異世界転生ご相談ラジオ
朝焼けと不思議なレトロファンタジーな、緑溢れる溪谷をバックに相応しくない物が在る、何処からか設置されたのか空間の一部からマイクが在り、マイクの下にはドリンクサーバーにグラスやジョッキが在り、二人?らしき人影が現れた。
一人はダークブラウンのダンディーな髪型をし、筋肉隆々のピッチピチの黒いタンクトップに、白い袴姿とアンバランスな姿をした、御存じこのラジオ的なご相談室の主グランゼウスである。
専用の椅子に深々と座ると、指を鳴らし今回は爽やかな喫茶店のボサノヴァジャズBGMが、爽やかな風を含ませながら何処からか流れる。
残り一人はまた男性で、赤毛の長い髪を風に靡かせ金色の瞳、何を考えてるか予測不可なシリアスな雰囲気の在る影を含ませた美形、科学者の様な白衣を羽織って更に、ミステリアスな雰囲気を纏い着席する。
グランゼウスは、やり苦そうにトークを始めた。
我々は神より上の存在だが、色々面倒だから神と名乗りお悩みを聞いて居る、だが我々も面倒は嫌だが、今回は特に何故ゲストに来たか分からない御方が来た、我々とは違うアプローチで世界を創造し、あの魔王等罪人の魂を罰を与える面倒な、システムすら無いらしい世界を構築した御方だ。
今回は我々よりも高次元の御方、それでも転生者の要望にラジオ風にご紹介だ、今回は本来は何回目か忘れたが時見がゲストだったが、何故にクライトス様が代理に成ったんだ?
まあ考えても仕方ない、では転生者の為のラジオ的なのを始めよう。
「さて今日もやって来ました、異世界転生ご相談ラジオの時間です、パーソナリティーは俺グランゼウスとゲストに・・・」
爽やかに前赤髪をかき上げ、クライトスは挨拶をする。
「時見ちゃんが少しおいたをしたので、代理に来たクライトスと申します………以後宜しく」
クライトスの背後に、白い薔薇の中に黒い羽や薔薇が少し見えたりするが、グランゼウスは見なかった事にした、因みに時見がやらかした件は、適当な世界を創造し誰とは言わないが虫やらエロゴブリンの、カオス世界により更に悪夢的な邪神を天然に湧き出してしまい、それが一部の他の高次元体の世界に飛び火した件であり、その被害の数柱の内の高次元体の一柱がクライトスである。
「まったく、何処の姉妹弟でやらかしたとばっちりを、私の世界に飛び火させるのか、色々聞きたい物ですね……グランゼウス君」
「面目も在りません………(何で俺が怒られてるんだ?)」
爽やかな顔は崩さずに、怒りのプレッシャーをグランゼウスに放つクライトス、グランゼウスは何故に怒られる心当たりはない。
「それよりも、ラジオを進めさせて貰います」
「そうですね、異世界の人間は私の創造した世界に来ませんから、興味が在りますね」
「…………え″!?」
「おや? 知りませんでしたか? 私の世界には異世界人の転生者や、転移者は居ませんよ…………保々現地の種族が技術も、困難も乗り越える心の強さを持ってますからね」
何故かグランゼウスには、それが嫌味に聞こえるのだが実際に少し嫌味を含ませるクライトス、異物を入れられた世界は混沌から一時的に平和を手にし、複数の惑星には管轄する神と人間により封印された、凶悪な因子が封印されてる。
「まったく、私が会議に出てる間に何をしてくれてるのですかね?」
「会議?」
「君達には、知らなくて良い事です」
「はあ?」
グランゼウスは知らないが、ある程度高い高次元体はグランゼウス達とは違う管轄で、世界を創造するテーマを議題に人類の進化議題、人間が妄想宗教による擬似神の能力等の検証や、人間の魔力媒体エネルギー研究等の、研究テーマ等を議題に数百年時間単位で報告する、人間と違い時間が無限に在り、研究好きな高次元体グループは世界は、基本転生も転移者も居ない。
「それではラジオスタートですね」
「それは俺のセリフです、クライトス様」
何の脈絡もなくラジオはスタートした、グランゼウスが何とも言えない顔をする。
気を取り直し、グランゼウスは地球からのメール画面をテーブルに写し出す。
「先ずは初の試み、地球からのメールです」
「此が噂に聞く、何故か地球に転生より異世界に転生を望んだり、捲き込まれ体質の転移や召喚される地球人類なのだな」
「まあそれは異世界の知識を持つ、他の世界の転生者が記憶を頼りに創作を出したり、創作の能力が高い人々の影響ですね」
グランゼウスはクライトスに説明するが、クライトスはまったくグランゼウスの話に興味は持たなかった。
「それよりもメールです」
「………ですね、それでは地球からの質問です、ラジオネーム俺の青春は腐ってないさんからのメールです、何か凄いラジオネーム来たな」
「地球の人間の青春は腐るのですかね?」
「俺に聞かないで下さい、クライトス様」
一息飲み物を口にして、グランゼウスは続ける。
「グランゼウスさんゲストさんこんにちは、おう、こんにちわだ」
「こんにちわ、なかなか礼儀正しいですね」
「そうですね」
グランゼウスは先を続ける。
「質問です、日本人以外が転生する異世界は有りますか?」
「私の世界は無いですが、グランゼウス君どうですか?」
クライトスに振られ、グランゼウスは答える。
「知り合いの創造の世界には、転生してますが………たまに前世の宗教を持ち出して、現地人達から煙たがられてますね……それ以外は、記憶無しに普通に人種関係無く人生を謳歌してますね」
「他の世界に、前世の宗教を持ち出すのは、如何な物ですかね? 人生観もですが、その世界にはその世界のルールが在りますから、余り過剰な人生観の押し売りは良くないですね」
クライトスは当たり前の事を言うが、前世の魂の記憶が倫理観を持つ為、異世界でも倫理観が通用すると思う人が居ても、仕方ない事も在る。
「クライトス様の創造の世界には、地球の転生者は居ませんが、たまには受け入れては?」
「たまには、新しい風を入れてみるのも良いかも知れませんね、ですが地球から来た魂が私の創造した世界で、絶望しなければですが…………」
「それは俺も思います、クライトス様の創造の世界は我々の創造とは、確実に違う世界ですからね………魔法や気のエーテルの質から…………」
大気に見えない魔力を含んだ、エーテルがナノマテリアル粒子化し、体内マナを還したエネルギー利用やロストテクノロジーや、ダンジョンや人類開発等の宝具エネルギー利用されてる世界。
「宝具は特に、人間が作る技術が盛んと聞きますね」
「一部世界では、一回文明が滅んでますから………森林伐採し過ぎて、自然の二酸化酸素吸収よりも人類が出す、二酸化酸素が上回った結果温暖化で人類が醜い戦争をし、人口が半減し滅びそうに成りましたね」
爽やかな笑顔で言うクライトス、それを見て何とも返答に困るグランゼウスだった。
「宝具を暴走させて、惑星破壊したアメーリカンて国も在りましたね」
「クライトス様の世界の人間は、たまに業が深いですよね」
「まあ此も、人間が科学の哲学に向かった結果の一端です、魔物が居ようが居まいが科学は成長する、人類の進化と探求が歩みを止めない限りです、たまに我々が人間に手を差し延べますがそれは、希望を捨てず前を向き勇気を出し歩く人間にのみです」
なかなか為に成る話を聞き、グランゼウスもたまには転生者でも、違うアプローチをするきっかけにしょうと思った。
「中々興味深いですね、参考にさせて貰いますクライトス様」
「構いませんよ」
「──と言う訳で、日本人以外も転生者は居ますが、地球の知識が異世界で通用するとは限らないので、その世界のルールをちゃんと理解してから、地球の知識を使う事をお勧めします」
溜め息をしながら、グランゼウスは次は他の世界の相談を読み上げる。
「さて続きましては、ラジオネーム…………本名ですね、アリシアさんですね………女性は久々かな?」
「レディですか?」
「野郎でアリシアて名前は、何かキツくないですか?」
「居るかも知れませんよ、男の子とかね」
「…………ありえる」
だがアリシアは多感な年齢の、女の子である。
「質問です、この頃親友が綺麗に成り女の顔をたまにします、噂では彼氏が出来たらしいですが、私もモテるスキルとか異世界にありますか?」
二人は黙り、この相談を見なかった事にした。
「───では次の相談です、本名希望の優奈さんです」
「何か、異世界に転移された地球人みたいですね」
「確かに、プロフィールにヒキニート、元お嬢様て出てますね」
勝手に個人情報を見る二柱。
「質問です、私はお世話に成った女性を救えず、私を姉と慕った女の子が傷付かない様に、聞かれた事を話したのに家出してしまいました、私はどう懺悔すれば良いですか? 私は自分の身勝手の罪にどう向き合えば良いですか? 教えて下さい…………」
「……………」
異世界転生ご相談の筈だが、何故に連続で転生以外の相談が来るのか、二柱は困惑した。
「一応だが、此処は異世界転生の相談であり、人生相談を聞いたり解決するラジオ的なのではない」
「そうだよレディ、悩みを解決するのは神や我々ではない、人間が自分で解決するしかない、例えそれが苦難や引返しの出来ない険しい道でもですよ」
グランゼウスはクライトスの言葉に、深く同意しながら頷く。
「我々高次元体は、人間一人の人生を救う事は出来ない、だが我々の世界の子供達を助ける為なら力を貸す事もある、それは異世界人の魂の記憶から選定する場合が在り、魂のアカシックレコードが基準に成り、色々な世界の者の魂を転生させたりする、たまに世界の風や世界の進化を促す為に、他次元の人間を転生させるが、それは転生や転移の代理者の資格が無いと出来ない、我々高次元体はその資格は必要無いが、異世界人の乱用転移や転生は、何時か世界を破滅させる」
深い溜め息と共に、グランゼウスは一呼吸入れて言う。
「人間の行う異世界人召喚は、其なりの代償を払う仕組みが在ったり、その召喚を許可した高次元体や神の匙加減次第だ、しかも大抵は召喚特典はランダムの時が多く、必ずしも若者だとしても勇者のスキルが付く事はない」
クライトスが頷くが、クライトス自身にその権限を使った実績も経験も無いが、噂で色々聞いてる為頷いてるに過ぎない。
「確か地球よりも下の次元で、顔や身体の容姿だけで世界を統治する、自称唯一神とされる女神が容姿が美形以外、召喚した地球人をスキル無しに無責任事件を起して、話題に成ってあの御方に呼び出しされたと、噂を聞きましたね」
「それ本当ですよ、確か最近大神のミコトとか名乗って、地球人の記憶の魂に新しい人生を授けたとか、あの御方はたまに色々何か試してる様です」
グランゼウスはクライトスに言うと、クライトスは興味深く聞きながら、自分の世界にも新しい風を試しに入れたく成った。
「あの御方………興味深い」
「あの御方を怒らせたら、我々でも簡単に存在を消されますからね」
「あの御方以上の御方も大変厳しいらしいですよ、グランゼウス君」
二柱は自分の部下が、余計な事をしない様にこの時に再び気を引き締めた、そして同時にエンディングの曲が流れる。
「終わりの曲が流れて来ましたね、それではお時間です……パーソナリティーはグランゼウスと………」
「今回のゲストのクライトスでした」
「それではまた何時か」
「其ではまた御逢いしましょう………」
「え″!? また来てくれるのですか?」
「気が向けば」
こうしてグランゼウスは、新たなゲストを増やしたのだった。




