37.G巫女を見つける
おかしいきちんと耐性スキルをイメージして魔法を放ったのに意識が戻らんぞ。
「グガァ~Zzz、ゴゴ~Zzz」
何てうるさいイビキなんじゃ!
寝取るだけか。
なんと紛らわしいヤツなんじゃ。
≪正常化≫とでも名付けておくかのぉ
「な、なんですかこの音は気配は感じませんが魔物ですか!どこです!」
騒々しいイビキを聞いてルシアが騒ぎ出す。
(落ち着け!)
「『パコーン』いったーい、りゅうじんさまがまたブッた!頭がおかしくなったらどうしてくれるんですか!」
(安心しろこれ以上フレアの頭はどうにもならん。それからとこの音はこの男のイビキじゃ。)
「この音がイビキですか!なんて非常識なイビキなんでしょうか!?」
うるさい、うるさい。
フレアが人間共を助けると言っておきながら全く役に立たっておらんぞ。
いびきのうるさい護衛の男と役立たずフレアは置いておいて馬車におる人間も回復してやらんとな。
馬車の操者はくたびれた服を来た中年の男だった。
コヤツもケガをして気絶しておったので≪回復光≫≪正常化≫をかけておく。
傷も治ってイビキはかいておらんがコヤツ寝ておるようじゃ。
この世界の人間は魔物に襲われた後はみんな寝るのかのぉ。
なんとも緊張感のない奴らじゃ。
あと一人荷台にも誰かおるようじゃの。
我の体では中に入れんのぉ。
(フレアこっちに来い!中に誰かおるが我では荷台に入れんのんじゃ。)
「はいは~い、待って下さいね。やっぱり私がいないとダメですね~。」
(何を言っておるんじゃ。お主はコヤツらを助けると言っておきながら何もしておらんではないか。中におるものを外に運び出すくらいは率先してやるべきことじゃぞ。)
もっと我の役に立つ僕を見つけんといかんぞ。
フレアよりもよっぽどBDGのほうが役に立つわい。
「りゅうじんさま~、リス耳の可愛い女の子がいました~。」
ぐったりしているリス耳の小型人間を抱えてフレアが荷台から出てきた。
(コヤツは特に怪我はしてないようじゃの。)
≪正常化≫をかけておけば大丈夫じゃろ。
ホレ。
「んん~、ほへ~。」
コヤツは先ほどまでの緊張感の欠片もない人間共と違ってすぐ目が覚めたみたいじゃぞ。
「あ~、おっきな虫さんだぁ~。」
(やめ~い、ペチペチ叩くでないわ。それに我は虫さんではないのじゃ!)
「ぶー。」
なんじゃその顔は!
頬を膨らましてもいかんぞ。
「じゃ、おっきな虫さんのお名前教えてぇ。」
(ふっふっふ、我こそは何れ勇者と魔王を倒すりゅうじんさまであるぞ!)
名乗りとともについでに属性魔法で爆発も演出しておくのじゃ。
「すっご~い、りゅうじんさま、すっご~い。もしかして悪いワンワンもりゅうじんさまがやっつけたの?」
(ふむ、お主フレアと違って賢いのぉ。その通りウルフどもを蹴散らしたのは我ぞ。)
我には手がないので仕方ないので≪巨人の手≫で頭をナデナデしてやるのじゃ。
おお、そうじゃ!
(フレアの代わりにコヤツを僕にするのじゃ!)
「ええ~、何言っているんですか!こんな小さい子を僕にして良いわけないじゃないですかぁ。」
どう考えてもフレアよりも役立つと思うんじゃがなぁ。
(う~ん、ダメかのぉ~。)
「メア、りゅうじんさまについて行く!」
(そうかそうかフレアと違って素直じゃな、我がメアを守ってやるから安心するんじゃ。)
「うん!」
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ピコーン
りゅうじんさまは信者を獲得しました。
メアはりゅうじんさまの加護を獲得しました。
メアは称号≪りゅうじんさまの巫女≫を獲得しました。
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うむ、何じゃこれは?
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