26.G夢を見る
パン!パン!パ~ン!
な、なんじゃ!
このけったいな音は!
何かの攻撃か!?
どこじゃ!どこからじゃ!
「パンパカパ~ン。迷宮踏破おめでとうございます!苦節待つこと・・・、何年だっけ?途中から数えてないや。まぁ~、いっか~。ってアレ扉が開いたのに誰も来てない・・・?どうなってんだぁ?」
なんじゃコヤツはえらいハイテンションなじゃのぉ。
姿は小型巨人にそっくりじゃが背中に我を同じように羽が生えておるぞ。
まぁ、我の羽よりも憎き鳥共に似ておるな・・・・。
巨人=敵、鳥=敵 ならば目の前のヤツも敵か!
この迷宮に来てから友好的なヤツはおらなんだから尚更ヤツは敵だな。
都合の良いことにヤツは未だに我に気がついておらん。
背後から《隠密ダークカッター》で一撃じゃ!
用心には用心を重ねて前方から陽動部隊として《炎の群黒鳥》をけしかけるのだ。
行け!《炎の群黒鳥》
炎で出来た鳥の群が羽根付き巨人に次々と襲い掛かる。
「え!なんで鳥!?しかも炎を纏ってるし、あっついよ!もうなんなのさぁ!ええい、クソ。あっち行け!」
フッフッフ、羽根つき巨人め焦っておるな。
もっとまとわりついてやるのじゃ。
いくら手を振り回そうともそやつらはまとわり続けるぞ。
「えい!やめろよ!いいかげんにしないと怒るぞ!」
だいぶ注意散漫になっておるな!
チャンスじゃ。
行け!
《隠密ダークカッター》!
羽根つき巨人は全く気付いておらんぞ!
真っ二つに。
「イッテー!怒ったぞ!」
なんで生きとるんじゃ!?
しかもイッテーってなんじゃ、イッテーって。
そんなもんで済む様なものじゃないぞ。
『止めろ』
羽根つき巨人から魂から畏怖するような光を発しながら言葉が放たれたのじゃ。
その言葉を聴いた瞬間に我の全ての魔法が消し飛び我自身も意識を失った。
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ピコーン
《適応(耐性)》の効果で《神気耐性》を獲得しました。
《神気耐性》は《適応(耐性)》に統合されました。
《適応(耐性)》の効果で《神気》を獲得しました。
《神気》は現在使用できません。
《ど根性》の効果を発動します。
《ど根性》の効果を発動します。
魂に負荷がかかりました。
《ど根性》の効果を発動します。
《ど根性》の効果を発動します。
魂に負荷がかかりました。
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・
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《竜の因子》が魂を保護しました。
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我はいつの間にか眠ったのかのぉ。
夢でも見ているかのようにフワフワしておるわ。
はて?
夢とはなんじゃ?
なんで知らんはずのものを知っておるんじゃ?
分けが分からん。
それにしてもさっきまで石畳の部屋におったはずなのにここはどこじゃろ?
えらい殺風景な場所じゃな。
それにえらい巨人じゃない巨人がたくさん倒れておるのぉ。
格好は巨人そっくりなんじゃが小さいんじゃ。
まあ、小人とでも言っておくか。
おかしいのぉ。
なんで倒れた小人を見て『悲しい』と思うんじゃ?
それに『悲しい』とは何じゃ?
分からんのう。
夢じゃからか思い通りに動けんし、どうしたら良いんじゃ。
同じような格好をした小人がたくさん集まってきたぞ。
こいつらはどうみても友好的では無さそうじゃ。
先手必勝じゃ!
行け!《炎の群狼》!
・・・・・・。
そうじゃった夢じゃったわ。
小人どもが向かってくるわ。
お~い、デッカイ火の玉が飛んで来ておるぞ~。
アッチ・・・・くないのぉ。
夢だからかのぉ。
しかしなんで我は反撃せんのかのぉ。
あ、矢が目に刺さって視界が悪くなったぞ。
ぬ、尻尾を切られてバランスが悪くなったのじゃ。
たたらを踏んでおったら右腕まで切られたぞ。
このままでは負けるのぉ。
これだけボロボロで傷だらけになっても吠えたり威嚇するだけじゃし。
あ~あ、遂に倒れてしもうた。
なにが嬉しいのか小人どもがはしゃいでおるわ。
わぁ~、やっとこの夢も終わりか・・・・・。
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ピコーン
《神龍の知識のカケラ》を獲得しました。
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