12話
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私は彼に入れて貰ったコーヒーを飲みながらテーブル越しに彼と向かい会った。
もう私の恐怖を煽る震えは消えていた
「どう?信じるようになった?」
その問いかけに「うん」と、素直に答える事はできなかった。
彼は帽子の男か、隣りの車両にいた男の子が能力の持ち主ではないかと聞いてきたが私にはサッパリわからない。
「そんな事よりも、なんで駅に来たのよ!電話には出なかったくせに。」
「君があんなメールをしてきたからじゃんか!
だからモンハンを投げ出して、走って駅に向かったんだよ。」
あらら。彼が命の次に大事にしているPSPを投げ出して来てくれるなんてね。
「もしかして、私の電話を切ったの君じゃないよね?
神様は平等とか言ってたし。」
「まさか!そーゆーのは出来ないよ。実際にその場にいないと」
彼といろいろ話してる内に徐々に冷静になってきた
そしてある事を思い出した
「あっ!そうだ☆」
私は鞄の中から携帯電話を取り出した。
そして、ある作業をして彼に携帯電話を見せた
「ほら、電源入った!」
「あれ?本当だ、なんで?」
彼はキョトンとした顔で尋ねてきた
「前に同じ機種を使っていた友達が言ってた事、今になって思いだしたんだ。
突然電源が切れて着かなくなって焦ってお店に持っていったんだって」
彼はうんうんと頷いている
私は一度コーヒーを口に運び
乾いた喉を湿らせた
「でね、携帯ショップのお兄さんに渡したら、この電池パックを外して、入れ直したら電源が入ったんだって」
「本当だぁ!じゃあこの携帯はたまたま電源が切れたって事?」
彼は少し残念そうに言った。
「私は最初からそんな能力は信じてないけどね」
私は意地悪く彼にそう言った
「あるんだってー!なんで信じないかなー。まぁ、いいや今回は君が人前で抱きつくという以外な一面が見れたからねー。」
彼はニヤニヤしながら私を見た。
私はどうしようも無く恥ずかしくなり、いつもより3割り増しで彼の頭を叩いた!
もう、言わないから。暴力反対!
その様子が可笑しくて私達は吹き出した。
僕の書いた小説に最後までお付き合い頂きありがとうございます。
この作品は僕が3〜4年前に初めて書いたものです。
今回、投稿するために少しだけ編集を加えました。
1人でも多く方に何かが伝われば
幸いです。