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貴方なら私を見つけてくれる

作者: 夜桜

主人公⇒すず

眼鏡とひとつ結び。結局この姿が落ち着く。



そんな私、すずには気になる人がいる。しゃんと伸びた背中に物怖じしない態度。そして1番のポイントと他人の内側をのぞきこめるようなその目だ。そして華道部らしい。花と向き合ってひとつになる部活なんて素敵だ。




学校というのは不思議な場所だとつくづく感じる。顔がいい、ゲームが得意、絵が上手とか色々。40人のクラスメイト達を観察すればするほど個性が浮かび上がるように思われる。しかし私は彼女に対する興味以上のものをを誰からも受け取れなかった。


「ねぇ、一緒に帰ってもいい?」


ある日私は彼女に話しかけた。友達には驚かれ、すずとあの子じゃ住む世界は違うでしょ?と言われた。けど気にしてたらダメだと思い勇気を出した。




彼女は少し目を見開いて、はにかみながら「うん」と一言。

今日は花を買いに行く予定だったのだ、と彼女は言う。もしよければ、と続けた彼女に私の胸は高鳴った。



「私も行きたい!」気がついたらそう答えていた。



改めて深く話してみると彼女の考え方や思いに近づけているみたいで心が踊った。まだ残暑が厳しい9月上旬、透き通る青を携えた空には雲ひとつなく、風も生暖かい。こんな時、天気の文句しか会話の引き出しがない私に失望して歩みを進める。




しばらく歩くと、古めかしい花屋が姿を表した。こんな花屋が隠れているなんて知らなかった。




彼女は花屋に入ると早速カーネーションを手に取った。赤やピンクや白。花束にされてるカーネーションを1つ1つ見ては、お気に入りを選んでいるようだ。



「なんか好きな花はある?」

「んー、向日葵」


花はチューリップとかメジャーなものしか分からない。大体5択ぐらいの選択肢の中から今の季節に合わせて選んだ。そして、じゃあ向日葵を見てから帰ろうと彼女は言った。




2本セットで束で括られてる向日葵は2つのバケツに別れていた。一方はレモン色でもう一方はやまぶき色の花びらを持っている。レモンの方はサンリッチレモンといって、やまぶき色の方はヴィンセントネーブルと言うらしい。




「ヴィンセントネーブルはさら絵の具一色でベタ塗りしたみたいな色だよね。それに比べてサンリッチレモンはパッと目を引く華やかさと花びらの透明感の素敵さが際立ってて、、、!でもヴィンセントネーブルはドライフラワーにすると色が綺麗に残るっていういい点もあるのよ。

だけど私はサンリッチレモンの方が好き。』




あっ、と彼女は我に返って恥ずかしそうにほほえんでこの子達買ってくるね。といって彼女はレジに向かう。時計はもう18時10分を指していた。



.

外に出ると彼女と私は蒸し暑い残暑の空気に包まれた。

「はい、これ。改めてみたらすずちゃんの姿にそっくりだと思ったの。」

そういって彼女は私に向日葵を手渡した。

ショーウィンドウにはサンリッチレモンを持った私が佇んでいた。




ほらやっぱり!美人と花は絵になるね!と嬉しそうな彼女。




(でもサンリッチレモンは生きてる時の外見だけが取り柄で、綺麗じゃなくなったらゴミ箱いきだ。ほんとにまるで私みたい。)




私は私はめがねをかけいて、髪をキツく三つ編みにし天使の輪を携えた彼女と向き合った。

結局彼女も外見でしか私を見つけてくれなかった。ドライフラワーでも色が残るヴィンセントネーブルを横目に私はただ、ありがとう。と伝えた。




夕焼けの残り香を伴う世界の中で私のサンリッチレモンはよりいっそう透明に輝いていた。

初めまして!夜桜と申します。

本作品が私の創作生活第1歩目です。これからも引き続き頑張ろうと思いますのでぜひよろしくお願いします。

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