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第3話 イヴお嬢様の華麗なる脱がされ術


 今回の舞台は、風呂だ…………!!!


 でも、短い。



「さて、と」

 


 顔を赤くして蹲る主をあまり気にしない事として、フィオナはひょいと持ち上げた。

 しかし普段から力仕事に慣れており、そしていくら彼女の主であるイヴが小さな子供であるとは言っても、生身の片手で持ち上げられるハズは無い。

 当然の様に、彼女は全身の骨格へと魔力を軽く流し、全身を支える様に強化していた。

 それでも、大した効果は期待出来ない……が、一応は重量系肉体労働用の身体強化魔法だ。体重30キログラムにも満たない少女を持ち上げるには十分な出力を得られる。


 生来からあまり多くの魔力を持たない彼女は、あまりにも極端な身体強化を行う事が出来ない。例えばそれは振り下ろす足で地面に皹を入れたりだとか、振り抜く拳で大木を叩き折ったりだとかの事だが。

 要は、外部へと影響を与える事が出来るような出力は出せなかったが、自分の身体を動かす上での補助に関してなら、人に誇れる程度には慣れていた。


 脱衣所まで主を連れて(持って)行き、服を脱がせる。

 イヴが身につけていたのは、質こそ良い物ではあるが、装飾は精々が縁沿いにあしらわれたライン程度のシンプルなデザインであり構造もも大きな布で身体を覆う様に羽織り、その上から腰の辺りを帯で締め、背中で止めているだけの簡易なモノだ。

 なので、その帯さえ解いてしまえば、あっさりと脱がす事ができる。


 とは言っても、布地に付着して、乾いて固まっていた泥の所為で少々結び目が固かったが。

 それでも日々の家事で度々直面する「固くて開かないビンのフタ」に比べれば対した事でも無い。


 上半身を脱がせば、次は下半身だが……こちらも簡単だ。

 腰横に纏められた紐を解き、裾を持って引き抜けば良い。イヴが床に転がったが、大した事ではなかった。

 セーラー服を脱がせるたらスカートまで、とは誰の言葉だったか。そもそもスカートでもセーラー服でも無いが。


 そして、ここまでは順調。

 しかし、上着は簡単だが、下着を脱がすのは流石に無理か………と思い、顔を赤くしてあうあう悶える主を鑑賞して楽しむのを止めて声をかけようとした処で、ソフィアは気付いた。

 脱がし、身につける物は下着だけとなった少女が唯一身につけていたモノ。それは紛れも無く、



 ……紐ですね。



 腰横で蝶結びにして固定されたそれは、何度見ても紐ぱんつだった。

 今日は朝から運動をすると分かっていたのだから、もっと動きやすいモノを選べば良いだろうに。何故こんな激しく動いたら外れそうなモノを……などと思考し、ややあってから「……ああ」と合点を得た。



 ……そういえば以前、気合入れる時は下着から、とか言った記憶が……



 恐らく、ソフィアが言ったその言葉を覚えていて、そして実行したのだろう。

 今よりも、より小さな頃からソフィアを見ながら育ってきたイヴは、所々で似た仕種というか、癖みたいなモノを持っていた。その内の1つに、張り切る際に腰帯を強く結び直す……というモノがあった。

 とは言え、それは街中でも割と見かける光景だ。きつく縛る事で力を入れやすくして、また作業の際に気合を入れるという事は別段おかしい事ではない。

 ―――ただ、イヴの場合、それが腰帯だけでは無く。布袋の口や作業用ロープなど、まったく違うモノまで強く結ぶという点までソフィアを真似ていた。


 恐らく、ユスティとの模擬戦をするにあたって気合を入れる為、“縛る事が出来る”紐の付いた下着を選んだのだろう。


 そうと決め付ければ話は早い。

 正直、さっさと脱がして風呂に叩き込んで泥砂流して朝食の準備を行いたい。

 外で運動してきたイヴも空腹だろうが、一緒に動いていたユスティも空腹なハズなのだ。そして当然、自分も空腹だった。

 イヴの腰に揺れる紐を摘み、引く。汗でも吸っていたのか、少し結び目が硬くなっていたが……流石の蝶結び、あっさり解けた。先人の知恵に感謝しつつ、自身と身に纏う作業着に防水魔法を掛けた。


 防水魔法は本来、多量の水分を用いた攻撃的魔法や、水中で活動する為の防壁魔法だ。主に学術的には対水障壁と呼ばれている。

 それを、効果範囲を最低限にまで抑え、コーティングの様にしたのがこの防水魔法で、水場での作業や雨の日に割と用いられる便利な魔法だった。つまり、今の様な状況で。


 未だに顔を赤くする少女は、何時になったら逃避から戻ってくるのか。

 でもまあ、態々声を掛ける程でも無いか。などと何気に酷い事を考えつつ。座らせたイヴの髪を湯で濡らし、石鹸を手に取り泡立てて洗う。普段の手入れのおかげか、泥が落ちるのも早い。

 これなら、朝食も早く食べられそうだった。

 泡を流す為に、掛け湯用の湯を手桶で掬い、



「お嬢様、お湯をお掛けしますのでお気を付け下さい」


「―――ぇ、わぷっ?!」



 イヴの頭を洗い流した。

 結局、頭から湯を被るまではイヴの現実逃避が終わらなかった様だが。振り返り、責める様な目付きを向けて来たが、ソフィアは気にする事も無く2杯目を掛けた。





 クールっぽいメイドさん(黒髪)と、はうはう系お嬢様(銀髪少女)の入浴シーンだと思ったかい?

 ごめんね、騙して悪いが、書けなかったヨ……。



 最近気付いたが、極短い2000字前後の文章をぽんぽん上げる方が私には合っている気がした。

 しかし、都合良く続きが思いつくワケでも無く、この調子だと十数話先の話とかが思い浮かぶので、結局連載速度は変わらないのであった。

 ぎゃふん。

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