表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

子育てで楽を選ぶと子に被害が及び結局は自分に返ってくる

作者: めみあ

エッセイです。

子育てについての自分語りなので、興味のないかたはブラバ推奨です。


ちなみに、本文で上の子と書きましたが、基本情報を書き忘れました。


上の子→11歳

下の子→8歳

下の子は今回登場しません。



 今はスマホのおかげで我が子が産まれた日からの記録が動画や写真で残っています。子育てに不安を感じた時などにそれを見返せば、よくここまで育ってくれたと心が温かくなり、また頑張ろうと思うのですが、


 ほとんどが元気ややる気の出る画像のなか、見るたびに心が痛む写真が二枚あります。今回はそれについて書いていきます。


 一枚目。

 上の子が一歳になった頃。布団の上でグッタリとしている写真。


 グッタリしている理由→熱性痙攣をおこしたあとだから。

 それは私のせいかもしれず、今だに罪悪感が半端ないもの。


 

 上の子は扁桃腺が腫れやすく、しかも発熱すればほぼ40度を超えるため、病院では必ず坐薬が処方されました。熱が上がりきったら使ってくださいねと。

 

 で、問題の日。

 身体が熱いので体温を測ると39度後半。それからすぐに40度を超しました。

 その時の気持ちは、ああまた徹夜か……でした。

 このころの上の子はしょっちゅう体調を崩し、元気な時の方が少ないくらい。私は万年睡眠不足の日々で、とにかく欲しいものは睡眠という時期。なので私は迷わず坐薬を使用しました。37度前半まで解熱し子も眠ってくれ、私もわずかな時間眠れたのだけれど、薬の効き目が切れてきた頃、また熱が上がりはじめました。

 

 体温を測ると38.5度。

 でも毎回ほぼ40度はでる子だし、まだ上がりきってはいない状況と考えました。


 でも私は眠くて眠くて、坐薬を使うタイミングが書かれている説明書を都合よく解釈した。38.5度を超えたら使用してよいという部分を。


だから使用した。そうしたら35度台まで熱が下がった。で、効果が切れたとき、35度台から一気に40度近くまで熱が上がった。


 直後、熱性痙攣をおこした。


 白目を剥いて口から泡を吹き、身体が硬直し手足が痙攣しはじめたのです。


 熱性痙攣について、子育ての本などに頻繁に取り上げられるから知識はあった(というか不安すぎて熟読していた)

 私は深呼吸をして、まず吐いたものを飲み込まないよう身体を横に向けた。それから痙攣を起こし始めた時間を確認。5分以上痙攣が続いたら救急車を呼ぼうと、携帯のタイマーをセットし、それからは変化を見逃さないように見ているだけ。

 

 手を握り、名を呼びながら、早くおさまれ早くおさまれと願い続けた時間は本当に長く感じました。


 数分後、痙攣はおさまり、何もなかったかのように眠っている姿を見て、安堵したのと同時にとんでもない罪悪感に押しつぶされそうになりました。


 写真は、夫にことの次第をメールで報告した際に撮ったもの。戒めのためにずっと残しています。


 ちなみにその後、病院で正直に経緯を話した。医師によると、解熱剤のせいで熱性痙攣が起きたのではと不安に思い解熱剤を控える親もいるが、水分や睡眠もとれず子どもが苦しそうならとにかく楽にさせてあげてくださいと言われました。不必要に不安がらないでとも。それから落ち着いて対処できて偉かったねと言われ、心の中で大号泣しました。


熱性痙攣の話はここまで。 



 二枚目の写真の話。

 幼稚園のプレの帰りにうつしたもの。上の子が作り笑いを浮かべてピースをしている。


 出来事としては地味。他愛もないことかもしれない。でも私は見るたびに心が痛むもの。


 幼稚園のプレとは、お試し幼稚園みたいなもので、幼稚園にはいる前の年に月一くらいのペースで実施されているのですが、地域や幼稚園によって回数は違うかもしれません。


 プレの話の前に、私についてお話すると、私は上の子が幼稚園に入学するまでママ友おろか知り合いもほとんどいませんでした。色々と耳にはいるママ友のイメージが悪すぎて交流を避けていたからです。なので児童館に遊びに行ったこともありませんでした。


 だから幼稚園のプレは私にとってもママさんの世界にデビューする日でした。


(※ここで注意をひとつ。共感性羞恥があるかたは、この先の内容でうわああっとなるかもしれません)


 本題にもどります。

 たくさんのママ、未就園児たちが集まり、広いホールで円になりました。多分30組くらい。


 先生が、親子で向かい合って手遊びをしますと言いました。手遊び?と思っていると、スピーカーから音楽が流れました。


 はじめは、ひげじいさんの曲。とんとんとんとんってやつ。曲は聴いたことがあった。でもこれがなにと思っていたら、周りの親子は曲に合わせて動き出す。手をひげに見立てたり、天狗みたいにしたり。


(えっ? えっ?)


 私は戸惑いキョロキョロし、子は不安そうに私を見上げた。


 そう。私は手遊びを知らなかった。


 

 二曲目。お寿司の曲。子がネタになるやつ。もちろん知らない。このとき、子は見よう見まねで動いていたが、私は固まったまま。


 その間、心の中は嵐のようでした。自分は一生懸命子育てをしていたつもりだったけど、一番大切なことが抜けてたんじゃないかとか、ママ失格なんじゃないかとか、自信がどんどん喪失していく感覚。


 三曲目、お弁当箱のやつ。知ってる。これっくらいののやつ。でも私のHPはゼロだった。うっすら笑みだけ浮かべて時間が過ぎるのを待った。

   


 そのあとはお絵描きタイムになり、なんとか持ち直した。子の笑顔がやっと見られた。


 その帰りに撮った写真が作り笑いを浮かべたもの。子は私に気を使い、楽しかったねと言った。泣いた。


 

 自分が人との関わりから逃げた結果を突きつけられ、私はこの日から変わろうと決めた。

 プレの時に、男の子が「これ児童館でやった〜」と言っていたことを思いだし、児童館に初めて子を連れて行った。そこで知り合いができたし、相談員にプレの話をしたら色々と手遊びを教えてくれた。


 2回目のプレで、冷静になってまわりを見たら、既に兄弟が幼稚園に通っている人が多いことがわかった。なんだみんな初めてじゃないのか、とやっと肩の力が抜けた。そうしたら子どももリラックスして活動をするように。



 のちに、この時のことを子どもに聞くと、お母さんは笑ってるのに目が怖かったから覚えていると言われた。恥ずかしい。


 


 子育てで自分が楽をすると被害は子に及び、結局は倍以上のダメージが自分にかえってくる話でした。


※熱性痙攣に関して、坐薬を使用したタイミングと痙攣に因果関係はないのかもしれませんが、楽を選んだという後ろめたさから、いまだに自分のせいと思ってしまうので被害が及ぶと表現しました。




 最後に。

 上の子が小学六年生になり、学習習慣や基本的な生活習慣を身につけさせることの難しさを日々痛感してます。難しい年頃に差し掛かり、また自分の楽のために安易に逃げて子を犠牲にしないよう気を引き締めるために、このエッセイを書きました。


 以上です。


 長い自分語りにお付き合いいただきありがとうございました。




 

 

 




読んでいただきありがとうございました。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 少し違った話にはなってしまうのですが、私自身ついこのくらい大丈夫だろうと呑気に楽なほうを選んでしまったことで、家族の体調のことで自分のせいと後悔した経験があって……胸が苦しくなるような後悔の…
[一言] こんにちは。 タイトルを読んで、何事かと思いました。 めみあ様は決して楽して子育てしていませんよ。私がこんな偉そうなことを言える立場ではありませんが、とても立派だと思います。 お子様が発熱…
[良い点] はじめまして! 8歳児の母です。 拝読して感じたことは、作者様、めっちゃ懸命にお子様に向き合っておられて、決してタイトルにあるような「楽を選ぶ」なんてされてないと思いました! 解熱剤の使用…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ