番外編 聖夜の夜の苦悩
まだまだ三話ですが、閑話を書かせてもらいました。
ここは俺の寝床に使っている喫茶ブロートの左隣に立っている木造作りの小さな一戸建ての家。
なんだか寒くて起きてみると外は雪によって白銀の世界になっていた。
俺も少しながらテンションがあがってはいるが、寒くて体が外に出ることを拒否している。
……震えが止まんねえ……。
今日は温かいスープでも飲んであったまるか。
適当に着替えて、寒さに身を震わせながら隣にある自分の喫茶店に向かった。
厨房に入ってカレンダーの日にちを確認すると……12/24
そうか…もうそんな日か。
てことはケーキとか、チキンとか、スープとか……まあ人は来ないかもだけど一応作っとくか。
喫茶ブロートの右隣にある大きな食料庫に向かった。大きさは縦10m、横15m、奥行き25mのかなりでかいサイズだ。
そこで適当に料理の材料をあしらって店に戻り、下準備を始める。
ピピピッピピピッピピピッ……
食料庫(小)の扉に貼っ付いている開店のアラームが七時を合図する。
外にでると冷気が一気に体に流れ込み思わず体を震わせる。
看板には雪が積もっていたので払ってやると、それをopenに裏返す。
さあて、今日はどんなお客さんが来るんだろう?
◇◇◇
今日は12月二十四日、クリスマスイブじゃ。
ワシは本日、子供達に配るプレゼントの確認をしていた。
「ジョーンが木刀、シーナが素敵なポーチ、それとえ〜と……」
一つ一つ小人族達と丁寧に渡し漏らしがないかを確認する。
………あ、どうも自己紹介が遅れました。ワシの名前は[メリー·クリスマス·ウィズダム·サン·タ]…
……通称サンタクロースです。
「Mrウィズダム、今年のプレゼントの量は異常です!!悪い子だったからあげなかった…とかにしましょう!!」
「ならん!!子供には、一人残らず幸せを届けるのがサンタの仕事、先代は一人も漏らすことは無かった!!だから私も!!それを貫く!!……さあ急げ!!残り1時間しかないぞ!」
「「「「「「「「オオーー!!」」」」」」」」」
確認が終わり、プレゼントを箱詰めにして白い魔法袋にプレゼントを突っ込み、肩に担いでソリに乗る。
「おい…待て!レドルンスヒはどこだ?アイツの鼻が無いと外では暗くて危ない」
「レドルンスヒは蓄膿症にかかりまして…全く馬鹿なやつです。」
「っく!!致し方ない!!それでは行ってきます!!」
ワシは小人族に目を配ると、敬礼して見送ってくれた。それを見て踵を返し、外を見る。
雪が強い。レドルンスヒがいれば外は安全に飛行できたんだがな……、今更ぐだぐだ言っていても仕方ない。さあ行こう!
ワシは鈴の音を鳴らしながら、空をトナカイと飛行して、プレゼントを求める家に到着して煙突から入りプレゼントを置いては、また空を飛び次の家へと移動…を繰り返していた。
ワシは次の目的地の為に、国境となる山の上空を飛行していた。
しばらくは安全だろう……そう油断していた矢先に、事は起こった。
目の前には大きな龍が飛んで来ていた。
いつもならばすぐに察知できるものを、油断していたので察知できず、緊急回避することになった。
急降下である。
◇◇◇
今日は持ち帰りの客が多かった。
なぜかって?そりゃクリスマスイヴは家族と過ごすでしょ。
ちなみに客は全て近くにあるど田舎の村に住む常連さん達だ。
この近くにはお店が一つも無い。そうなるとこの喫茶店が頼りな訳だ。
てことでケーキを作ったり、チキンを焼いたりと喫茶店ではあまりしない事をやっていました。
いつからここは適当な店になったんだか……
そんなこんなで23時、閉店時間になった。
寒さもピークに達していて、扉を開けると雪が大量に入ってくる始末。
閉店の為に看板を裏返しに行くと、店の前には赤い服で白い髭のオジサン…、とその周りにはトナカイ二匹が倒れていた。
この人たち…、まさか!?
そう思った俺は比較的暖かい店の中へ運び入れた。
「んんん………はっ!!?」
かなりの勢いで起き上がったオジサンは、キョロキョロと周りを見渡してため息を漏らした。
「はぁ……ワシは…遂に失敗をしてしまったか……。」
なんか重い感じ…、
「もしかして……お客さん、サンタクロースですか?」
「ん、いかにもその通りだ。」
「なんですか?失敗だのどうのって…?」
「これは長い話になるんだが……かくかくしかじか」
なるほど、赤鼻のトナカイがいなかったと。
それで前が見えずにいたら、龍が襲ってきて、
このままでは子供達にプレゼントを渡せない……と
「おまかせください、私の料理を無料で提供します。それで元気になってください。」
「ほ、本当か!?ちょうどお腹が空いてきたところだったんだ!」
「このトナカイ達は……鹿せんべいとか食べれますか?」
「あ…ああ、なんでも食べれるよ」
ならなんでも作れるな
「それでは少々お待ちください。」
それから15分、俺が無料で提供する料理は、サーペントフライ、クリームシチュー、パン、紅茶
「お待たせしました!こちら四点を提供しますよ」
するとサンタさんは少し疑い深い目を俺に向けて
「これが普通の料理ならばいいのだが……大丈夫なのだな?信じてもいいのだな。」
疑い深いんだな……それもそのはずか……そりゃ多くの子供の夢を背負っているんだからな。
「大丈夫です。安心してください。貴方の夢は潰えさせたりはしません。」
「ならば…信じさて貰おう。……このフライを一口」
それを一口食べた瞬間、サンタさんは目を見開いた。
「こ、こんなうまい飯…食ったことがない!!」
横にいたトナカイ二匹にも鹿せんべいをあげると、一瞬で平らげおかわりをねだってくる。
すぐにおかわりを渡すとまたバクバクと食べていた。
サンタさんが完食し終えると、トナカイはすぐに食べるのをやめ、ピタッと主についていた。
「ありがとう店主、なんだか力が湧き上がってきたような感覚がするよ。……今も幸せを待っている子供達がいる。急がねばな。……改めて…ごちそうさまでした。」
「はい!!またのご来店お待ちしております!!」
サンタさんは踵を返して、店の外へと出ていった。
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ワシはそれはそれは美味い食事を取った後、ソリにのって再び空に繰り出した。
次の家に向けてソリを飛行させているのだが……少し変化がある。ここまでこのトナカイ達は速かっただろうか?……やはり先程のせんべいとやらで元気が出たのだろうか?
それに、暗いところもなんだか見える。
何なんだ…?この良い変化は……
「グルル……!」
「現れよったか……」
空を徘徊する龍、ワシのレベルともあればすぐに逃げることも容易い……
ソリの方向を変えて、その場から離脱しようとする。
だが龍は昨年より速いスピードで追跡してくる。
クソ……!!もう駄目か!
そう思った瞬間、右手が淡く青に輝いた。
と気づいた時、その右手から光が射出された。
「グギゥ…!?………」
発射された光は龍の頭を一瞬で頭を撃ち抜いた。
一瞬で塵になった龍を見て驚きを隠せないがそれよりも先に来た感想は
「これで……安心して……プレゼントを配れるのか……!!」
先代から受け継がれてきた[全員を幸せにする]を達成できる。それが何よりも嬉しかった。
幸せを届ける…そのために彼はまた、ソリの手綱を握る。
「よし!!……さあ行くぞ!!」
その叫び声と共に赤い服の白ひげオジサンは夜の世界へと消えていった。
本日の料理(効果は一日限り)
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サンタさんが食べたもの
サーペントフライ
効能:[力+9999999]
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同じくサンタさん
クリームシチュー
効能:[淡き覚醒(相手を抹殺)][暗視効果]
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サンタさん
パン
効能:[判断力+333333]
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トナカイ
鹿せんべい
効能:[身体能力+2000]
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