11話
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どう?
信じるようになった?
実際に自分の携帯電話が切れたんだから信じるしかないんじゃないの?
でも、僕以外にも同じ能力がある人がやっぱりいたんだ。
でも、実際は誰が携帯を使えなくしたんだろ?
その、帽子の男なのかな?
それとも隣りの車両にいた男の子?
君はどう思うの?
まぁ僕は君が無事で良かったよ。
人前で抱きつくなんてゆう意外な一面も見れたしね。
痛っ!!わかったよ。
もう言わないから、暴力反対。
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電車を駆け出し、駆け足で改札まで行った。
改札に行けばどうにかなるなんて思ってはいなかった。
でも、一秒でも早くあの電車から逃げ出したかった。
急いで改札を抜け、私が帰るべき道へ目をやると
私に向かい走ってくる1人の男がいて驚いた。
なんと、彼だったからだ。
何故ここに?
考える間もなく私は彼に駆け寄り抱きついた。
彼の胸は走ってきたせいかバクバクと大きな音がした
慣れない運動でゼェゼェと大きな呼吸をしていた。
さっきまでの恐怖心から抜け出せた安心感と彼の胸に顔をうずめた時に気ずいた彼の優しさに私は嗚咽を漏らしながら泣き続けた。