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β版白雪姫物語  作者: 鹿島きいろ
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挽回の余地はあるのかと

初夜の気遣いからか、いつもよりだいぶ遅い時間にマリーはいつもの笑顔で私を起こしにきた。


「カメリア様、おはようございます!」


「マリー、おはよう。あなたは今日も元気ね。」


「ゆっくり出来ましたが?」


  何を?と思わなくないが...。


「ありがとう。ところで、旦那様は?」


「旦那様でしたら、ご用事があるとかで既にお出かけでございますよ。こんな日位のんびりされれば良いと思うのですが。そうそう、旦那様から今日はのんびりするようにと言付かっております。旦那様、おやさしいですね!」


「そうね。」

としか、私は言えなかった。


式や宴の緊張や疲れもあり、その日は、初夜の真相も聞けずに部屋でのんびりして終わってしまった。


マリーが言っていた用事とやらから、この日旦那様はかえって来なかった。

よって、この日の夜も私は一人だった。


結婚式も終わり、自分の時間がだいぶできていた。式翌日から立派な侯爵夫人となるために、何か講義のようなものがあるのでは、と思っていたが、特にそれもないらしい。マナーのや基礎知識は実家で、当然のことながら学んできたが、家も違うし、それこそ家格も異なるのだから、たぶん知らないことも結構あると思うんだけど...。


それについて、ロンバートに確認したら、

「まあ、おいおい、少しずつ学ばれれば良いのでは...?」

と無表情で答えられてしまった。


必要に応じて教えてもらえるという事かしら、それとも自分でなんとかしろという事なのかしら?


それでは、とりあえず屋敷の中を案内してほしいとお願いしたところ

「スケジュール調整をいたしましたら、ご連絡いたしますね。」と言われあれから一週間ロンバートのスケジュール調整の結果は私には届いていない。


わ、忘れられてる?


ロンバートに再度案内をお願いしたところ、ちょっと変な顔をされてしまったが、その日の午後にマリーが案内するよう手配するといわれた。マリーが案内役なら、一週間もスケジュール調整いらないのでは、と思ったが、口には出さずお礼を言うことにした。


「カメリア様、お屋敷の中を私マリーがご案内させていただきますね!」

と午後一番に元気にマリーが私の部屋に来てくれた。


エントランスから始まり、応接室や結婚式で使用したホール、厨房に客間などマリーの失敗談をおりまぜながら、案内された。次のなんちゃら室に行く途中大き目の扉が目についた。


「この部屋は、何の部屋かしら...。」


「あっ、カメリア様!このお屋敷って地下があるんですよ!地下!ご案内しますね!」

とそのまま私の腕をつかんで、地下へとマリーに引っ張られていった。


「...。」わざと? まさかね。


案内された地下は、主にワインや食料の貯蔵庫として使用しているようであり、その他家具等の倉庫やちょっとした休憩スペース的な部屋もいくつかあった。


「あとは、お庭ですかね。」

と言って案内してくれたお庭は、バラ園やシンメトリーの木々、パーゴラに薬草園等一応揃っていたが、屋敷の窓から直接見える所以外は、寂れている気がした。庭って結構お金かかるもんね...。それでも、この屋敷しか知らないというマリーには、誇らしい庭らしく、いかにすばらしいか滔々と述べ、そしてやはりここでも自分のうっかりやってしまった失敗談を披露してくれるのだった。


マリーの失敗談付きジェファー家案内ツアーを通して思ったことは、とても立派なお屋敷だが、家具やカーテン等、その時々で入れ替えるべきものに手が回っていないという事だ。確かに古いからと言って入れ替える必要はないのだが、よく見るとカーテンの生地は年季が入り過ぎてヨレヨレになっていたし、家具も補修すべき所がなされていなかったりと、とにかくくたびれているものがそのままの状態で置いてあるのだ。


マリーの失敗談も面白かったのだが、私は装飾品の歴史や修繕計画等もう少し深い話を聞きたかった。ロンバートに断られている以上、必要に応じて聞こうと思う。うん、大丈夫。私の持参金もあるし、これから、私が盛り立てていけば良いよね...。と思いながら、その日は眠りについたのだった。


□□■□□■□□■□□■


最初の頃こそ、ずっと私についていたマリーだったが、お屋敷内の他の仕事も掛け持ちしているらしく、徐々に私についている時間が減っていった。それでも、専属ではあるらしく、タイミングを見計らって、私の世話をしてくれている。


マリーが付きっきりの頃は、マリーと屋敷や領内のことを聞いたりして時間を費やしていたが、一人になってしまえば、本当に時間を持て余すようになった。ちなみに、本当はロンバートに聞きたかったのだが、忙しいらしく断られてしまった。返事も「奥様は、のんびり過ごされていて結構です。」とそっけないものだった。


とりあえず、今私に出来ることは何だろうと考え、まずは、継子であるクリスティーナと仲良くなることにした。庭に向かって決意を決めていると、ちょうどクリスティーナが庭に出ていたので、急いで私も庭に出てみる。



「こんにちは、クリスティーナ。お久しぶりね。」


「あ、お母様!お久しぶりです。」


「ごめんなさいね。いっぱいお話しようと言っていたのに、なかなか時間が取れなくて。」


「いえ、お気になさらず。

 あ、あの実はお願いがあって...。」


「何かしら?」


「あの、私のことをクリスと呼んでいただけないでしょうか?」


「あら、良いの?うれしいわ!」


「ぜひ!!」

    

あ~かわいい!

恥ずかしいのか、ほっぺがポッと赤く染まった顔もかわいい!


「クリスは、いつもいつ頃空いているのかしら?この時間かしら?」


「はい、午前中は家庭教師の先生がいらっしゃってて、午後はその時々によってことなります。」


「そう、じゃあ今度お茶でもしましょうよ!早速明日はどうかしら?」


「あ、明日は家庭教師の先生がいらっしゃる日なので...でも、明後日のこの時間なら、大丈夫です!」


「そうなの?では、お茶の準備をして待っているわね!」


「はい!」


「クリスは、この後お勉強?」


「そうなんです。今日の授業内容で、もう少し深く知りたい内容があって、図書室に行こうと思っているんです。」


「えっ、このお屋敷に図書室があるの?」


「はい、とても素敵な図書室なんですよ!」


   ちょっとマリー!案内忘れているわよ!


「そうなのね、私も今度行ってみようかしら、図書室」


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