第13話 愛(ルイ視点)
それから僕達は、色々と準備されていた寝室で、それはもうたくさん愛を確かめ合った。
自分で言うのもなんだが、僕は数年ぶりに与えられたマティスのデレに骨抜きになってしまい、溶け合うように求めてしまった。
永遠のような行為が終わったにも関わらず、さっきから腰に回した手はキープしたままで会話をする。
「妊娠薬は置かれてなかったね。まだダメなんだなぁ。」
「流石に急すぎるだろ」
マティスは少し枯れた声で当たり前だろと返事をした。子供を授かるには、異性間、同性間関わらず、行為前に妊娠薬を飲む必要がある。何回もベッドサイドを確認したが、行為用の潤滑油以外に、薬は置かれていなかった。
「少し残念な気もするけど別にいいよ。急いでないからね。それに、ふふ。僕とマティスは愛し合うための行為は許可されたんだよ。」
潤滑油が入っていたおしゃれな小瓶をくるくると見せながら、マティスに囁きかける。後ろから抱きしめられながらの声が恥ずかしいのか、首まで真っ赤にしていてとても可愛い。
思わず赤く染まった首筋に口づけをすると、ビクリと反応が返ってくる。
「性行為は子供を作るのが目的の行為だから、子供を作らないのなら夫婦でも準備されないことはあるんだよ。だけど僕達は心から愛し合ってるから、そういうことしたくなるだろうって判断されたんだ。」
改めて、確認するように言葉にすると、マティスは「わざわざ言わないでくれ」とぷるぷる震えている。なんていじらしい。可愛いくて仕方ない。
「もう一度したい。ずっと繋がっていたい。」
甘えるようにぎゅっと抱きしめるが、マティスから嫌がる素振りは見られなかった。
優愛と僕が一緒にいたのは憲法の事情説明とか.魔王退治について話してたり、側近の護衛騎士との仲を取り持つのに付き合わされてただけ。
愛の女神に優愛の愛を見せるため男の手回しもしたのに、護衛騎士とあっさり恋に落ち拍子抜けした事などを改めて説明する。
「ルイは俺のこと考えてくれてたのに……本当にごめん。」
「良いよ。もちろん自分の気持ちを守る意味も強かったんだろうけど、それだけ僕のこと好きになるって思ってたからでしょ。」
嬉しい、と改めて抱きしめ直す。先程までは後ろから抱きしめていたが、もう一回してからは顔を突き合わせた状態で、ピタリと身体を密着させている。
見つめあっていたらキスをしたくなるので、我慢せずに何回かすると、マティスの頬が赤く火照って愛おしい。
「それに、学園で僕等が愛し合いすぎると、後の聖女との結婚で支障が出るかもしれないと思ったんだよね。まぁ、それについては実際その通りだろうから間違ってはないよ。
僕がマティスを捨てれる男だと思われてたことだけ心外だけどね。」
マティス以外との結婚なんて、支障が出て何ら構わないのだ。
「ここまでとは知らなかったよ。」
腰が痛むのかぶすくれた表情をしたマティスはぶっきらぼうに答える。
「ふふ、敬語の抜けたマティスは久しぶりだね。ふふ、凄く興奮する。」
素直に告げる。すると、マティスは勢いよくこちらを見て眉をつり上げた。
「な、何回するつもりだ!!!」
もう終わりだ!!と叫んだマティスは僕の身動きが取れなくなるようにガッシリとしがみついてきた。
やっと訪れた幸せに、僕は表情の緩みを抑えることができなかった。
「ねぇ、マティス。結婚式はいつにしようか?」




