俺でよければたとえ雨にうたれても会いに行きます
ついに1000文字切ってしまいました。
今回は進展がありません。(最初からあまり進展してませんでした)
午後八時。
室瀬千博は入浴していた。
防水加工が普及している現在では千博もスマフォを持ち込むことも多かったが、
今日からソシャゲのある他作品とのコラボイベントが始まったとかで、さきほどから友人からのガチャ結果のスクショが秒刻みで怒涛のように送られてきていてうざかったため今日は手ぶらだ。
あとで「すごーい」と返信しておこう。
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俺は基本的に主体性のない人間だ。
確固たるポリシーもないし、座右の銘に縛られることもない。
プレイ時間こそ減ったものの引退などできないソシャゲを立ち上げる。
マカロンを食べながら、ログインボーナスで溜まった特典でガチャを回すと、一番のレアが当たった。
所謂物欲センサーというやつだ。
本気で欲しがっている時には何万つぎ込んでもでないくせに、無心で引くと出るパターン。
とりあえずレベルを最大まで上げておいた。
強化するかどうかはまだ保留だ。
ちなもに友人は爆死したようで、俺に愚痴を書いてきていた。
「それで今日も行くの?」
最後のマカロンを盗った莉音が訊いてきた。
「まあ…」
少し曖昧に答える。
妹君の目線が鋭いからです。
しかし行かねばならないでしょう。お礼もいわないとだし。
「えっ…。これってそういう……」
どうやら口に出していたようで、莉音は最後のマカロンと俺の顔を交互に見ながら、驚きの声を出した。
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もはや恒例となっているマンションまでの道すがら、局地的豪雨に見舞われた。
ちなみに俺はゲリラ豪雨よりもこちらの方の言い回しの方が好きだ。
急いで部屋に入ると急いでシャワーを浴びた。
いくつかこちらにも服のストックを備えてあるので着替えの心配はなかった。
髪を乾かしていると、窓の外では稲光が見えた。
音も大きい。
もしかするとこの娘も雷の音に反応して目覚めることもあるんじゃないかと、俺はしばらく窓の外を見ていた。
バイト先の人の就職がほとんど決まり、焦っている自分。
まずは照明写真でも撮りに行こうか。