グループ化構想
あれから一年経ち、不況が終わりむしろ好況になってきた。
不況の間にたくさん店を出す作戦は大成功だった。
特に早期希望退職で事実上リストラされた中高年がフランチャイズ契約を結構してくれて、フランチャイズ店を中心にさらに120店舗増え、総店舗数は420で国内3位となった。
国内では限界が見え始めたため、最近では海外を中心に狙っている。
そこでカフェ事業が安定したし、また銀行がお金を貸してくれるようになったので食品事業に本格的に参入しようと思う。
スーパーに卸すものでもうカフェとは関係ない完全な新事業だ。
まぁしばらくはコーヒー豆とかクッキーを売るつもりだけどね。
味が一緒だとカフェの客が減っても困るから、こっちは安いインスタントコーヒーとかスナック菓子を売っていくつもりだ。
ポテトチップスとか見ないし、売れるんじゃないかな?
もう影は小さいけどほとんどファーストフード店と化したテイクアウト中心のお店ではフライドポテトも売れてるらしいしね。
こっちも伸ばしてみたいんだけどなぁ。
それはとにかく食品事業にあたってまずは商品の開発をしないといけない。
というわけでうちの工場では今さまざまな試作品を作っている。
コーヒー豆は案外安い。
それはこのド・ゴール共和国は南にある大陸に植民地を持っているからだ。
まぁこの国は前世の世界とは違って過酷な奴隷労働とかをやっているわけではないからそこで何かを生産する時にはある程度福祉もやらないといけないが、それを考えてもやはり人件費が安い。
まぁコーヒー豆を輸入してもいいのだけれどそういうのはもうたくさん売っているので食品事業のための子会社を二つ作ることにした。
一つは食品を生産販売する会社だ。
今ある工場もこっちにいく事になる。
そしてもう一つが農場を運営する会社だ。
これからはここに安くて質の高い農作物を作ってもらう。
そのためには大きな投資がいる。
おそらくこの会社だけでもある程度大規模にするために数百億とかかるだろう。
計画としては今の1845年から10年かけて50億円を食品事業に投資していく。
まじは小規模から始めないとね。
当然今のうちの会社に50億円もお金はない。
というわけでしばらくは金策だ。
ライゼン社や取引先にも株を買ってくれるように頼む。
そして上場もする。
さらに銀行に借りる。
これは社運がかかっている。
まずは上場だ。
今ではうちの時価総額は21億円となっていてギリギリ条件を満たしている。
そこで上場することに決定した。
幸いうちの企業は急成長をしているし、20億以上の価値があるのは間違いないから株価を高く設定しても買ってくれそうだ。
六ヶ月後。
上場を果たし、株を発行した。
まずは1200円で100万株。
これはうちの会社の株の30%にもなる。
しかしこれで12億円だ。
売れるかどうか不安だったが、とりあえず全部売る事に成功した。
それからの株価の動きも上がっているし、これなら大丈夫だろう。
しかしこれだけで半年。
30%も売ったから株はそんなにポンポン売る事もできない。
今のところなんとか銀行から借りた5億円とカフェで出た利益から3億円で合計20億円。
とりあえずお金は十分だろう。
ここで以前から目をつけていた植民地の農場を4億円分買い上げた。
うちは農場経営のノウハウはないので労働者付きで手に入ったことは大きい。
そして本社から幹部を3人送り込み、社員にもたくさん出張してもらい農場経営が始まった。




