春になると旦那様は私を忘れるので、今年も一から恋をしてもらいます
「……失礼。あなたは、どなたですか」
春分の朝、朝食の席で、旦那様はわたしにそう尋ねた。
ヴァルトハイム公爵、レイモンド様。二十七歳。銀の混じったような淡い金髪に、湖の色の目。三年前の秋に、わたしと結婚した人だ。
旦那様は、ナプキンを膝に置きかけた手を止めて、向かいの席のわたしを、ひどく丁寧な、他人を見る目で見ていた。
わたしは、いちばんいい笑顔を作った。
この日のために、一年かけて練習してきた笑顔だった。
「妻のノエミです、旦那様。三度目の、はじめまして、ですわ」
*
「セバスチャン」
旦那様が、背後に控える老執事を振り返った。
「これは、どういうことだ」
「毎年恒例でございます、旦那様」
執事のセバスチャンは、銀の盆を恭しく差し出した。盆の上には、三つの品が並んでいた。
「まずこちらが、旦那様と奥様の婚姻証書でございます。旦那様のご署名がございます」
旦那様は、羊皮紙を手に取って、眉を寄せた。自分の字だと、分かったらしい。
「次にこちらが、ご結婚式の肖像画の写しでございます」
小さな額の中で、三年前の旦那様とわたしが並んでいた。旦那様は、肖像画のわたしと、目の前のわたしを、何度も見比べた。
「そして最後に、こちらが昨年の春、旦那様ご自身がお書きになった覚え書きでございます」
四つ折りの紙を、旦那様は広げた。
そこには、旦那様の字で、こう書いてある。わたしは、毎年読ませてもらっているから、知っている。
『妻を信じろ。疑うな。あと、朝の紅茶は、妻に先に注げ』
旦那様は、長いあいだ、その紙を見つめていた。
「……私の字だ」
「はい、旦那様。毎年、この紙をご覧になって、同じことをおっしゃいます」
セバスチャンは、少しも表情を変えずに言った。
「ちなみに一昨年は『私の字だが、私が書いた覚えはない』、昨年は『私の字だ。……妻?』とおっしゃいました。今年は、少しお早うございます」
*
四年前、旦那様は北の戦場で、呪いを受けた。
春が来るたび、愛するものを忘れよ。
誰が、なぜかけた呪いなのかは、分からない。分かっているのは、その呪いの決まりだけだ。毎年、春分の朝、旦那様は、愛している人と、その人にまつわる一年分の記憶を、すっかり失う。
ほかのことは、何も忘れない。領地のことも、家臣の名前も、昨日読んだ本の中身も。ただ、愛した人のことだけが、朝露のように消えてしまう。
三年前の夏、わたしは旦那様に出会った。
この城の湖のほとりで、子爵家の娘だったわたしは、親戚の付き添いで避暑に来ていた。湖畔を歩いていたら、風に帽子を飛ばされた。帽子は湖に落ちて、ゆらゆらと沖へ流されていった。
途方に暮れていると、岸辺で釣り糸を垂れていた男の人が、黙って立ち上がった。そのまま上着を脱ぎ、ためらいもなく湖に入っていった。
腰まで水に浸かって帽子を拾ってきた人は、ずぶ濡れのまま、わたしに帽子を差し出した。
『君の帽子か』
『は、はい。あの、あなたは』
『この城の主だ』
それが、旦那様だった。
帽子を受け取ったわたしの手に、旦那様は、湖の底から拾ってきたらしい、小さな青い小石を一つ、乗せた。
『ついでに拾った。きれいだったから』
その小石は、のちに旦那様が細工師に頼んで、髪飾りにしてくれた。わたしは毎年、春分の朝に、その髪飾りをつける。旦那様が覚えていなくても。
秋に、結婚した。
一度目の春分の朝、旦那様はわたしを見て、「どなたですか」と言った。わたしは、泣いた。その日のうちに荷物をまとめて、城の門まで行った。門の前で、足が止まった。どうしても、門をくぐれなかった。
わたしは、引き返した。
旦那様は、一年かけて、もう一度わたしに恋をしてくれた。
二度目の春分の朝、旦那様はまた「どなたですか」と言った。わたしは、笑った。泣くより笑うほうが、少しだけ楽だと分かったから。旦那様は、三か月で、もう一度わたしに恋をしてくれた。
今年は、三度目だ。
慣れた、と言えば嘘になる。
でも、泣かないで笑えるくらいには、なった。
*
「……ノエミ殿」
旦那様が、ぎこちなくわたしの名前を呼んだ。殿、がついている。毎年のことだ。
「その……申し訳ない。私には、あなたの記憶がない」
「存じております」
「それなのに、あなたは」
「はい。旦那様の妻ですわ」
旦那様は、何か言いかけて、やめた。
それから、無意識のように、ティーポットに手を伸ばした。
わたしのカップに、紅茶を注いだ。
それから、自分のカップに注いだ。
旦那様は、ポットを置いてから、自分の手を見下ろして、首をかしげた。
「……なぜだろう。こうしなければならない気がした」
わたしは、カップを両手で包んで、湯気の向こうで笑った。
覚え書きを読む前から、そうしていたのだ。旦那様の手は、もう覚えている。毎朝、わたしのカップに先に注ぐことを。頭が忘れても、手は忘れない。
去年も、一昨年も、そうだった。
旦那様の目が、ふと、わたしの髪に止まった。
「……その髪飾りは」
「旦那様が、一年目の夏にくださったものですわ。湖の小石です」
旦那様は、何か思い出そうとするように、目を細めた。それから、ゆっくりと首を振った。
「すまない。覚えていない」
「存じております」
わたしは、笑った。笑えた。
*
午前中、旦那様は、書斎で執務をしていた。
わたしは、いつものように家政の帳面をつけ、料理長と献立を決め、庭師と春の植え付けの相談をした。三年間、公爵夫人として、毎日してきたことだ。
昼前、書類を届けに書斎へ行くと、旦那様が、窓辺に立っていた。
「ノエミ殿。少し、いいだろうか」
「はい」
「セバスチャンから聞いた。一年目の春、あなたは城を出ていこうとしたそうだな」
わたしは、書類を胸に抱えた。セバスチャンは、旦那様に聞かれたことには、何でも正直に答える。
「……はい」
「なぜ、出ていかなかった」
旦那様は、まっすぐにわたしを見ていた。責めるのでも、試すのでもない目だった。ただ、知りたい、という目。
わたしは、窓の外の、城の門を見た。
「門の前まで、行ったのです。荷物を持って。でも、そこで、足が止まりました」
「なぜ」
「振り返ったら、旦那様が、書斎の窓からこちらを見ていらしたので」
旦那様の目が、見開かれた。
「わたくしのことを、何も覚えていないはずの旦那様が、ずっと窓辺に立って、門のほうを見ていらしたのです。理由は、たぶん旦那様にも分からなかったと思います。でも、それを見たら、どうしても、門をくぐれませんでした」
旦那様は、ゆっくりと、今立っている窓辺を見回した。
門が、ちょうど正面に見える窓だった。
旦那様は、窓枠に手を置いて、長いあいだ、何も言わなかった。
*
その日の午後、叔母様がいらした。
旦那様の父君の妹、アデライーデ様だ。五十歳。豪華な紫のドレスに、大きな扇。隣には、姪のイザベラ様が、旦那様の腕に今にもしがみつきそうな顔で立っていた。
「レイモンド。今年も、忘れてしまったのですってね」
叔母様は、扇の陰から、わたしを値踏みするように見た。
「お気の毒に。でも、もう我慢しなくていいのよ。記憶のない結婚なんて、教会法で無効にできますの」
叔母様は、懐から一枚の書類を取り出した。
「婚姻無効の申し立ては、もう教会に出してありますわ。夫が妻を妻と認められないまま、春分から三十日が過ぎれば、婚姻は無効になります」
旦那様の眉が、動いた。
「叔母上。勝手なことを」
「勝手ではありませんわ。公爵家のためを思ってのことよ。忘れてしまうような相手と、無理に夫婦でいる必要はないでしょう」
「アデライーデ様」
お茶を運んできたセバスチャンが、静かに口を挟んだ。
「僭越ながら、申し立ては、昨年も一昨年も、春分の翌日にお出しになっておりますね」
「そ、それが何よ」
「いえ。毎年恒例でございますので、申し上げたまでで」
叔母様の扇が、ぴたりと止まった。旦那様が、ゆっくりと叔母様を見た。
「……毎年?」
「お、おほほ。公爵家のことを思えばこそよ」
叔母様は、扇を激しくあおいだ。セバスチャンは、何事もなかったように、わたしのカップに先にお茶を注いだ。
イザベラ様が、旦那様の袖をそっとつまんだ。
「レイモンド様。わたくしのことは、覚えていらっしゃるでしょう?」
旦那様は、イザベラ様を見た。
「……ええ。あなたのことは、覚えています」
イザベラ様が、勝ち誇ったように、わたしを見た。叔母様も、扇の陰で微笑んだ。
わたしは、思わず、くすりと笑ってしまった。
*
「何がおかしいの」
叔母様が、眉を吊り上げた。
「いえ、失礼いたしました」
わたしは、口元を押さえた。それから、できるだけ穏やかに言った。
「叔母様は、旦那様の呪いの決まりを、ご存じないのですね」
「決まり?」
「旦那様の呪いは、何でも忘れる呪いではございません。愛している人のことだけを、忘れる呪いなのです」
応接間が、しんと静まった。
「ですから、旦那様が春分の朝にわたくしを忘れるのは、わたくしを愛してくださっていた証拠ですわ。三年間、毎年」
わたしは、イザベラ様に向かって、にっこりと微笑んだ。
「そして、旦那様がイザベラ様のことを覚えていらっしゃるのは、たいへん結構なことですわね」
イザベラ様の顔から、さっと血の気が引いた。
意味が分かったのだ。
覚えているということは、愛していないということ。四年間、春分の朝を迎えるたびに、旦那様の記憶から一度も消えなかったということは。
イザベラ様は、旦那様の袖から、そっと手を離した。
「……行きましょう、叔母様」
「ま、待ちなさいイザベラ。申し立ては取り下げませんよ! 三十日以内に、レイモンドがこの女を妻と認めなければ――」
叔母様の声は、扉の向こうに遠ざかっていった。
応接間に、旦那様とわたしだけが残った。
旦那様は、窓辺に立って、長いあいだ黙っていた。
「……私は、あなたを、愛していたのか」
「はい。三度も」
旦那様は、わたしのほうを見なかった。けれど、窓硝子に映った旦那様の耳が、少し赤かった。
「……どんなふうに」
しばらくして、旦那様が、窓の外を見たまま言った。
「私は、どんなふうに、あなたを愛していたのだろう」
わたしは、少し考えた。
「旦那様は、鼻歌が下手です」
「……は?」
「ご機嫌がいいと、書斎で鼻歌を歌われます。いつも同じ曲で、いつも少しずつ音が外れています。わたくしが嫁いだ年の夏に、湖のほとりで、わたくしが歌った子守歌です」
旦那様は、振り返った。
「それから、デザートの上のさくらんぼを、必ずわたくしのお皿に移してくださいます。ご自分は、さくらんぼがお好きなのに」
「……なぜ、好きだと知っている」
「去年、一度だけ、うっかり召し上がって、とても幸せそうなお顔をなさったので」
旦那様は、口元を手で覆った。
「それから、朝はわたくしより先に起きて、わたくしが起きるまで、窓辺で本を読んでいらっしゃいます。一度も、ページが進んでいたことはございません」
「……もういい」
旦那様は、耳まで真っ赤になって、手のひらをこちらに向けた。
「もう、十分だ。……十分に、分かった」
わたしは、笑った。今度は、練習した笑顔ではなかった。
*
その夜、雷が鳴った。
春の嵐だった。窓の外が白く光るたびに、遠くで大きな音が鳴る。
わたしは、子どものころから、雷が苦手だった。
夕食のあと、居間の暖炉の前で、旦那様と二人で本を読んでいた。旦那様は、礼儀正しく、少し離れた椅子に座っていた。まだ、殿をつけてわたしを呼ぶ人だ。
窓の外が、ひときわ白く光った。
どおん、と城が揺れるような音がした。
わたしは、思わず肩をすくめて、本を取り落とした。
次の瞬間、わたしの手が、温かいものに包まれていた。
旦那様の手だった。
いつの間にか、旦那様は椅子から立ち上がって、わたしの隣に膝をついて、わたしの手を握っていた。
「ノエ、大丈夫だ」
旦那様の口から、その言葉がこぼれた。
ノエ。
旦那様だけが呼ぶ、わたしの愛称だった。一年目の夏に、旦那様がつけてくれた。春分の朝には、毎年、消えてしまう名前。
旦那様は、自分の口を押さえた。
わたしの手を握ったまま、凍りついたように動かなかった。
「……今、私は、何と言った」
「ノエ、と」
「なぜだ」
旦那様は、自分の手と、わたしの顔を、交互に見た。
「なぜ、私は、あなたをそう呼ぶ。なぜ、雷が鳴ったら、あなたの手を握らなければならないと、知っている」
わたしは、答えられなかった。
答えを知っていたけれど、声にしたら、泣いてしまいそうだった。
*
その夜、旦那様は眠れなかったらしい。
これは、あとでセバスチャンから聞いた話だ。
夜中、旦那様は書斎の机に向かって、懐中時計を取り出した。毎年、春分の朝から、ずっと気になっていたものがあった。懐中時計の鎖に、小さな鍵が一つ、ついているのだ。何の鍵なのか、旦那様には分からなかった。
机の引き出しの奥に、鍵のかかった小さな木箱があった。
旦那様は、鍵を差し込んだ。ぴったりと回った。
箱の中には、封筒が二通、入っていた。
どちらにも、旦那様の字で、同じ宛名が書いてあった。
『来年の私へ』
*
一通目は、二年前の冬の日付だった。
『来年の私へ。
お前は今朝、朝食の席にいた人に、どなたですかと聞いただろう。
私も、そうした。一年前の春分の朝に。
どうか、あの人を疑わないでほしい。お前は覚えていないだろうが、私は一年かけて、あの人をもう一度好きになった。最初は、ただの礼儀だった。それが、いつの間にか、そうではなくなった。
お前も、きっとそうなる。
この呪いは、愛する者を忘れさせるのだそうだ。だから、お前があの人を忘れたのは、私があの人を愛していた証拠だ。
来年のお前が、また忘れるのが、私は少しだけ嬉しい』
二通目は、去年の冬の日付だった。
『来年の私へ。
去年の私の言うとおりだった。今年は、三か月でもう一度好きになった。お前は、もっと早いはずだ。
それから、いくつか書いておく。
朝の紅茶は、あの人に先に注げ。あの人は、それだけで一日じゅう機嫌がいい。
あの人を、ノエと呼べ。一年目の夏に、私がつけた名前だ。あの人は、そう呼ばれると、少しだけ泣きそうな顔で笑う。
雷の夜は、あの人の手を握れ。あの人は雷が苦手なくせに、平気なふりをする。
これだけ書いても、たぶん、お前の手は先に覚えているだろう。体のほうが、頭より正直だ。
最後に。
あの人は、毎年、春分の朝に、笑って「はじめまして」と言う。その笑顔は、一年かけて練習したものだ。本当は、泣きたいのだと思う。
だから、来年のお前は、できるだけ早く追いついてやってくれ』
*
「旦那様は、夜明けまで、書斎の窓辺で手紙を読み返していらっしゃいました」
翌朝、わたしの髪を結いながら、セバスチャンが言った。老執事が奥様の髪を結うのはおかしいのだけれど、侍女が風邪で寝込んでいて、セバスチャンは何でもできる人だった。
「何度も、何度も。それから、新しい紙を出して、何かお書きになっていました。三十回は書き直されたかと」
「三十回」
「はい。旦那様は、手紙の書き出しで、いつも悩まれます。三年前の秋、奥様に求婚のお手紙をお書きになったときは、四十二回でございました」
わたしは、鏡の中のセバスチャンを見た。
「セバスチャン。あなた、全部数えているの」
「毎年恒例でございますので」
セバスチャンは、湖の小石の髪飾りを、わたしの髪にそっと挿した。
支度を終えて、わたしは城の庭の東屋で、湖を見ていた。
春の嵐のあとの湖は、鏡のように静かだった。
後ろから、足音がした。振り向くと、旦那様が立っていた。目の下に、うっすらと隈がある。手に、二通の封筒を持っていた。
「ノエミ殿」
旦那様は、そう呼んでから、少し迷って、言い直した。
「……ノエ」
わたしは、膝の上で手を握りしめた。
「昨夜、去年の私と、一昨年の私から、手紙を読んだ」
旦那様は、封筒をわたしに見せた。
「二人とも、同じことを書いていた。あなたを、疑うなと。それから、できるだけ早く追いつけと」
旦那様は、わたしの前に、片膝をついた。
「私には、あなたの記憶がない。三年分の、何もかもがない。だが、昨日一日で、分かったことがある」
旦那様は、わたしの手を取った。昨夜、雷の中で握ったのと、同じ手つきで。
「私の手は、あなたの紅茶を先に注ぐ。私の口は、あなたをノエと呼ぶ。雷が鳴れば、体が勝手にあなたのところへ行く。頭が忘れても、私のほかの全部が、あなたへの道を覚えている。何度も歩いて、踏み固めた小道みたいに」
旦那様は、少しだけ笑った。三度目の春で、初めて見る笑顔だった。
「だから、三度目の求婚を、させてください」
*
わたしは、泣いていた。
一年かけて練習した笑顔は、どこかへ行ってしまった。三度目のはじめましては、笑って言えたのに。
「……今年の旦那様は、ずいぶんお早いのですね」
「去年の私に、そう言われたので」
「一日ですよ。一年かかった年も、三か月かかった年もあったのに」
「三年分、追いつかなければならなかったので」
旦那様は、ポケットから、もう一枚の紙を取り出した。昨夜のうちに書いたらしい、新しい封筒だった。
『来年の私へ』
「三通目です。今年は、早めに書いておこうと思って」
「何を、お書きになったのですか」
「来年の朝食の席にいる人は、私の妻だ。一日で追いつけ。それから」
旦那様は、封筒を胸ポケットにしまった。
「叔母上の申し立ては、私が今日、教会へ行って取り下げる。夫が妻を認めれば、婚姻は無効にならない」
わたしは、旦那様の手を握り返した。
湖の上を、春の風が渡っていった。
春分の朝が来るたびに、旦那様はわたしを忘れる。来年も、きっと忘れる。それは、旦那様がわたしを愛してくれた証拠だ。
だから、今年も、一から恋をしてもらいます。
――もっとも、今年の旦那様は、たった一日で追いついてしまったけれど。
お読みいただき、ありがとうございました。
旦那様に呪いをかけたのは、誰なのか。城の庭の、春に何も咲かない一角の秘密は。
そして四度目の春分の朝、旦那様は――。続きは連載版で書く予定です。
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