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35.G魔物を蹴散らす

森の道を進めど進めど街は見えてこない。

「りゅうじんさま~、本当に道はこっちで合ってるんですかぁ~」

(知らん。そもそも我はここが何処かも知らんのだぞ。ただ男達が向かっていた方向に進んでいるだけじゃ)

そもそもフレアの頭が残念じゃなければ街についておるはずじゃ。

「はぁ、りゅうじんさましっかりして下さいね。」

ムキー、言ってくれるわ!

主を敬わない(しもべ)はこうしてくれるわ!

≪巨人の手≫でフレアをどつき倒してやったぞ!

「ブヘラ『ドカン』」

奇妙な声と地を震わす音がしたが気にしてはいかん。

「りゅうじんさま。突っ込みはもう少し優しくしてください。」

ツッコミとはなんぞ?

予想はしておったがあんな音をさせて地面にぶつかったのにケロっとしているのぉ。

お、人の魔力反応があるぞ。

(フレア道の向こうに人がいるぞ。)

「ム、話を逸らそうしてもいけませんよ。りゅうじんさまはもっと(しもべ)である私に優しくすべきです。」

(いや、だから人が向こうにいておそらく魔物に襲われているぞ)

「ですから話を・・・・。本当ですね。りゅうじんさま何をしているんです。早く行きますよ!助ければ街の場所が分かります。」

なんじゃさっきまで我の話を聞かなんだのに・・・。

しかも我と同じくらいの速さで走っておるぞ。

すばやさは我より低いはずなんじゃがなぁ。

うっすらと体が光っておるぞ。

あれがフレアが持っておった≪闘気≫のスキルじゃな。


**********

ピコーン

スキル≪適応≫の効果で≪闘気≫を獲得しました。

**********


おおっと我も追いかけるぞ。

あとでフレアにグチグチ言われるのは嫌じゃしのぉ。

早速覚えたての≪闘気≫を纏ってフレアの後を追った。

想像以上に力が沸き上がってあっという間にフレアを置き去りにする。

(どうしたフレア?そんなにゆっくりしていたら助けられないぞ?)

さっきのお返しとばかりに煽ってやったぞ。

「ムッキー、りゅうじんさまはやっぱり意地悪です~!!!」

後ろでフレアが負け犬の遠吠えを上げておる。

いい気味じゃ!

どうやら馬車がゴブリンとウルフに襲われておるようじゃの。

とりあえず被害を出さないためにもゴブリンとウルフの意識をこっちに向けるのが先決じゃな。

この状況で使うなら≪咆哮≫じゃな。

「グオォォォ!!!!」

我が出した声とは思えないぞ。

そう言えば我って声をだせたんじゃな。

自分のことながら今更知ったのじゃ。

どうやら効果は抜群のようじゃな。

一番近くにおったゴブリンが泡を吹いて倒れておるし他のウルフとゴブリンは散り散りに逃げていったぞ。

ふむ、我の経験値に出来なかったのは勿体ないが目的は完遂したのじゃ!

「りゅうじんさまは何て声をだしているんですか!『ポカン』イッタ~イ!どんな体しているんですか!」

なんて理不尽な。

自分で殴った癖に!

(何を言っておるんじゃ、被害を減らすために一番早く魔物を蹴散らす方法を取っただけじゃぞ。)

我の素早く適切な対応で被害を減らせたんじゃぞ。

なぜに文句を言われねばならん。

「りゅうじんさまの≪咆哮≫のせいでみんな気絶しちゃってるじゃないですか!」

うむ、気が付かないふりをしておったのによく気が付いたな。

(死ぬよりはマシじゃろ。そんなことで文句を言うでないわ)

「はぁ、りゅうじんさまならもっと穏便で素早い対応ができると思ってたんですけどねぇ~。」

フレアめ、まだ我をバカにするか!

(あ、当たり前じゃ。今回はあれじゃ、人間がここまで軟だとは知らんかったからじゃ。ウルフでさえ気絶せんかったのじゃぞ!そう人間が軟すぎるのがいかんのじゃ!)

「ふ~ん、次からは気を付けてくださいね。」

ぐぬぬ。

好き勝手言いおって!

今に見ておれ!


**********

ピコーン

スキル≪負け犬の遠吠え≫を獲得しませんでした。

**********


うるさいわ!

(それよりもさっさと助けた人間の様子を確認するぞ)

「そうですね。りゅうじんさまが気絶させた人を介抱しないといけませんしね。」

チクチクチクチク言いおって!

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