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ねえ...覚えてないの?先生  作者: らみゅ
3/5

中編2

「はい、じゃあそこに座ってね」


と、生徒を椅子に促し横目で容態を確認した。足を擦りむいて、血が垂れている。私は急いで応急箱からアルコール消毒液とガーゼを用意する。私は慣れた手つきで生徒の傷を手当する。そういえば、名前を聞いていなかった、ふと顔を見上げると...そこには、見知った顔が。伊坂健人、高校三年でイケメンの分類に入りお調子者でよく保健室を休憩場所代りに使う私にとっては余りいい存在ではない。


「あなた、勉強もせずに外で走り回ってるの?」


と皮肉げに彼に問いかけたが、そんな事を言っても彼はあっけらかんとかわしてしまうのなんて知っているが言いたくなってしまうのだ。


「宮野ちゃんに会いたくて、わざと」


と大の大人にウインクする高校生。キュンなんて音もせずにドヨンとした沈黙が続く。私ははぁとため息をつき、傷に絆創膏を貼った。そして、「勉強しなさいよ、ほら帰った帰った。」と定番の答えを言いお引取りをお願いするがなかなか、伊坂はしぶとく居座ろうとする。伊坂は「ほんと冷たいなー」と言うがそのままソファに移りダラダラとしだす。こうなってしまうとどうしようもない。とりあえず私はスマホをとり、体育の先生に伊坂を引きずり出してもらうよに依頼する。伊坂とダラダラと雑談していくほどなくして、体育の先生が突入し、ソファに寝そべる伊坂を発見するなり捕獲して保健室から引きずり出した。「恨むなよー」と心の中で思いながらやっと落ち着き私はコーヒーを沸かすために席を立つ。そういえば、伊坂は入学した時からあんな調子だった。暇さえあれば放課後に保健室にきて、ダラダラとすごす。高校2年になって告白された私が笑って流したことで流れ、そして今になる。ほんと、馬鹿なヤツと呟いた。




その時「ねえ、さっきのだれ?」っと私の真後ろで声がした。うちの校舎はおんぼろで、ドアをだって古く開けたらガラガラと音がするのだ。だが、その音はしなかった。来客のはずがない...と不思議に思って振り返る。











後ろを振り向いた先には真新しい制服に身を包んだ、たぶん1年生だろう男の子が立っていた。髪はサラサラとした黒髪で、目はくっきりとした2重鼻が高くいかにも美少年オーラが出ている。そういえば、友達の先生が1年生担当で凄い美少年がいる興奮していた。すっかり忘れてしまっていた話を思い出した、たぶんこの子だろう。しかし、私とは面識あるはずもない。さっきの発言をスルーして、私は笑顔で彼の元に駆け寄る。わたしは彼に、「何処か怪我したの?」と応急箱を取り出し問いかけた。







「何その顔?俺が怪我してる様に見えるの?」



なら何しにきたんだというツッコミを喉の奥底に沈め、私は応急箱は元の場所に戻し保健室にきた謎の訪問客と向き合う。彼は私の反応にたいそうご立腹らしくなにやらグチグチと言い出した。

私は困ったような反応を見せると目の前にいる彼は顔を歪めていかにも不機嫌そうにソファに腰を掛ける。確か大学の時、家庭教師をやったことがあったが、その時の生徒かも知れないと思い、「ああ、久しぶりだねー」とりあえず、笑顔を取り繕って彼を見た。だが、その顔は満足していなく私の顔をの下からぞきこむ。

「なにそれ?本当に忘れたの?」と弱冠キレ気味に美少年は顔をさらに歪めた。




「いいよ、もう俺が思い出させてあげるから」



「え...?」



という暇もなく、一瞬の出来事のように少年が近づいてきて少年の唇が私の唇に無理やり押し付けらた。抵抗する暇もなく腕を捕まれ、彼に抵抗する術を無くしてしまった私はもう彼のされるがままだ。何分いやもしかしたら数秒だったかもしれないが、触れ合った唇が離されてお互いに目が合う。そしてにっこりと笑った彼は憎たらしく顔を歪めて「捕まえた」と私の耳元に囁いた。


弟がヤンデレに?



もう少しだけお付き合いください

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