大声で予定を宣言し始めた。
ただ最後の二人は緊急の用事でも何でもないじゃろ。
特に昼寝とか勝手するのじゃ!
大声を上げた男達は露骨にフレアから視線を逸らしながら走り抜けた。
それはつまり前を見ずに走るわけだから非常に転ぶ危険性が高いわけである。
つまりどうなるかと言うと。
「「「「「イテ!」」」」」
全員がギルドの入り口にある段差で男達は盛大にズッコケた。
「大丈夫ですか?」
顔面スライディングを決めた男共を心配してメアが声をかける。
「「「「「だ、大丈夫だ!急いでいるので失礼する!」」」」」
膝や肘だけでなく顔中も擦り傷が出来、いたるところから血が滲み出ておるのじゃ。
あれはヒリヒリして痛いぞ。
メアもその傷を見てさらに心配そうな顔をしておる。
当人である男共はフレアの顔を見て恐怖に全身を震わせながら我らの前から逃げ出したのじゃ。
「なんのあいつ等?人の顔を見てオーガにでもあったのような顔をするじゃないわよ。」
それは仕方ないのじゃないのか?
粉砕なんて物騒な二つ名を持つ男の足をコナゴナした女がギルドにやって来たのじゃ。
ちょっとでも不況を買えば自分も同じ目に合うんじゃないかと恐れておるのじゃ。
特にランクの低い者は抵抗できないから尚更恐怖じゃな。
(フレアは恐怖を振りまいておるようじゃがこれで情報収集は出来るのかのぉ?)
「あ、あんな低ランクからは碌な情報は得られないわ。寧ろ感度の高い情報だけが集められて効率があがるわよ。」
そんなものかのぉ。
いざとなったら我がメアと組んで情報を集めるしかないかのぉ。
ここでもフレアの役立たず度が上がったのじゃ。
「そ、そんなことよりもメアの初依頼を決めましょう。」
そんなこととは何じゃ。
情報収集が大事で自分はその能力があると言ったのはフレア自身ではないかのぉ。
ただ今はフレアの存在意義を確認するよりもメアの初依頼を決めるほうが大事じゃな。
男共がフレアから逃げたおかげで広いスペースが出来たので3人で依頼表を確認することができたのはフレアに多少は感謝しても良いのじゃ。
メアにもできそうなのは『迷子のペット捜索』・『薬草の採取』・『クロウラーの糸の納品』・『庭の草抜き』あたりかのぉ。
肉体労働の依頼がたくさんあるがメアには無理じゃろ。
フレアとメアと我で相談した結果『クロウラーの糸の納品』を受けることにした。
クロウラーとの戦闘は基本メア一人で行ない危ない場合は我が助けに入る。
クロウラー自体は油断しなければ人形ゴーレムを使えば十分に倒せるはずとフレア談。
我も大丈夫だと思うがなぜかフレアが大丈夫と言うと非常に不安になってしまうのはフレアクオリティと言うことだろう。
頑張れフレア。




