「作家は経験したことしか書けない」わけではないが「経験したうえでこれがこうだったらよかったのに」や「これは楽しかったな」ということしか書けないのはおおかた事実なのだと思う。
まず”創作”とは自分の経験したことに対しての欠乏を充足したい心理から「想像や妄想」によってこうだったらよかったのに、こうだったらきっとすごく楽しいだろうにということを形にすることなのではないかと思います。
たとえば私は学生時代は母親からしかバレンタインのチョコレートをもらえませんでしたので、母親以外の女性からバレンタインデーにチョコレートをもらえたらすごくうれしいのだろうと思っていました。
まあ、実際にもらってみればそれほどでもなかったのですけどね。
同様に女性と交際してデートして性行為まで行ければきっとそれはすばらしく気持ちよく心地よく楽しいのだろうとも思ったのですが、実際に体験してみれば全然そんなこともないのですよね。
私の作品の男性主人公がそう言ったところでやたらと淡泊なのはおそらく、私がそう言った事柄に対してあまり楽しさを感じなかったからだと思います。
でもやたらと育児については細かいことを書いていたりするのは、今までやったことがなくてきっととても楽しいのだろうと思えるからでしょう。
あと周りに女性が多いほうが楽しいと思うのは、女性とのほうが男性の同僚とよりうまくいく感じだったからかなと。
実際に育児をやったら手間がかからな過ぎても、逆に手間がかかりすぎても育児放棄しそうな気がふつふつとしますけど。
どうも私は適度にうまくいかない事柄が一番夢中になれるようなので。
なので「作家は経験したことしか書けない」わけではないが「経験したうえでこれがこうだったらよかったのに」や「これは実際に経験してみたけど楽しかったな」ということしか書けないのはおおかた事実なのだと思うのです。
もちろんプロの作家の場合は自分が実際にやってみても特に楽しいとは思わなかったけど、ユーザーはきっと楽しんでくれるだろうということをうまく書ける人も多いのでしょうけどね。