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風で桜が散り、俺の心も削れながら
ただ自電車をこいでいく。
そんな景色と共に、今日は平和であってくれと
願う。
学校に近づくにつれて
生徒が多くなっていく。
すると、少しの安心感が生まれる。
この現状は人気店に並ぶ理由と似ている。
少し前にタピオカジュースという
飲み物が流行った。
俺が小さい時から存在するその
ジュースは昔からあり、決して
今までにない、神秘的な新発明ではない。
にもかかわらず、「人気だから
飲んでみるかという」安心感
が生まれると
人はそのジュースを買い飲むのだ。
人気は安心感につながる。
登校時間に生徒が周りにいなかったら
たとえ登校時間に余裕があっても落ち着かない。
学校の教室に1番最初に入ってみた事があるだろうか?
声が聞こえない・その落ち着いた教室は
教室を独占しているという気持ちよりも
「誰か来ないのかな」といった不安が生まれる。
もし、学校が始まるのが昼からで
その情報を知らずにいつも通り、朝早く学校に来てしまっても
誰か居るだけで安心する(道連れ)
ちなみに
学生が多く登校する時間帯は
それだけその時間帯が
人気であるという事でもある。
そうして、昨日とまったく同じの下駄に到着した。
「にかい、おはよう」
「おはよう」
「にかい((笑))」
「いいあだ名だろ」
「そのあだ名で呼ぶ友達初めてだわ」
「いやいや。にかいってかなり面白くて覚えやすいで((笑)」
「なんで」
「苗字+名前、どちらも使用するだけでなく
誰でも知ってる
そうして友達と教室にいく。
俺は一人が好きだが、こうやって
友達と教室に行くのも悪くない。
理由は気分である。
何故か、友達を作っておかないと
あとあと後悔するような出来る事が
やってきそうで恐ろしいからという理由と
何より、自分に合う友達を
見つけたかもしれないからだ。
教室に入ると昨夜のように注目されなかった。
理由は分からないが、、、
「起立」
「例」
クラス委員の特権、「起立と例」
これを一度やってみると何かと心地よい。
自分が王様になって周りを従えているような
そんな気持ちがである。
理由は簡単、どんなに
個人的に好きではない友達も
この時だけは、絶対に「起立」というと
ほんとに起立するし
どんなに美人で性格がよいクラスの女子も
「起立」するのだ。
これほど、優越感に浸れる事はないだろう。
昨夜、俺を振り回した
ヘルナンデス=エマ