ガロード
オレの名前はガロード、物語の主人公の一人さ・・・て、何でオレはその他に入ってるんだ?
オレはソロモン・ブリテン王国出身の、元王都警備兵さ。
警備兵て言っても、騎士の下の見習いみたいな物らしい、それなりにこなせば警備兵から騎士に上がるが、個人の戦闘力により出世は違うらしいし一生警備兵の人も居る。
そしてオレの今の夢は、一攫千金の歴史に残るトレジャーハンターに成る事さ、本当は数ヶ月前まで王国の警備兵の一人だったけど、貴族出身の警備兵グループに嵌められ、泥棒を逃がしたと言われ怪しき貴族出身警備兵グループは、その犯人を捕まえ武勲を上げた、生きて連れて来ては無いけどね、その前にオレ達が功績を沢山記録したのが、悪目立ちしたのだろうか?
オレ達ばかりを目の敵にする奴らだった。
アズナブル国王から、何故か「娘はやらんが期待はしてる」と最初の功績の時に、そう不思議な事を言われたのは懐かしい、それにアレは仲間達との連携で闇商人を捕まえたに過ぎない。
闇商人は違法な催眠媚薬ポーションや、催眠洗脳ポーションや暗殺に使われる甘い香りの毒等、何処から侵入したかは不明だが如何にも怪しい深く被った、黒フード野郎だったのは今でも思い出せる。
誰を暗殺する為の毒かは知らないが、何故か自白剤を飲ませずに拷問して死なせたのは、生きて捕まえた意味はない。
その命令書出した貴族は居たが、そもそもその発行日に王様の視察に同行してたので、その偉い貴族が発行した命令書では無かったらしい。
命令書には、拷問して自白するまで手を緩めずに一番キツイ拷問をせよと、そう書かれた命令書の内容だったらしいが、後に解析すると筆跡や印が偽造と発覚して、犯人捜しをしたが見付からなかったらしい。
あとたまのオフにまた誘拐された、銀髪でメガネをした令嬢を仲間と、下水道のチンピラやモンスター狩りしてる時に、何回か助けた様な気がするが、何で誘拐されるの学習しないのだろうか?
あの子は今は見掛けないが、誘拐されてない事を願うがセーラ姫に似てる気がしたが、セーラ姫が何回も下水道に居て誘拐される訳は無いと、セーラ姫に似た残念な貴族令嬢かもと言うことにした、本当にセーラ姫だったら相当ヘコムだろう・・・色々な意味で。
たまに王様に似たシャアて方と、下水道の悪党ゴミを倒したりした事も有る、まあ王様だが腕は一流で本当に国王なのかと言う腕前だった、オレ達は更に戦い方をあの事件が起こるまで、王様の戦いの技術を学んだし王様が昔結構武勇伝が有ると知る、此処だけの話し武勇伝てよりヤンチャだと思うが、オレ達も王様の若い時の事は言えないヤンチャも有る。
あと王様と一緒に居たのは、基本秘密に成ってるがそれは王妃様にバレると、王様が困るかららしいが・・・王様はオレ達の、戦いのコツを教えてくれた師匠だから言える訳がない、恩を仇で返す事はしない。
そして事件を機に警備兵をオレは辞めたが、何故かセーラ姫だけオレ達を庇ってくれたお陰で、オレ以外は警備兵として辺境だが残ることに成った、王様は立場上中立だから仕方ないが、何か悪い顔を一瞬したのをオレ達は見逃さなかったけど、何か王様は何かを企んでる様だった。
オレはもう悪目立ちしたくないから辞める事にした、まあ出世すれば安定な給料は保証されただろうが、ケチが付けば出世は見込めない・・・例え、それが嘘のケチだとしても証明出来なければ、信頼は帰って来ないからだ、王様は『世界を見て来い、俺より強い奴が沢山居る』と言ってたな、何か修行の旅に行けと言われてる気がするが、それだけはスルーしたのはナイショだ。
王妃様と同じ銀髪だが、銀髪でも白く美しく髪をし気高雰囲気を纏ったセーラ姫、何故か退職金は普通は出ない物だがセーラ姫と王様の計らいで、オレは貰える筈の無い退職金を貰えた、功績を若手ではトップだったからとか言われたが、貴族出身警備兵グループのトップの親が、国政に関わる財務の関係者だからだろう、セーラ姫様の発言に反対的な事を言い、一時国王様に締められたとか噂が流れた、噂では物理的に首を締められたと言う噂が、圧倒的に多かった気がする。
何故家臣に喧嘩を売ってまで、オレを庇ってくれたのだろうか?
オレはセーラ姫に呼ばれ、最後の挨拶と仲間達の礼をセーラ姫様に謁見で述べた。
「セーラ姫様、仲間に恩情有り難う御座います」
何故かクスクス笑いながら、セーラ姫様は言う。
「前に私を助けてくれた御礼ですわ」
(お忍びで城を抜け出すと何故か、誘拐される私を助けてくれる、物語の英雄みたいな貴方に)
「?」
昔下水道で悪党に魔法の熟練と、実験の的に成って貰った時に、偶然拐われた何処かの令嬢を助けたが・・・マサかね・・・
何故かセーラ姫様の熱視線に、好かれてると勘違いしそうに成るが、身分も違うし気のせいの筈だ。
「また何時か私がピンチな時は、また私を助けてね・・・」
「ピンチに成られては困ります、セーラ姫様・・・王様が暴れますので」
「この退屈な日常から、私を連れ出して欲しいです」
王様はセーラ姫を嫁がせる気は無いし、王妃様はセーラ姫様に恋愛結婚して欲しいらしいとか、色々噂は尽きない・・・兵の間でだが、あと連れ出したら犯罪者に成るので無理です。
あとあのオレ達を嵌めた、貴族出身警備兵グループのリーダーは、セーラ姫様を狙ってるらしいとの噂を聞くが、親が仕出かしてるからそもそも、王様に悪印象だから無理だろうな。
師匠…………王様にも謁見する、何の話だろうか?
一応挨拶はした筈だがとオレは、王様が待つ談話室に向かった。
談話室は王様がプライベートで話をする時や、知り合いを呼んで話をする場だが、畏まらなくて良いのと普通に王様と何時もの感じで、話が平民に成ったオレにも許される場所だ。
部屋に通され赤い壁紙に、ユニコーンやグリフォン等の聖獣が描かれ、高そうな甲冑や綺麗な薔薇が飾られた花瓶、談話室の上座には王様がもう座って居た。
「ガロードよ、早く座れ話が出来ん」
そう言われても、広い談話室とは言え緊張する。
王様の隣には王妃様が座り、何か得たいの知れないプレッシャーを感じるし、何かオレが値踏みされてる気がするし。
近衛兵達は無表情に四隅に立ってるし、何かセバスチャン的な人が居るのだが。
緊張しながら王様がしてした対面の席に座り、緊張で王様が何を話し始めたか分からなかった。
「セーラは私の真似ばかりして困るな、そう思わんかガロードよ」
気が付けば何故か姫の愚痴を言う王様、その王様の隣にはエレローラ王妃が居るが、更に謎のプレッシャーを感じる。
そして何故かニコニコしながら、王様を睨む王妃様だがこの王妃様も銀髪で美しい王妃様で、第二王妃も居るがあちらは黒髪美人の異世界の人らしい、エレローラ王妃様とは親友らしいし王様は二人の尻に敷かれてるとの噂も。
第二王妃の子は基本王位に関心は無く、逆に第一王子のイケメン貴公子雰囲気の、金髪で王様より凛々しい王子のアルステッド様の補佐をしたいらしい。
何故かアルステッド様と、弟の一応第二王子のヨイチ様に第三王子のシノブ様は、姉のセーラ様に困り果ててるとかさっき移動中に言われた、何故にオレに言うのですか?
一応第二王子のヨイチ様に第三王子のシノブ様は、二人共にオレと同じ黒髪だが、眩しいくらいのイケメンだ。
しかも物腰柔らかくコミニュケーション能力が高い、しかし敵も居るがそれはセーラ姫を狙う貴族と、その貴族の取り巻きにして甘い汁を吸いたい奴ら。
まあどんなに功績を残そうが、どんなに汚い手を使ってもセーラ姫の隣には立てないだろう、王様が病気に成らない限り。
「・・・聞いてるか? ガロードよ」
「そんな・・・ヤンチャしますかね? セーラ姫が?」
王様はオレ達に言った事、忘れてない?
「お忍びで私が地下で、ストレス発散は良いんだが毎回セーラは、お前達に助けられてるのだ・・・最近は勉強を増やして、地下に行けない様にしてる・・・」
やっと気付いたらしく、青い顔をし口を押さえるが遅かったが、今凄く重要な事を言われた様な。
近衛兵は背中を向け見ない体勢に成り、王妃様が鉄扇らしきのを片手に王様に向かい。
「公務抜け出して遊んでるなんて、さぞかし暇なんですね・・・」
少し間を置き・・・
「セーラがヤンチャなのは、貴方の影響でしょうがぁー!!」
鉄扇で王様かぼこぼこにされて行く、オレも席を立ち背中を向け終わるのを待つ、静かに成ったので見ると・・・
血が滴る鉄扇に怒りで肩で息をし、笑顔のまま王様に一言。
「娘は絶対恋愛結婚させますから」
「イヤだそれだ…………ぐへっ!」
王様の顔に再び鉄扇が落ちる、だが何故か生きてる王様・・・在る意味凄い耐久力だ。
「貴方に決定権は在りません」
それでも回復しないと、色々後が大変だろう。
「・・・・・・」
王様が目で合図する、アレは前に教わった回復魔法要請の合図だ、指シグナルに従い王様に回復魔法を使ってしまった。
「アナター!!」
「グギャァー!!」
回復させたが王妃様が一撃を再び食らわす、王様を再び回復させ話を再開させる、王妃様は王様の隣に座りセバスチャン的な執事に、血だらけの鉄扇を渡す。
「回復魔法にアズナブルの戦闘技術に、悪い者を倒す勇敢さもあるし、普通なら手放したく無い人材ね」
「だから言っただろ、俺の作る部隊の人材に欲しい位だと」
王妃様は王様を睨む。
「貴方が直接指揮する部隊の人材と、お忍びの護衛にですわよね?」
王妃様から王様にプレッシャーが放たれる、近衛兵はガタガタと震えるが、王様の殺気混じったプレッシャーよりマシだ、特訓で何度ビビった事か。
「良いではないか、セーラもガロードが城に居れば・・・俺が許さん」
アレ? 何か王様から嫉妬されてるのだが?
「やっぱり先にこの人を、娘離れさせないとセーラの恋愛結婚は遠いわね」
「セーラは誰にも嫁がせんぞ!」
結局セーラ姫様の恋愛やら嫁がせないが、無限のループが始まり近衛兵は慣れてるのか普通に持ち場に居る。
セバスチャンらしき執事に、退職金と王様からの金一封に何故か王妃様からも白金貨一封を、何故か貰ったが白金貨は金に換算すると、一千万金位の価値があるが王家が特別に持つ白金貨は、一億金位の価値が在ると言われてる。
何故かと言うと、滅多に褒賞として出ない為だが貰い過ぎの気がして、胃が痛くなって来るがそんなのお構い無しに、王様が話す。
「世界の旅が終わったら、旅の話をしに来い」
・・・・・・誰も世界放浪旅に行くとは、全く言ってませんよ王様・・・
後に旅に行って無いと言われ、ぼやかれるのはその半年後だ。
俺は街を出て次の街に行き、城下町では見慣れた武器ではなく新しい武器が欲しくて、街を散策し武器屋や道具屋を渡り歩いた。
目ぼしい武器や防具は無く、このままだと下水道のチンピラ狩りの装備では、トレジャーハンターには成れないだろう。
オレは人通り少ない場所まで来ると、見た事が無い二つの猫のシルエットの看板、オレは引かれるまま在る店に入った。
「いらっしゃい!」
不思議な物や見た事無い武器や防具、回復薬が店に並ぶ。
店長らしき人は二十代位だろうが、何故か小太りだが歴戦の戦士の殺気を纏った気配がする。
「お探し物は何かな? 」
男はオレに話し掛けて来た。
「私はこの店の店長らしき物だ、武器は試しが出来るが、魔法の販売もしてるよ」
この店の店長らしいが、それより魔法が売ってるだと!
確かに魔法を売る魔法道具屋は在る、だが魔法は巻物で売ってて武器屋で販売は聞いたことが無い。
「スクロールの魔法ではないよ、実演で教える魔法だから」
何だと! 実演で、魔法を教えてくれるだと!
普通は実演何処か、巻物だけ売ってハイさようならだぞ。
「武器は銅や鉄にオリハルコン、モンスター素材の武器まで在るよ」
ごくり
「防具はどんなの在りますか?」
そう聞くと店長らしき人はニヤリとし、怪しげな雰囲気を出して言う。
「君はどんな装備をご所望かな?」
オレは少し考えてから言う。
「最強のトレジャーハンターに成れる、軽くて丈夫で俊敏性が落ちない装備、あとゴブリンに対抗出来る武器」
「あの試作品を渡すか・・・」
試作品?
オレは分からずに店長を待つ、暫くすると不思議な服とズボンを持って来た。
「トレジャーハンターならこの、オリハルコン鎧より頑丈で軽い特殊な素材で作った、レンジャースーツ何てどうだ?」
普通にレンジャー服に見えるが、長袖長ズボンに不思議な感じのブーツに、茶色の革ジャンには何か仕掛けが在りそうな予感がした。
「これは魔法が付与された、多機能の革ジャンにスパイク付きの革ブーツは、特殊なモンスター素材さ」
この装備に心引かれて行く。
「レンジャースーツは外部の攻撃を無効化、防具貫通攻撃以外は無敵だ」
「それ買った!」
「まあまだ話は聞け」
早く買いたいのに何故だ?
「武器も欲しいだろう」
「確かに欲しい」
ごくりと唾を飲み待つ。
「コイツは鮫の牙で作った剣だが、ゴブリン専用攻撃武器だな」
あんなゴツいゴブリン専用の武器、でも鮫のイメージがあの港に上がるのか、モンスターの人食い鮫しかイメージが出来ないが、曲刀の様な白い刀身の片手剣だ。
「他には剣の長さを自在に出来る、片手剣の幻舞剣だ」
宝石等の装飾が殆んど無いが、シンプルな剣で剣の鍔に不思議な魔法宝石らしきのが嵌まってる。
「柄を握り剣の長さを思うと・・・」
剣の刀身がいきなり伸びた、しかもロングソードより長い刀身に。
「凄い剣ですね」
「まあよ・・・鍛冶師の腕が良いからさ」
店長さんは何か言い掛けた様な、周りを見ると刀が気になった、一応オレの母の家系はこの国・・・この大陸の人ではないし黒髪なのはその、家系の血筋とアマテラス大陸の血が強いからだろう。
剣の修行を小さな頃から爺ちゃんから受け、剣の腕がそれなりに在るのは爺ちゃんのお陰だ、何せゴブリンを刀一つで戦って来た猛者だったらしいから。
「刀を扱えるなら・・・」
店長は刀の立て掛けて在る場所から、黒い刀を持ち出しオレに渡す。
「コイツは烏丸て、気難しい刀さ」
刀に気難しい?
「持ち主に認められれば分かる」
「?」
訳がこの時は分からなかった、回復ポーションや魔力回復ポーションも合わせて二千万金したが、王妃様から貰った白金貨が役に立った。
「この店は一部の国以外は、人が余り居ない場所を探せばこの店を見付けれるさ、無い街も在るけどな」
そう店長に、店の在る場所を教えて貰った。
店を出てオレはとある島に向かう、トレジャーハンターや冒険者が一攫千金を夢見る島へ。
そして時が経ちオレは昔より成長した、此もあの店長のお陰だがこの頃噂が流れてる、とある貴族の不正がバレて王様が数年前に暗殺計画されたのや、セーラ姫に良からぬ事を考えてた貴族騎士が居たと、たぶんソイツらはオレを嵌め貴族出身の奴等だ。
何か奴らヘマをして、前にオレ達を嵌めた事も調査されるらしいが、今さら帝国の警備兵に戻る気は無いし、財宝も取り尽くした気がするし、その前に師匠たる王様に土産を持参し成長を見て貰おう、セーラ姫はたぶん今も元気だろう。
オレは島からの定期便に乗り、ソロモン・ブリテンに向け数年ぶりに国に戻るのだった。