44.G街に入れない!?
「お前は行商人でそっちの男が護衛ね。二人ともギルド証を見せてくれ。」
大声で笑う我らは門番も兵に注意されてそのまま検問を受けることになったのじゃ。
「よし、オッケーだ。通って良いぞ。」
で行商人と護衛の男が出したカードになにやら奇妙なもので光を当てておるぞ?
(フレアあれは何をしておるんじゃ?)
「ああ、あれはギルド証の持ち主の情報を確認しているんですよ。犯罪歴とか納税記録だとかの情報らしいですが詳しいことは知りません。それからギルド証に記録されている魔力が本人の魔力かどうかも確認しているとのことです。」
(ふ~む、人間は面倒なことをしとるんじゃのぉ。)
「犯罪者や他国の諜報員なんかが簡単に街に入ってきたら大変ですからね。」
自分の巣穴に異物を入れないための処置かのぉ。分かると言えば分かるが面倒なのは変わりないぞ。
「次はあんただな。ギルド証の提示を頼む。」
門番の男がフレアが出したカードに光を当てたぞ。
あれだけでいろいろな情報が分かるとは人間の道具は前の世界と一緒で侮れんのじゃ。
「ほぉ、あんたCランク冒険者なのか。その年ですごいな。ベテラン冒険者はいつでも歓迎だ。龍神の顎は既に踏破されてひさしいけどダンジョン下層のモンスターの素材なんかはいつも不足気味らしいからな。」
なんか聞き捨てならんことを兵士が言っておるぞ!
(フレア、龍神の顎が踏破されておるとはどう言うことじゃ!)
「(私も詳しいことは分かりませんけど、その話は街に入ってからにしてください。ここでは無理ですから)」
気になる、気になるのじゃ。
「りゅうじんさま、フレアお姉ちゃんの言うとおりだよ。みんな順番を待っているんだからテキパキ動かないとダメだよ。」
(う、うむ、分かっとるぞ。)
「次はキミか。その~、きみが乗っている魔物はきみの従魔かな?」
「違うよ。りゅうじんさまはりゅうじんさまだよ。」
いや、メアよ。
そやつは我の名前を聞きたいわけではないぞ。
「すまない。その魔物は私の従魔だ。」
「うん?しかしギルド証の情報にはそんな記録はなかったぞ?」
「ああ、今回の道中で偶々手に入ったのでこの街で登録しようと思っているんだ。」
手に入ったとはなんじゃ。
もう少し言い方ってものがないのか?
気にって連れてきたとか、なぜか好かれたとか、いろいろあるはずじゃぞ!
「む、そうなのか。ただこの街は道がそこまで広くないからこのサイズの従魔は街には入れないぞ。外の預かり所を利用してくれ。登録はギルド員に頼めば預かり所まで来てやってくれるから。」
な、なんじゃとここに来て我だけ街に入れんじゃと!
「りゅうじんさまは一緒じゃダメなの。」
そうじゃ、メアもっと言ってやれ!
「すまんなお嬢ちゃん。その従魔は大きすぎて他の人が街中を歩くのに邪魔になるんだよ。」
(こんなときにこそ役に立つんじゃフレア!お主の価値を見せてやれ!)
「(一人で外で待つのが嫌なんてりゅうじんさまお子様ですか?)」
我がお子様じゃとそれなら僕のフレアは赤ん坊じゃぞ!
(そうでは無いわ!我はメアを守らんといかんのじゃ。それに情報収集もできんぞ。街の外でボーと待つだけなら森に入って魔物を狩ってレベルアップしたほうがマシなんじゃ。)
「はいはい、そういうことにしておきます。そんなに街に入りたいなら体を小さくすれば良いんですよ。問題なのは体が大きいことだけなんですから。」
それができればとっくにやっとるわ!
クッソー!
体よ小さくなれ、体よ小さくなれぇぇぇぇぇぇ~!!!
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ピコーン
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およ!
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