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転生したら血濡れ皇帝の妹のモブでした。  作者: iBuKi


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第十三話 美形しかいない…この騎士団。

宜しくお願いします。


 模擬戦も6組目を迎えた頃――――



「ねえねぇ、スザンヌ、モニカ、バーバラは誰がいい?」


 直球で尋ねてみるクラウディア。


「そうですね…まだ6組目ですが、先程の5組目のオーガスト様はいいんではないでしょうか。

 自分よりも大きい相手にも打ち負ける事なく追い詰めていました。」


 モニカが対戦の流れを冷静に答える。

 目が爛々としている所を見ると、戦いを見るのが好きみたいだ。


「今のカーティス様もいいと思うわ。サラサラの前髪から覗く切れ長の瞳…

 蔑んだ目で見られたいですわ。

 道端のゴミでも見る目で見つめられたい…」


 バーバラがうっとりと目の前の模擬戦を眺めながら答える。


 ――――え、それって強い事に関係ある?

 それより、モニカって特殊な趣向を持ってるのね…

 相手からゴミを見るような目で見られたら、私だったら普通に泣いてしまうかも。


 クラウディアは少し引いた。

 いや、とても引いた。

 アンナの唇の端がピクリと引き攣る。


 バーバラはアンナの長い説教を受ける事間違いなしだろう。


「スザンヌはだあれ?」


 まだ答えてないスザンヌにも聞いてみる。


 ガキン!ガキン!と重い音が響く鍛錬場。

 金属と金属がぶつかり合い擦れ合う音が絶え間なくしている。


「まだコレという方はお見かけしていませんわね。今ひとつ足りないと言った感じがします。」


 首を傾げながらスザンヌが答えた。


 まだ6組目だしね、スザンヌのタイプ見つかるといいね!


 この模擬戦は、近衛騎士団副隊長であるカルヴィンさんが前もって直々に、

 その中でも特に強い騎士を選出して、その騎士達総勢20名程を組みあわせ、

 今、目の前で繰り広げられている模擬戦を行ってるそうだ。


 …という事は、残り4組という事になる。


 近衛騎士団の中でも特に能力のある者同士を戦わせているのだ、簡単に勝敗がつかない。

 迫力があって、躍動する筋肉に胸が高鳴るけれど…

 一戦一戦長いのが……


 ――――顔と筋肉と三人娘のときめき具合を見てサクサク決めるつもりだったのに。


 理想と現実は上手くいかないのである。




 模擬戦が行われている間も、他の騎士は鍛錬場の空いたスペースで素振りをする者や、

 腹筋、腕立てをするにあたり、土嚢(どのう)入りを背負いスクワットしている者もいる。

 鍛錬の時間を有意義に使い、己を筋肉と持久力高みに上げる事に余念がない様だ。


 筋肉を鍛錬する事なく模擬戦を見つめる騎士達もいる。

 何となく初々しい雰囲気が出ている事から、所属されて間もない新人に近い人達かもしれない。

 強い者同士が戦う模擬戦を食い入る様に見て、そこから何か学ぼうとしているのだろう。



 ――――私の嗜好にはないけど、腐られたお姉様達の嗜好を満足させる男子でなければ…

 戦い方を学ぶ為の真剣な眼差しだと思う。多分。



 選出基準の第一条件が見目だという、弱き者を守る為に強さを極める事が本懐の騎士からすれば、

 近衛騎士団の選出条件は、「見世物扱い」に受け取られかねなく、

 家を継ぐ事の出来ない貴族子息の就職先のイメージだ。


 と、言うのは他国の話。


 この国はそこに更に厳しい条件が追加される。

 見目重視は他の国と一緒でも、

 この国はそこに“4つの騎士団所属の騎士の中でも比類無き強さを誇る者”が続くのだ。


 だから、国内に点在する騎士養成所や国立学院騎士科在学中の時に、

 見目が良い事で第一条件をクリア出来ても、やっとスタートラインに立てたというだけでしかなく、

 比類無き強さが認められなければ、学院卒業後も身分の高い貴族子息でも配属はされないのだ。


 この国の近衛騎士団所属の騎士に戦場で剣を交わす時、美しいだけの花だと思いあなどれば、

 地面とキスする羽目になるのは、自分達なのだと理解しなければならない。




 目の前で熱い戦いが繰り広げられる中、クラウディアは騎士チェックに忙しい。

 空きスペースで自己鍛錬に勤しむ騎士達にチラリと視線を向け、また模擬戦で筋肉の躍動を眺め、

 …これは……!と、確信していた。


 ――――ここには美形しか居ない!と。



 頭の中は安定のお花畑である。




 クラウディアは悩まし気な顔で、小さな顎に手をあて小首を傾げ思案する。

 傍目から見ていると『自分の守護騎士選定に真剣に悩む姫様』である。


 ――――確かに見目が最初の条件な事はあるよなー、皆美形だわ。

 でも、この国に転生して思うけど、綺麗な顔の人多いよね?近衛騎士はその中でも特にって気はするけど。


 真剣に悩んでるのは護衛としてではなく、

 自分のキャッキャウフフの為であるという、残念な姫である。



 美少年タイプに美青年タイプ、中性的なタイプもいれば…精悍なタイプに、野性味あるタイプもいる。

 良くこれだけ色々揃ったね!?豊富なラインナップだ。



「皆、どこかの国の王様か王子様みたいな顔してる……」


 と、ポツリと零したら、アンナには聞こえたらしい。



「ふふっ姫様も女の子なのですね。見目の良い殿方が多いこの国でも、

 男性で一番美しいのはシュヴァリエ様ですよ、姫様。

 勿論、その妹であらせられる姫様も女性の中で一番可愛らしいですわ。」


「……有難う?アンナ」


 照れくさくなりお礼を言ったけど、アンナは私が大した事なくても世界一可愛いと言いそうだからな。



 鏡を見る限り、将来が楽しみな容姿はしている自覚はあったけどさ。

 自分でいて自分じゃない気がするからな…私。


 ――――5才だけど5才を受け入れてないから、今の姿に違和感しかなくて、鏡あんまり見ないし…。

 仕度の時ですら、直視はしない。



 そういえば…一週間後は兄様の誕生日らしい。

 朝の仕度を3人娘にされながら、そんな事を聞いた気がする。



 この国の世継ぎである兄様の誕生日は、通常は盛大に誕生会をするらしい。

 けれど今年は、色々あった後だから何もしないそうだ。


 確かに皇帝も皇妃も側室も亡くなって、おめでとう!誕生日!にはならないよね。

 皇帝であった父も処刑だったと聞くし。

 私の母もアンナは病死と言ったけど、何らかの方法で殺されたんじゃないのかと思う。


 アンナは私の心を守りたくて、優しいウソをついたのだろう。

 不思議な親子関係だったから、気にしないでいいのに。

 前世を思い出したという事もあって、特に何の気持ちも生みの親にはない。

 でも、アンナにはそんな事は分からないから、5才の子として接したんだろうしね。



 兄様の誕生日から一週間後がいよいよ戴冠式。


 それまでには国に帰って来るみたいだし、会えるかな…?


 生まれてから一度も会った事のない兄様。存在する筈だけど現実感はない。


 アンナの話だと、男性では国一番の美貌らしいし。

 絵姿も見た事ないから、興味はある。

 周りの話を全て鵜呑みにするなら、聡明で心優しい皇子様らしいから。



 7組目が始まるのを眺めつつ…


 ――――これ、もう帰ったらダメかな?長すぎだよ。

 飽きてきた…


 皆、クラウディアに選ばれる為に真剣に模擬戦に挑んでるというのに、

 アンナにバレれば特大の雷が落ちそうな失礼な事を考えてしまうクラウディアなのだった。


ご覧いただきまして、ありがとうございます。

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