笑顔の裏には
ここに来てから随分と時間がたった。
恋愛などに興味が無かった俺がこんな所に来てしまうとは……俺も堕ちたものだ。
そう、俺は絶対に恋が成就すると呼ばれるパワースポット『◆』に来てしまった。
しかも妹と。
俺がこのような不気味な場所にいる理由をこれから説明しよう。
朝。
俺がいつもの様にテレビを見ながら、ほうじ茶を飲んでいると、妹のスマイルがやって来た。
「ねぇ、お兄ちゃん」
「なんだい?スマイル……こんな朝早くから」
俺はだるかった。
正直言ってもっと寝ていたかったが、洗濯の関係上、起きなければならなかった。
「お兄ちゃん、ここに行きたいんだけど、一緒に来て」
「どこだぁ?」
スマイルが持ってきたチラシを見て俺は驚愕した。
『必ず恋が成就するパワースポット、◆』
俺の頭は、フル回転を開始した。
スマイルが恋だと!
相手は誰だ?
その相手を持ってこい。
そして歓迎しよう。
鈍器と下剤を持って。
まさか、俺と恋!
それは無い。
など、よく分けが分からなくなって来た。
俺はスマイルに尋ねた。
「なぁ、スマイル……もし俺が断ったら?」
この質問に対してスマイルはスゥと一枚の写真を出した。
「この写真をネット上にばらまく」
どの写真かというと、俺が女装をしてナンパをしている様子しかも、パンちら。
「よろしい、連れて行こう」
俺は直ぐに同意した。
俺は車庫に向かうと、ママチャリに子供を乗せるイスを取り付けて水分と食糧と折り畳み式剣スコップ、そして金の入ったカバンをカゴに入れた。
「スマイル、用意が出来たぞ」
「はぁい、今行く」
数分後、スマイルが来た。
「ウォォォォ」
俺はつい、感嘆を挙げてしまった。
スマイルの勝負服がスゴすぎたからだ。
それはまるで、幼稚園の入学式に来ていったピカピカの制服のような感じだった。
「どうしたの?お兄ちゃん、鼻血出ているよ」
興奮のあまり鼻血が出てしまった。
「なんでもない、大丈夫だ。さぁ行こう」
俺は、スマイルのいる逆の方向を見ながら言った。
スマイルは、?といった表情だが、俺は気にしなかった。
その後は、風のような速さでママチャリをこぎ、目的地まで突っ走った。
「着いたぞ、スマイル」
車で一時間掛かると書いてあったが、道なき道を爆走したおかげで十分で着いた。
「わぁ、お兄ちゃんスゴイ」
「じゃぁちょっと用意があるから、待っててね」
スマイルはそう言うと公衆トイレの方へと走って行った。
そして今に至る。
「暇だ、ちょっと歩くか」
ちょうど目の前に池泉回遊式庭園があったので歩いてみた。
一言で感想を言おう。
リア充の溜り場だった。
俺が、鬱になっているとスマイルが日傘を差しながらやってきた。
「うん、お兄ちゃん行こう」
と言ってスマイルは俺の手を握って歩き出した。
◆は崖の先端にあるようだった。
とても怖い。
高所恐怖症の俺にとっては地獄だった。
「おうち帰りたい」
俺がそんな事を言っていると、スマイルが俺に歩み寄って来た。
「私は、お兄ちゃんの事が大好きです……異性として」
俺は思った。
冬から春に移ったな。
スマイルは、続けた。
「だから、お兄ちゃんは私だけの物にしたいの」
スマイルはそう言うと日傘を俺の方に向けた。
「笑って」
スマイルは、日傘をレイピアの様に扱い、俺を落とした。
『ヒュゥゥゥゥゥゥ』
風を切る音を出しながら俺は落ちて逝った。
頭から。
その後の事は分からない。
「ばいばいお兄ちゃん、私ねお兄ちゃんが今までずっと邪魔だったの」
「お兄ちゃんの事は大好きだけどそれ以上にお兄ちゃんが殺した弟の方が好きだったんだ」
「弟によろしくね」
スマイルは立ち去って行った。
終わり。
お初目に掛かります。
初めて作品を投稿させて頂きました。
文章校正や語学力がとても欠けておりますが許してください。
よく分からない恋愛?になってしまいました。
恋愛って難しいね。
最後に、読んで頂き有難う御座います。また時間のある時に新しい作品を投稿して行こうと思っています。
宜しくお願いします。






