10話
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「私が委員会になりましたら、皆さんと勉強会を開きたいと思います。」
その一言。しかし、この言葉は強力である。
具体例を述べやるべきことを想像しやすい。
しかも「勉強会」である。
もしかしたら、クラスの男子の誰しもが「委員長」と一緒に勉強会出来るのではないか!?
という疑問が頭に浮かぶかもしれない。
このメリットは
委員長なんて誰でもいいや と思う人の票を奪えるかもしれないのだ。
多くの人にメリットがあるこの一言で分かりやすい言葉は
明らか好感度が高い事が分かる。
この勝負は負ける。
だがら委員長の欄にHernandezと名前を書いて席に座った。
「神田くんは大丈夫なのですか」
「いや、譲りました」
といって拍手する。
すると、周りも少しずつ拍手を始める。
ここで最初に拍手をしなかったら余計な思考を生んで
中途半端に勝負から逃げたと思われるのを防ぐ為である。
ここで理由の3つ目を話す
俺は考える事が好きである。それはもう常に考え事をしているように、
委員長をすぐに立候補する人は珍しい。
そんな珍しい人はどんな性格を持つのか
少し興味がわくのは当然である。
だから、立候補してどんな対応を取るのか
知りたかったのだ。
少しの犠牲を払ってもこのメリットはでかい。
これは欲である。
新作のゲームを買いたいという気持ちが生まれたとしよう。
買いたくて仕方なくて買うかもしれない。
何故かと問われるなら欲しいからである。
この欲が知識欲に変わったまでである。
そんな事を考えていると
ぱちぱち・・
風紀委員が決まった。
残りは「副委員長」である。
誰も立候補しない。
他の委員会はなんだかんだで決まったのだ。
副委員なんて「副」がつく時点でいやなので、
もちろん立候補するわけないが(委員長だと、なんか委員の中の王様っぽくて
少しやりたかったが)
「神田くんは副委員長やりませんか?」
と、担任の声が関わる
すると一斉に周りの視線がこっちに向く。
許可してないのに
Hernandezが黒板に俺の名前を書いていた。
おい、なんで拍手してんだ、周りは
気づけば副委員になっていた。
まぁなんだかんだで面白いなと一人思った。