冴えない男とショッピングモールは排反事象①
今回はひとつにまとめると長いので二部構成です。
土曜日の朝。それはもう1週間の集大成であり、なんならその時を迎えるために1週間があると言っても過言ではない。
世間のアホどもは、やれ早起きは三文の徳だのやれ昼まで寝てたら時間が勿体ないだのグチグチ言うが、この素晴らしい時を噛みしめることの出来ない彼らの1週間ってのは一体なんのためにあるのか俺は知りたい。
いや、やっぱ早起きしたくないから知らなくていいや。
そんなことをダラダラと考えながら、俺は2度寝をするため、毛布を顔が半分埋まるくらいに引き寄せ――――――
梨奈「行くわよ。」
俺「……無限の彼方に?」
梨奈「寝ぼけてるんなら寝耳に水するから。」
俺「その発言が最早寝耳に水なんですが……。」
梨奈「……?よくわかんないけど早く起きてよ。」
俺「妹よ。今日が何曜日か知らないのかね?」
梨奈「土曜日でしょ?」
俺「よく分かってるじゃないか。それじゃあおやすみ。」
梨奈「全然意味わかんないから!早く起きろっての!」
俺「なんで起きなきゃいけないんだよ……。」
梨奈「だから今日はショッピングモール行くよって言ってんじゃん!」
俺「……言ったっけ?」
梨奈「そんなことはいいから早く起きて着替えて出かける準備して!」
俺「おう…車と痴漢に気をつけるんだぞ……おやすみ。」
梨奈「いい加減起きろぉぉぉ!!」
俺「ゴハァッ!!」
梨奈の掌底が俺のみぞおちに入り、俺の意識はしばし無限の彼方へ……