34.G常識を問われる
フレアを乗せて森の中を街に向かっておると森の中に一本の街道か現われた。
(フレアよ。これはどういうことじゃ?我らは街に向かっておるはずなのに街ではなく街道に着いたぞ?)
「あっれ~、おかしいですね。確かにこっちから来たはずなんですが?」
フレアは本当に分からないのか首を捻っておる。
(しかし、お前は男共に捕まって袋に入れられて運ばれておったのによく自分が来た方向が分かったの?)
額から滝のように汗を出しながら視線をそらし始めたぞ。
「・・・・違うんです!盗賊に捕まる前は後ろから来ていたんです!」
こやつ本気で言っておるのか!
前を向いて歩いていたら後ろから来たのは当たり前ではないか。
それはあくまで真っ直ぐ歩いていたらの場合じゃ!
(おまえそれで良く今まで道に迷わなかったな・・・・。)
「ううう、仕方ないじゃないですか。いつもはこんな森の奥に来ることなんてないんですから。」
とにかくフレアに道案内させるのは不可能なようじゃな。
(おそらくあの男共もどこかの街に向かっていたようじゃしそっちに向かってみるかのぉ。)
「りゅうじんさまはどっちに向かっていたか分かるんですか?」
(ああ、我は《マッピング》スキルを持っておるから男共が向かっていた方向なら分かるんじゃ。)
「それなら初めからそうすればよかったじゃないですか~。」
それはお主が自身満々に街の方角を示したからじゃ!
森の中の街道沿いをフレアを乗せて駆け抜ける。
「そう言えばりゅうじんさまに会ってから魔物にも獣にも会ってませんねぇ。」
(ふむ、それは我の眷属が討伐しておるからのぉ)
「・・・・・。」
なんじゃ急に黙りこくりおって。
「・・・その眷属は人を判別できるんですよね?」
できるわけないじゃろ。
なぜそんなことを当たり前の確認するんじゃ?
(できんが大丈夫じゃ。敵対した相手には容赦なく攻撃するように言っておるしもし死んでもまた我が召喚すれば良いんじゃからな。)
ん?
フレアの顔から血の気が引いて真っ白になっておるぞ。
大丈夫かのぉ。
「す、すぐにその眷属を呼び戻してください!!!!!」
(なんじゃ、そんなに慌てて。我が眷属はそんなに簡単に負けるほど弱くはないぞ?)
「これから人の住む街で情報収集するのに敵対行動をとってどうするんですか!!」
(いや、だから敵対しなかったら襲わんようにしておるじゃないか?)
ん?
また両手を上下させる踊りを踊り始めたのぉ。
そうか!
フレアはこの踊りが好きなのじゃな!
「違います!りゅうじんさまは普通の人が見たら魔物なんです!人が魔物にあったら逃げるか戦うかですよ!なのに敵対したら攻撃するってバカなんですか!それともりゅうじんさまは魔物にあったら敵対せずにいきなりハグしたりするんですか!!!!」
な、なんじゃ。
そこまで言わなくて良いじゃないですか!
我はお前の主じゃぞ。
クッソー!
「りゅうじんさま~。分かったらイジケテないで眷属を呼び戻してください!」
(分かった、分かった。すぐに呼び戻すわ!)
悔しいがフレアの言っていることは間違ってないのじゃ。
眷属の強化の続きはまた今度じゃな。
「まさかすでに人を襲ったなんてことはないですよね?」
(大丈夫じゃ。フレアを助けるときに殺したの以外は人は殺しておらんぞ)
結果としてフレアのおかげで取り返しのつかない事態にはならんかったの。
「りゅうじんさまは人の常識は知らないのですから気を付けてくださいね。」
はぁ、人の街にいけばほしい情報が手に入ると言うことじゃが面倒なことも多そうじゃのぉ。
眷属を呼び戻したせいか今まで合わなかったのが嘘のようにゴブリンやウルフが襲い掛かって来るのを≪炎の群狼≫で対処しながら道を進んで行ったが街はなかなか見えてこなのじゃ。
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