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エピローグ

本日2話目。

短いです。

「ねぇ、腕が治ったってことは、もしかしてダンジョン踏破したの?」

「まさか。これのおかげだよ」

 

 探索者組合(ギルド)を出てすぐのところで、ビアンカに問われた私は、軽く否定した後、ポーチから茶色の小瓶を出した。

 

「へぇ、きれいな小瓶ね」

 

 空の小瓶を妻の目の前で軽く振ってやる。

 

「あの、もし!?」

 

 突然、横合いから声をかけられた。

 

「はい?」

「突然のお声がけ失礼しますが、その小瓶はもしやダンジョンで手に入れたものでは?」

「ええ、まぁ……」

「もうお使いになられたので?」

「はい、すぐに……」

「それは……、どのような効果が?」

「えっと」

 

 俺は少し考えたが、金さえ積めば治療院で欠損の再生は可能だし、ダンジョンのクリアボーナスでも不可能ではないので、正直に答えることにした。

 なんとなくの直感でしかないが、ここではそうした方がいいと思ったからだ。

 

「失っていた右腕が治りました」

「おお!! ではそれが噂に聞く聖女の霊薬か……」

「聖女の……?」

 

 聖女という言葉に、私はなぜかあの飲食店で出会った女性の顔を思い出していた。

 

「ぜひお譲り願いたい!!」

「はい? でも、もう飲みきってますけど……」

「ええ構いませんとも! その瓶にも価値があるのですよ!!」

 

 すると男は懐から革袋を取り出し、私に押し付けてきた。

 

「これで! これでお譲り願いたい!!」

 

 ずっしりと重みのある革袋の口をビアンが緩め、軽く広げた。

 

「「っ!?」」

 

 中には100枚以上の金貨が入っていた。

 

**********

 

「なぁ、帰り王都に寄ってニンニクとレッドペッパーを買って帰ろう。あと麺も。いや、小麦から作ったほうがいいか……?」

「なによ、急に」

「美味しい料理を食べたんだ。あ、塩と油はあるかな?」

「あるわよ。岩塩とオリーブ油が」

「オリーブ油!! それはいい!!」

「ねぇ、それだけでそんなに美味しい料理ができるの?」

「ああ、できるのさ。ペペロンチーノと言ってね。実は作り方をハッサク殿に教わったんだよ」

「ハッサク……?」

「ああ、そのあたりの話は帰ってゆっくりな」

「ふふふ、よっぽど美味しい料理なのね。あなたさっきからずっとニコニコしてるわよ」

「はは、面目ない。しかし思い出しただけでもよだれが……」

「そんなに美味しいんだったらさ、お店でも出しちゃう?」

「店……?」

「そ。お店くらい出せるでしょ? それだけあるんだから……」

「……………………」

「ねぇ、あなた……?」

「ぐふふ……」

「……それ、やめなさいよ」


次回、舞台は現代日本へ。

プロローグの続きからです。


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