21
サラサラな髪の毛がもはや自慢してるのではないかと
思う。
こうなると、髪の毛つかんで
ぐちゃぐちゃにしたくなってくるもんだ。
ぐちゃぐちゃにしてぐちゃぐちゃにして
髪の毛を荒らす。
男なら一度はやってみたい事ではないだろうか?
狐につままれる(きつねにつままれる)
といわれることわざがあるように
その人の本性を解き明かす事が出来る。
特におしゃれこだわりを持っている
人ほど効果は抜群である。
髪の毛をいじってた後に
その反応を楽しむ。
「怒るか、怒らないか」
人は、本当に大切にしているものを奪われた時
心に余裕がなくって嘘の性格を作り出す余裕がなくなるだろう。
と考えつつも今俺は
非常に
ドキドキしている。
それは可愛い子が隣で、美しい見た目で
何故か気になってしまう
髪の毛にドキドキするのではない。
昨夜の出来事から、ヘルナンデス=エマ
の心理を読めないのが怖くてドキドキしているのだ。
まったく知らない俺をいきなり屋上に呼び出したヘルナンデス=エマは
普通の人ではない。
普通なら屋上に呼び出してただの連絡事項を貰う事はほぼ現実的にあり得ない。
しかも、その連絡事項がどうでもよい内容だったから余計に
怖い。
付け足そう。
「人の行動が読めないのは非常に怖い。サイコパスより怖い。」
具体的に要注意人物をランク付けるならこうなる。
ヘルナンデス=エマ>>>>>>>>>>>>>>>>国語の先生
国語の先生は確かに性格が悪いが
行動パターンが読めない訳ではない。
どこにでもいるようなパターンの性格の持ち主である。
だが、ヘルナンデス=エマみたいな
明らかに悪意を持った行動をする人は関わった事ない。
だから俺はヘルナンデス=エマを知るという選択を取った。
ここで、こいつの性格を暴いてしまえば
次に、悪意を持った人物と巡り合えても
前例を持つことにより対処可能だからである。
なので今、話しかける事に越したことはない。
席替えをして最初にする事はなんだろうか?
それは話しかける事である。
この究極の2択で隣の席と話す機会が
今後発生するか、しないか分かれるからだ。
「よろしく」
「・・・」
やばい。無視された。
最初に席替えをしてあいさつをするか
それとも何も会話をしないか、
後者を選んだ場合は、ほぼ今後話す機会を失う。
いつも話してないのに、急に話しかけてくるのは?
と思われるからだ。
何か意味があるのじゃないか、
何か下心があるのじゃないかと
人によっては勘違いをするきっかけになってしまう。
だから最初に話しかければ、次回以降も
どんな話題でも話しかけれる事が可能になる。




